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病気と入院と手術

うじをの謎以外アドベントカレンダーより

発端

2020年の健康診断の時、「婦人科検診を受ける年だよ、健康診断と一緒に受けてね」と会社に言われ、マンモとかエコーとか内診がセットになったやつを受けました。
「子宮筋腫のちっちゃいのがあるね。経過を見たいから半年後にまた来てね」と言われたのが発端です。
グズグズしてるうちに半年が過ぎ、次の健康診断のときに婦人科一緒につければいいかーと思って放置し、翌年の予約時に婦人科検診を付けるのを忘れました。
健診時の先生との問診で、
「前に子宮筋腫あるって言われて診せに来いって言われて放置してて、別に変ったこととか特にないですが、今すぐ診てもらえないものか」と言ったら「今すぐは診察は無理なので婦人科検診を別の日に予約して」と返される。
当日に婦人科いっちょ追加!とはいかなくて、後日予約を取り直してまた来いとなりました。

子宮筋腫は2~3センチくらいのやつが1こ、1センチくらいのやつが2~3こあるよと言われてました。
皆さんご存知の通り、子宮筋腫があるからといって特に急に死んだりはしません。
生理痛が重くなったり、膀胱を圧迫してトイレ近くなったり?めっちゃでっかくなったら腹がぽっこり出たり(そんなに大きくないのに既に出てる辛い)他の臓器と癒着したり?
自分の生理痛はそんなにひどいということもない気がしていました。普通に痛かったりしんどかったりしてたけど、倒れたりするほどでもないしな…みたいな。でもこの考え危険らしいね。どれくらいが普通かなんて分からないものね。

既に年齢的に閉経も見えてきてて、子宮筋腫は女性ホルモンがアレコレして大きくなるやつなので、若いと大きくなるらしいけど、閉経前後で筋腫の成長が止まったり小さくなったりすることもあるんだって。
じゃあ別に良くない?
取りましょうってなったら手術怖いじゃん…。

そうこうしているうちに2022年となり。
婦人科の予約をしないといけないな。でもコロナ禍で人がわんさかいる病院に、どこも痛くないのに行くのは嫌だなとグズグズしておりました。
2月。おうちでごはんをおなか一杯食べて、床にうつ伏せで寝そべって、携帯で漫画読みながらゴロゴロしてました。
おなかいっぱいなので床で圧迫される。苦しいな、と思いつつ。
そうしたら急に、下腹部のあたりで「ブチッ」というような音と何かがちぎれたような感触があり、パンパンだったお腹が床にぺったりついたのです。
なんとなーく下腹部に鈍い痛みもあるような。
へそが裂けたとかじゃなくて内臓というか、腹の中で何かが起きた感がすごい。
内臓で「ブチっという感触」ってめっちゃ怖い何これ。
ハッもしかしてゴロゴロしたことによって腹の中で子宮筋腫がねじ切れたのでは??怖い!!!

ビビり散らかしてウェブで婦人科予約をしようとすると、翌日の15時頃、または2週間後なら予約が空いてる。
うーん当日に今日の午後休みますというのは避けたいなと思い、2週間後の日程で予約を取ります。
翌日、黙ってられない私は客先の仲の良い女性2人に、「婦人科ずっと受けろって言われてるけどブッチし続けて早数年、昨日腹でぶちって言って怖いので、再来週に半休いただきます~」と言ったところ2人ともから「バカ今すぐ行け」と怒られる。
ウェブ予約見ると今日の15時まだあいている。
そんな感じで急遽翌日(本日)仕事を抜けて婦人科を受けに行くことになりました。

診察

前回の診察は女医さんでしたが今回はおっさんでした。
別に診てもらうのに女医さんじゃないと嫌!みたいなこだわりや羞恥心はありません。たんと診ろ。
「もともと子宮筋腫がいくつかあると言われてました。実は昨日うつぶせに寝てゴロゴロしてたらお腹の中でぶちっと言うような音がして、出ていた腹がへっこんだのですが、これはゴロゴロしたことにより子宮筋腫がねじ切れたのですか??」と前のめりで聞いたところ「ンッフ……wそんなことは起きないので大丈夫です…そんな簡単に子宮筋腫が取れたら苦労しないんでねw」と半笑いで言われる。
エコー&内診で診てもらうと、確かに子宮筋腫があって、ちょっぴり前回より大きくなってるかもしれないけど、それは別に大丈夫そうかもよ。
それより子宮内膜症っぽいかも?検査用の組織を引きちぎるからちょっと痛いよ(何それ怖い)
それより卵巣に水が溜まって?腫れているかも?3-4センチくらいかなぁ。
と本来じゃないところがやばそうな感じでした。

