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魔性の子

これも十二国記シリーズですが、世界が現代の日本なので、この一巻だけ異質ですね。
十二国記の導入はこの小説から入っても問題ないという意見もありますね。
このストーリーから入った読者からは、一般的なホラー小説として物語を読み進めていくことでしょう。
そして、現代日本で起こった怪異事件の謎が一番気になるポイントでしょう。


しかし、十二国記シリーズを知っている読者から見たら、日本こそが異世界であり、あっちの世界が故郷であると知っています。
私は日本に住む人たちが異端人の悪者として認識してしまいました。
それは主人公である高里があちらの世界の住人で、私もあちらの世界の住人として物語を読み進めているからだと思います。
私はなぜ高里がこちらの世界に戻ってきてしまったのか、それが気になりました。
もちろん怪異事件の謎はすべて最初から分かっていますし、妖怪の正体も1ページ目から把握しています。
十二国記を知っている人なら全員がこのパターンでしょう。

十二国記の世界情勢をすでに知っているもの、知らないものでここまで物語の解釈が変わるのは面白いですね。
しかも、どちら側が読んでも物語の理解として支障が出ないのが凄いです。
もちろん、はじめて十二国記を読む人からすると意味が分からない用語などが出てきますが、それはこれからの続巻で覚えていけばいいしこの巻では大して重要ではないからです。

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