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わかりやすい!中医学の基礎 Vo .22〜『血』のトラブル 1 『血虚』

『気』のトラブルに続いて『血』のトラブルをご紹介します。
『血』のトラブルには、『血虚(けっきょ)』と『血瘀(けつお)』があります。

今回は、40代50代の女性では最も不調の原因となりやすい『血虚』についてです。

血虚について



『血虚(けっきょ)』は、血が不足していることを指します。

血が不足し、全身に血がめぐりにくくなり、組織が栄養不良となっている状態です。

「血が不足している」というと、貧血をイメージする方もいらっしゃるでしょうが、血虚=貧血ではありません。


貧血は、血虚の症状の一部ではありますが、『血虚』にはもっと広い範囲での不調が含まれています。

血虚になる原因は次のようなものがあります。

【血虚となる主な原因】

●胃腸機能(脾胃)の消化吸収能力の低下で、血を作る材料が不足している
●女性では月経により血が失われるため血虚が起こりやすい
●心労(精神的な疲労・心配事・思い悩み)
●無理なダイエットによる栄養不足
●夜更かし・睡眠不足(陰血は夜に作れる)
●偏食による栄養不足          など


血虚の症状チェック



血虚の症状チェック

美容とも関わりの深い『血虚』

皮膚や爪、髪などの末端まで栄養が行き届いていなければ
皮膚の乾燥や爪が割れやすい、髪の毛がパサつくなどの美容面でのトラブルとして表れてきます。

反対に、栄養がしっかりと全身に行き届くようになれば、これらのトラブルは自然と解消されていきます。

40代、50代でこれらの症状がある方は、からだの内側からのケアをしっかりと行うことで、20年後、30年後のからだをより元気に、若々しく保つことができるのです。

内側のケアは20年後30年後に影響する



『血』を補う代表的な生薬

阿膠

阿膠の特徴は『血を補う』とともに『止血』のはたらきがあることです。生薬の中では珍しい『動物薬』に入ります。

阿膠

地黄

地黄は、人参とともに滋養強壮の代表的な方剤で、特に生命力の源である『腎』を潤し養う力が強いとされています。


地黄

当帰

当帰は、婦人薬にはかかせない生薬です。『血』を補いめぐりを良くするはたらきがあり、潤すことでお通じを良くする効果も期待できます。

当帰

酸棗仁

酸棗仁


血虚に使われる代表的な漢方薬



四物湯:皮膚が乾燥し、虚弱体質で冷えを強く訴える人に
当帰芍薬散:冷え性でむくみやすく、時に月経不順を訴える人に
酸棗仁湯:体が疲れているのに眠れない
当帰四逆加呉茱萸生姜湯:冷えてしもやけなどの末端の循環障害がある場合
加味帰脾湯:不眠や精神疲労を訴えて、食欲不振もあるがイライラも強い人



まとめ


血虚


心血虚
肝血虚
その他の症状


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