卵巣が腫れてるってのは漫画家の内田春菊がなってたやつ、チョコレート嚢胞とか言うやつでは?卵巣の先っちょが腫れて、頭部分が重くなってねじれて、千切れて出血してドチャクソ痛くなって救急車呼んで緊急手術になるやつじゃ?
(私の医療知識はほぼ漫画から来ています)
えっ昨日ぶちって言ったの卵巣なの?ねじ切れてる?そこまで痛くないけど??怖い!!!
先生の見立てによると、ちょっと腫れてる感じはするけど、MRIとか撮らないと内診とエコーだけだと卵巣は判断しづらい。
すごく腫れている場合は、お腹をぎゅうぎゅう押して触診で分かることもあるらしいのだけど、触診を阻む私の腹の脂肪「…よくわからないな…」と先生を困惑させて終わる。

というわけでMRI検査の予約を入れて終了。
この後アホみたいにググる。
先生の見立てによると卵巣の腫れは3-4センチ、右のみ。
6センチ以上の腫れになると手術で摘出が一般的。小さければ薬とかでコントロールしつつ様子見出来ることもあるとかなんとか。
MRI検査してみないと分からないと言われたけど、ワンチャン薬でなんとかなるかもしれないのかな。
手術は怖いので嫌だし、できればそうなるといいけど。

MRI検査と検査結果

またちょっと仕事を抜けて行ってきました。
MRIは何回か受けたことがありますが、別に怖いことも痛いこともないのよね。ただただ金がかかる。
しかし検査をしないわけにもいかぬ。
全てを八王子で済ませようとしているので、在宅勤務中であれば2時間ほど仕事を抜ければなんとかなるのは助かるな。
この検査結果がまた2週間後とかなので、引きちぎった組織の検査結果と一緒にもう1度おっさん先生の所へ行きます。

採取した組織検査の結果は、子宮頸がん疑い。多分大丈夫だと思うけど、ちょっとやばいかもね。みたいなことが書いてあって、ヒェッとなる。
これもアホみたいにググったら、確率としてはゼロじゃなくて………大丈夫なこともあるけど………ダメなこともある………みたいなふわっとしたことが書いてある。グレーゾーンよ。怖いよ。
そして3-4センチの腫れかも、という見立てだった卵巣は、6センチ以上腫れてるから手術で取った方がいいよ。手術出来る病院を紹介しますね。と紹介状を書いてもらうことに。
えっ手術は決定なの?怖いんだが??
先生の見立てが誤っていたのは腹の脂肪のせいですか??

紹介状を握りしめて帰宅して、さらにググると「将来的に子供ほしいなら温存してもいいけど取った方がいいよ」ってどこ見ても書いてある。
でも患者さんの希望で、手術しないこともある。
でもした方がいい。でも薬で様子見もあり。
みたいな………どっち!!!!?!?!!?

また6センチ腫れてるので、卵巣の頭の部分が重くなってて、いつ変な方向にねじれて千切れて痛い痛いになるか分からないので、痛いと思ったらすぐに救急車呼んで下さい。と言われる。(内田春菊がなったやつ)
びえええええ怖いよ!!!
子供産む予定はないので多分手術で取った方がいいんだよな。でも怖いな。
グズグズしてたけどこうなってくると命に係わるので、グズってる場合じゃない。おとなしく電話して予約をとろうとしたら「予約はいっぱいなので、朝イチで来て待ってるように」ということに…。
手術か否かの判断をしてもらいに、でっかい病院へGO!

手術?

手術になるかもしれないのヨーと何人かにはカミングアウト。
特に同僚には、仕事を長期間休むことになるのでちゃんと言っておかねばなりません。
友人達には触診で脂肪が邪魔して先生を困惑させた話などで笑いを取りつつ。
家族(ママや妹)に話した方がいいだろうけど、手術になった、ってなってからでいいかー。ほらまだ薬でなんとかなるかもしれないし…。
早く家族にこそ言いなさいよと言われていたけどいったん黙ってました。

紹介先の病院でひたすら待つ。
たまたまですが診ていただけたのは、その病院の婦人科のボスっぽい人でした。診療科長というのかな。
パキパキ喋って割と取り付く島もない先生だったので、事前に聞いておきたいことをメモしといて良かった。
結論から言う感じというか、マジ取り付く島もなくて「(検査結果による現状やリスクの説明)じゃ、手術いつにする?」って感じだったw
えっと薬でなんとかすることも出来ると聞いたんですけど…。と素人がネットで聞きかじった知識で食い下がるという一番ダメな患者ムーブをやってしまった。
「えっ手術しないの?リスク高いよ?」
「お子さん希望されてるの?されてないよね?そしたら手術の方がいいよ」
「大丈夫腹腔鏡手術だから傷跡もそんなに残らないし」
「えっなんで薬?」
「なんで手術嫌なの?」
「失礼かもしれないけど年齢的にお子さん望める30代前半までなら温存もありうるけど、もうね、ほらね、40代後半なわけだから」
「えっなんで手術ダメなの?」
と、たたみこむように色々言われる。
「手術怖いんで…(涙目)」
というとフッフフでも手術しないともっと怖いことになるかもしれないからさ!ね!この日とかどう?
という感じで、あれよあれよと手術日程が決まりました。

というわけで腹くくった。手術します。嫌だけど。
「温存しておいても何のいいこともない」と、いかにメリットがなくデメリットがでかいか、ということを結構丁寧に説明してもらったので、こうしている間にも病状が進んでとんでもないことになったり夜中に卵巣がねじ切れて痛い痛いになって救急車呼ぶ羽目になったりするかもしれない…!!という気持ちになってきました。

手術する!!

腹腔鏡手術。穴あけて管通して手術するやつね。
開腹手術よりダメージが低いのでそんなに入院期間も長くならないようです。1週間弱?5日くらいで退院になるようです。
そんなすぐ??怖い!!!
しかし手術する病院で「中を見てみないと分からない」「状況によっては開腹手術に切り替える」と先生が何度か言っていて、あーなんか開腹になるのかもなぁ、とちょっと思っておりました。
なんていうか先生の経験値で「そうなりそうだから言っておかないと」ってなってるっぽいというか。

さすがに黙ってるわけにもいかないので母親と妹に報告。父親には言ってない。死ぬってなったら連絡でいいかと。
手術日と退院日と、手術前の説明と同意書が必要なので、身内の付き添いがいるから誰か連れて来いと言われたので妹を連れていきます。
これ天涯孤独の人とかはどうするんだろうか。

ママが「今すぐ東京へ行くわね」みたいな勢いで中腰だったのだけど、まだまだコロナややこしい。ちょうど第7波の頃かな。
緊急入院命に係わる覚悟してくださいこれが最後ですとかではないし、(そうだったとしてもコロナ禍で面会は出来ないのだけど)上京してくることによってコロナに罹患されても嫌なので押しとどめる。

予定入院なので色々入れてた遊びの予定がふっとぶ、というようなことはなく、手術後どれくらいで体調が回復するかが分からないし、しばらく予定が入れられないなーというくらい。
よく遊ぶ人などには動けないタイミングが出来そうかも、と状況を報告したりなどする。
あとは特に、本人が今なうしんどいわけではないので通常運転でした。
腹はずっと鈍く痛い気がしてたけど、今思うと気のせいだったのかもしれない。

めっちゃ検査

MRI検査は受けたけど、手術する病院で受けた血液検査の結果が微妙だったようで、他に悪いところがあると良くないし追加でアレコレ検査を受けて下さいとなったのよ。
具体的には胃カメラと大腸検査。
胃カメラは何度か経験あるけど大腸検査ははじめて。こわい!!!
同じ日に2つの検査はできないということで(それはそう。私のメンタルもフィジカルももたない)別日にまた休みとって行かなくてはならず、有給に余裕がそこそこあるとはいえ困った。入院が伸びたりして足らなくなったらどうしよう…。こちとら給料ギリギリで生きてるんだよ。

手術に間に合わせるため結果が爆速で出ました。もろもろ問題なしだったので、予定手術日にそのまま手術することになりました。
ここでアレコレ見つかったりするとさらに検査とか、手術の内容が変わったりして手術予定日も変更になることもありえたので、ひとまずは良かった…。

胃カメラよりしんどいことはないだろと思ってたけど、大腸検査もまぁまぁしんどい。
まず自宅で下剤をしこたま飲む。まずい。
前日から錠剤の下剤を飲んで、朝もはよから検査時間の何時間前からコレ(大量の液体下剤リッター単位)を何分かけてじっくり飲めみたいな指示が出ていて、7時に起きないといけないのに若干寝坊したりしつつ、起きて即甘酸っぱいキショい液体をひたすら飲む。上から出そうよ…。

検査は下から突っ込むわけですが、なんというか腹が重苦しい感じ。圧迫感がある。痛いとかはないのよね。胃カメラと違ってオエっともならないし。だから胃カメラよりはマシだなとは思うんだけど、「内視鏡にうんこがいっぱいついてきたり、うっかりうんこが出てしまっているのでは??」という焦燥感がずっとあってそれどころではない。
出口付近にずっと熱い液体(ゆるゆるうんこ)の気配がしてたんだけど、たぶんあれはホットな潤滑油だね。
結果的には大丈夫だったよ。まじベッドの上うんこまみれでしょと思ったのに…。
そうならないために頑張って下剤飲んだんだけどさ。
ここでも検査の先生が「もしポリープとか見つかったらその場で取っちゃいますね」とか言うのでビビり散らかした。幸いなんにもなかったです。

入院前の説明とか

どんな手術やねんとかお前は今どんな状況やねんとかを、先生が私と身内に説明してくれる会です。
だいたい聞いていたことなので特に質問もないなーと思ってたら妹が「開腹になったとしたら傷口はどれくらいの大きさになるんですか」とどうでもいい質問を…。怖いからやめてよ。
「そんなものは状況次第で分からんよ」と言われて「それはそう」となる。
ここでも先生の話は既に知っていた内容であることもあり、落ち着いてクールに聞いていたつもりが、妹が言うには「静かに震えていた」らしい。おかしいな…。

持っていくものとか注意することとか、当日の入院の流れとかの説明を受ける。
細かく色々必要なのね。吸い飲みとか。「吸い飲み」って生まれて初めて発音したわ。
手術後起き上がれないから、飲み物飲むときに必要だよって。何それ怖い。
ペットボトルストローでもいいよと言われて、みっひーちゃんのカワイイストローを買ったんですが、結果的に何の役にも立たないことが分かりました。(後述)

初点滴、初全身麻酔なのでビビりまくる。
麻酔医の先生に丁寧に詳しく説明してもらったのに、ビビりすぎて全然頭に入ってこないよ。
(たいてい後から説明された内容を書いた紙をもらえるので後で頭冷えてからゆっくり読んで理解)
幸い私はお酒を飲まないので、効きにくいとかはなさそうかな。
麻酔ってトラブル怖いって言うじゃない。医龍でも言ってたよ麻酔マジ大事って。私にはちゃんとベテランのカリスマ麻酔医がついてくれるのかしら?
(私の医療知識はほぼ漫画から来ています)
しかし痛みもなく意識のないまま儚くなれるのならそれはそれで幸せでは?と言われてそれもそうかと思い直したりして。麻酔が途中で切れて傷口痛い痛い大量出血です死にますとかだとめっちゃ怖いけど、麻酔ききすぎて戻ってこなくなるとかならそんなに苦しまずに逝けそう。
でも仁でも麻酔問題はずっとついてまわってたしさ…!!(今は江戸時代ではなく令和なので大丈夫だと説得される)

入院日(手術前日)

腰が引けております。
病院はうちの目の前のバス停から1本で行けるのでそこが決め手で決定しました。
術後に歩くのしんどいだろうなと思って。
着いたら即パジャマに着替えて早速暇ですよ。
院内コンビニには行けるのと、21時までは自由に飲食可能だったので、ここぞとばかりに持ってきたおやつやセブンコーヒーなどを飲んでました。
大部屋です。6人満員です。多分に多様な婦人科系の人々で、同じような年齢から70くらいのマダムまで。コロナ対策でカーテンしめっぱ、喋るなんてもってのほかって感じなので、ナースとのやり取りの声で判断。
ちょいちょいトイレですれ違って会釈する。

手術するとか入院するとかをTwitterで言うつもりはあんまりなかったんですよ。
たまたまリアルで会った人に世間話とか雑談の延長で「実はこないだ手術してちょっと前まで入院してたんだよねー」「えぇ!?」って事後報告で話すくらいでいいかなと。
そんな言いふらすことでもないしね。
病気の話って微妙で、心配されすぎてしまうのもあって、あんまり話題にしたくなかったのです。

病気の人や闘病中の人にかける言葉って迷うよね。
頑張ってね!もなにもめっちゃ頑張っとるわ!ってなるし、大変だねとか大丈夫?って大丈夫なわけねえだろボケ!となる人もいれば、大丈夫だよありがとうSUKIってなる人もいるというか。
そっとしとくのも愛だし激励も愛なんだけど、なにせ受け皿側の病人の了見がいつも以上に狭いのです。

21時以降は飲食禁止、手術は全身麻酔なのでまた下剤飲んで全部出さねばなりません。まず錠剤を飲んですぐにもよおす。もともとお通じは大変良い方なので、下剤飲んだりするとたちどころに出るのよ。
でも全部出し切るためにって感じで、大腸検査のときみたいな甘酸っぱいまずい液体をまた飲まされました。気持ち悪いよー。
大腸検査のときはリッター単位だったけど、今回はコップ1杯でした。でもこの量なのにつらい。
ナースに「これ全部飲まないとダメですか」と聞いたら「全部じゃなくてもいいけどなるべくがんばって。手術が大変になるからね…」と言われて頑張って飲む。手術が大変なことになるのは怖い。
なんか膨満感というか、腹が膨らむ感じがして気持ち悪くなってトイレで吐いてしまいました。
トイレにあるナースコールを押して「すいません下剤で気持ち悪くなって吐いちゃって…」というと、全部飲まないとダメかと相談したナースちゃんが来てくれて「苦手なのにがんばって飲んでくれたんだね、ありがとう。大丈夫だよ。もう気持ち悪くない?ベッドに一人で戻れる?」とかめっちゃ優しい。好き。結婚してください。
入院時にナースに惚れてストーキングする人の気持ちがわかってしまったな。
あんなに優しいのはあのナースちゃんも私のことが好きに違いないと友人Dに力説したけど「仕事だよ」と一蹴される。

手術当日

11時から手術開始予定だけど、前の手術が長引いたりしたらちょっと開始が遅れるかもしれないよ、と言われておりました。
妹は付き添いのために待合室でスタンバってくれております。(コロナ対策で病室に入れない)
病室にいても暇なんだよね。飲食出来ないし。携帯は見られるからTwitterしたり、漫画読んだり、ゲームしたり、そわそわ。

麻酔もあるし点滴を入れます。生まれてはじめての点滴導入。
わたくし血管が大変細く奥まっており、採血のたびに大騒ぎするレベル。もちろん点滴でも大騒ぎ。
わりと若めのナースちゃんが頑張ってくれたんですが、どうにも入らない無理となって、麻酔科の先生を呼ぶ騒ぎになりました。もう…いっぱい刺されたのよ…先に呼んでおいてくれ…。
それだけでへとへとになりました。
後はお呼びがかかったら点滴をカラカラと自分で持って歩いて手術室に入るのよ。こわい。
待ち時間が長いよー。
しかも開始が遅れるかもしれんのよなぁ。もうここまできたらさっさとやってもらいたい。

とか思ってたら「前の手術が意外と早く終わったので15分くらい早く開始してもいい?」と言われてめちゃくちゃ動揺する。遅れるかもとは聞いてたけど前倒しとは聞いてない!!怖い!!!
さっさとやってくれと言った舌の根も乾かないうちからビビり散らかしてしまい「入院手術とかいちいちみんなに言わなくてもいいと思ってるんだよね」とクールにキメていたつもりが「見知らぬ天井」ツイートをしてしまう。誰か助けて超こわい!!
激励リプライがたくさんついてちょっと落ち着く。あのときはみんなありがとう。

呼ばれて腰が引けつつも一応クールに手術室へ向かう。妹が待ってる。手術室までついてきてくれてがんばれ!などと言われた気がするけどよく覚えてない。怖い。全然クールじゃない。
手術室入って名前の確認とか、病巣がどっちだとか(私の場合は右卵巣なので右の掌にマーカーでなんか書かれた)そんなことをやりとりしつつ、麻酔がイン。
数を数えるよとか聞いた気がするんだけど、マジ手術室入ってからの記憶があいまいです。
気づいたら終わっていました。

手術完了

3ー4時間の手術と聞いていたのだけど、結果から言うと中見たらまあまあやばめなことになっていたらしく、腹腔鏡手術から開腹手術に切り替わったため、もうちょい時間がかかったみたいです。
手術が終わって覚醒して、今が何時くらいなのかというのはさっぱり分からない。一応意識はあって、ベッドに寝たまま、手術室から出てきたところを妹に迎えられる。
お腹から下が熱くて痛くて、なんか熱っぽくて、息苦しくて、とにかく痛くて、頭が回らない。
「お疲れ!!がんばったな!」的なことを妹に言われるが「痛い…」以外言えない。
病室へ去り行く私に「おねえ!不死身の杉元やで!!」という激励の言葉を頂いたが、おねえちゃんは杉元ではないし腹を切ったら普通は死ぬんよ。

病室に戻って寝かされて、呼吸器がついててうざったい。足に何かまきついててうざったい(血栓予防のシューシューするやつがついてたぽい)体が熱くて痛くてしんどくてもう無理。痛い。
たぶんこの時点で外の暗さからして夕方18時くらいだったのかな。飯も食えないので痛い痛いと言っては痛み止めを入れてもらい、暑がりの私は暑い暑いと言ってひんやりまくらを出してもらい、のどが渇いて茶を飲もうと思ったらちょっと離れたテーブルの上に置いたペットボトルが取れないし、ナースちゃんが来たついでにペットボトル取ってもらったけどもちろんフタは開けられないし、開けてもらってミッフィーちゃんストローつけたら、ストロー短すぎて1/3も飲んだらもう何も吸えねえの。なんなの。バカなの?

こんなことでナースちゃん呼んでいちいち頼むのはちょっとな、と遠慮してしまい、なんとか自力で色々頑張ろうとしては傷口が痛くてギャー!となるのを繰り返してたら「いいから呼べ」と怒られました。
翌日の午後くらいから携帯が見られるくらいまでにはなったかな。
激励リプライにリプ返したりしてた気がするな。
とにかくちょっと動いても痛い。トイレはまだ一人では行けません。はにたんのはにたんにはカテーテル通ってます。男性と違ってそこまで違和感や痛みはなかったよ。抜くときもすんなりでした。いつ抜いたんだったかな、2日後くらいにすぐ抜かれた気がします。
術後しばらくの記憶があんまりないのですよ。

担当医の先生が巡回に来てくれたりして、わー白い巨塔だー読んでないけどーと心の中でこっそりはしゃぐ。研修医の人たちが後ろにいっぱいついてきてたよ!
手術前に、研修医や学生の子たちをたくさん受け入れているのだけど、お前の手術とか診察のときとか、勉強のために見せたり、処置をさせたりしてもいいか?嫌なら断ってもいいよ。という書類にサインをしたのですよ。
もちろん子供達には勉強してほしいので、診察を覗き込まれたりとかそういうのは全然構わない。
でも治療に関しての手出しはやめてほしかった。ベテランの先生が横についてくれてる状態で、手を実際に動かして勉強をしてもらった方が勿論良いのだろうけど、自分の時はイヤっていうか…。
動物のお医者さんでも研修医が手術時に腸を出しすぎてぎゅうぎゅう詰めなおしてたり、ブラックジャックによろしくでも研修医の人が暴走してえらいことになったりしてたじゃないですか。
(私の医療知識はほぼ漫画から来ています)

白い巨塔だぁとかいらんこと思っていたせいか、先生に「どう?」と言われても「痛い」しか言えず。あとで診察室いこうね、となる。
ここで手術が開腹手術に切り替わったことを知る。多分何回か言われてるんだけどぜんぜん頭に入ってなかった。
ってことは、退院日が伸びるので同僚に連絡しなくては。

術後診察と経過

先生から手術の内容の説明を受ける。
内臓癒着とか?なんか色々やばいことになってたので腹腔鏡手術から開腹手術に切り替えたよっていうことと、切除した病巣を検査に出して、その結果によっては治療が続くよ、という話がメイン。

なるべく易しい言葉でショックのないように話す先生「取った臓器をね別のところにね、検査に出して、見ただけじゃわからないから、詳しく調べて、良性ならいいんだけど検査結果によってはいろんな治療が引き続き必要になるかもしれないんだよね。でもまだ分からないからね」
フラジャイルを読んでいる私「切除した病巣を病理検査に出して、悪性の場合は別途治療が必要になるということですね?」
先生「」
(私の医療知識はほぼ漫画から来ています)

悪性腫瘍…怖い。
でも可能性としては結構高そうな感じ。だってなんだかもう、退院したあと通院して治療が続くよねみたいな前提で話してるんだもん。検査結果を待たないと分からないって言ってるくせに。
先生の経験値で、多分そうなるけど病理検査結果が出るまで確定じゃないからはっきりしたことは言わないよ、みたいな感じで話してる。

手術後の注意事項とかも聞く。
傷口は順調にふさがってるみたい。めっちゃ痛いけども。ほんまに大丈夫??
特に咳き込むと超痛いの。またしょっちゅう咳き込むの。院内が乾燥してんのかな?と思ってのど飴買ったりしたけど(結果的に結構効いたけど)麻酔導入のときに喉に挿管されるから、みんな全身麻酔すると喉やられること多いみたいね。
ケンケンしては痛い痛いと夜中に唸っていたので、同室の人はうるさかったのでは…と今なら思うけど、当時はそんな余裕はなかったし、それで怒るような人はいませんでした。みんな優しい。
また夜になると咳がよく出る気がしたのよね。横になって体あったまると出やすくない?交感神経だか副交感神経だかがアレコレするんだよね?
ケフンケフンいたぁい…。ってずっと言ってた。
くしゃみなんかしようもんなら爆発四散してたと思う。

ねえ腸閉塞ってご存知?イレウスって言うんだって。怖い。
開腹手術したあとに、傷口がくっつこうとして内臓が癒着しちゃうんだって!!怖い!!
有閑倶楽部でも、盲腸の手術のあとにおなら出た?って言われてたじゃん。あれですよ。術後ちゃんと腸が動いてるかどうかが大事なのね。
(私の医療知識はほぼ漫画から来ています)
ガスはもう出ましたか?とナースちゃんに何度か聞かれて「おお、これはアレだ。有閑倶楽部で盲腸手術の後に言われてたやつ!」ってなってました。

カテーテル抜いてすぐも尿意がよくわからなくなったり?することもあるみたいだけど、私はそれは大丈夫でした。すぐさま超おしっこいきたい。
じゃあ歩いてトイレに行きましょう。っておい正気か。
そろーーっとまずベッドのふちにこしかけて、スリッパをはいて、しかし足元のスリッパがよく見えないし見ようとして屈むと超痛いし、足さぐりではいて、点滴はまだついてるから点滴タワー(あれ正式名称なんていうの?)をカラコロと引きずって、一応ナースちゃんについてきてもらって、トイレにイン。おしっこは問題ないです。
ただ便座に座る&立ち上がるのは超痛いのでそろーっとです。

なんというか、腹の中で本来あったはずの内臓がなくなったから、お腹の中がガサゴソしてるな、って感じがすごくするのよ。隙間がある感じ?
腹帯はしてたんだけど、ケチって安いガーゼ&マジックテープのやつにしたからものすごい心もとない。もっとがっちりコルセットのようにホールドしてほしい。
(退院後、キルティング生地のしっかりしたやつをすぐ買う。しかし夏つけてると超暑くてキレた)
ガスが出そうな感じは一切なかったです。だって腹に力入れたら痛いんだもん。ケフ…って軽く咳き込んだだけで飛び上がるほど痛いんだよ。いきんだら死んじゃうのでは?傷口がもう1度開くのでは?

お薬くれる薬剤師さん、ごはんを配膳してくれる人、体温とか計ってくれるナース、巡回する先生、全員が「おなら出た?ガス出た?うんこは出せそう?」って毎回聞いてくる。1日で8回くらい聞かれた。
そうなると出ないのが怖い。ねえ大丈夫??腸動いてる?それともくっついてるの?癒着なの?イレウスなの?
ごはんは一応出てたんだけど、お湯かよみたいなおかゆ。
味のないどろっとしたお湯はきつい。ごはんが全然食べられなかったんですよね。
食わないとそりゃうんこも出ないし腸も動かないよね。
味噌汁っぽい上澄みもあったけど、これもなんかもうスカみたいで。一応ちょっと口つけるけどもういいや、みたいな。

とにかく冷やさないように、みたいにめっちゃあっためられてたんですけど、私は大変暑がり。
暑すぎるしご飯はドロドロだし、アイス食べたい!!フルーツゼリーとかでもいい!!冷たいものなら食べられる!!と暴れたら、ごはんにアイスをつけてもらえました。なんか療養用のやつ。
初回はすんごいおいしーーーい!!って思ったんだけど、おかゆ食えるようになってきたらそっこー興味を失いました。乳脂肪分が低いアイスはまずいんよ。
でもそこからちょっと腸が動いた感じがしてきました。まずいアイスのおかげです。
バブ!みたいな景気のいいガスだと傷口に響きそうだけど、そうっとスカー、くらいのガスくらいなら出せそうな気がする。
癒着を防ぐためには動いた方がいいから、ガスを出すために傷口が痛いだろうけどなるべく歩いてみて、と先生に言われる。おい正気か。
でもイレウスがほんとに怖いので、用もないのに院内を徘徊します。それはもうめちゃくちゃ歩きました。ピクミンがめっちゃ育った。

めちゃくちゃ歩いてるのにガスは出ない。もちろん食ってないのでうんこも出ない。
ちなみにイレウスになったらどうなるんですか?と聞いてみたところ、鼻から管を入れて腸をゴソゴソする、またはもっかい開腹手術して癒着した腸をべりべり剥がすんですって。なにぞれごわい!!!!
体温はかって血圧はかって、ごはんがきて、先生が巡回にきて、みたいな入院中ルーティンがだいぶ分かってきたので、諸々終わったら徘徊タイムです。
好きなお茶なら飲んでいいよって言われたのでコンビニにジャスミンティーとアールグレイティーを買いに行くのを日課にして、それ以外はマジで院内ずっと徘徊していました。
巡回の先生にもう1回、「うーん、ガスが出ないとね…傷口痛いかもしれないけどちょっと歩いたりしてみて…」と言われたんだけど、ナースちゃんが「先生…この人(ちょっと引くくらい)めっちゃ歩いてます」と耳打ちしてたw

連日の徘徊が功を奏したのか、やっとスー…みたいなかそけきガスが出ました。
あーこわかった。
出ないとダメとはずっと言われてたけど、いつまでに出ればセーフとかもわかんないしさ…。
そのあたりからちょっとずつおかゆにも米粒が増えていきました。
食事制限は特になかったので、(いやちょっとはあったのかな。天ぷらのテイクアウトとか食ったら怒られてたかもしれない。でも塩分とかそういうのの制限はなかったので)ごはんをしっかり食べるべく、ごはんの進む塩分を求めて海苔の佃煮をコンビニでゲットしてきました。
そして何をどうしてもフタが開かない。
思いっきり力入れてフタをねじると、マジで瓶のフタじゃなくて腹の傷が開く。
しばらくがんばってなんとか自力オープン。今思えばナースちゃんに頼めばよかったんだろうなw
とにかくずっとイレウスのことで頭がいっぱいでした。

入院は続く

腹腔鏡手術から開腹手術に切り替わったため、入院がのびました。
5日間の予定が計8日になりました。
5月22日予定が25日退院に。まあしょうがない。5日目に退院しろって言われてたら多分泣いたと思う。
おかゆではないふつうのごはんになり、いきむと傷は痛いがうんこも出るようになり、傷口が痛いの以外はだいたい元の通りになった感じがします。
めっちゃチョコレート食べたいしコーヒー飲みたい。
コーヒー飲みたいけどダメかと聞いたら先生に聞いてみないと…と濁され、毎日毎日執拗に「コーヒーを飲んではダメか」と聞いていたおかげか、退院2日前くらいからコーヒー解禁!セブンへGO!カフェオレうまー!!
ちなみに入院中のチョコレートはダメでした。

ナースちゃんがベッドへ来るたびに「ねぇーチョコレートが食べたいよぉ」と甘えていたせいか、私より1日早く退院する人が、「退院してから食べて下さいネ」といって、お餞別みたいにチョコレートをくれたのよ。いや嬉しい。初めての交流。ありがとう。でも食えないのよ。手元にチョコあると食いたいじゃんかよ!!
怖いことになったら嫌なので食べなかったよ!!持って帰ったよ!!目に入らないように入院グッズカバンの底の方にしまったよ!
退院してからありがたくいただきましたが、カロリーゼロ?ローファット?みたいなコンビニに売ってるOLおやつチョコだったのでまずい(もらっておいて文句)

私はチョコレートに固執していましたが、先に退院していったチョコレートをくれたこの人は焼肉に固執しており「いつから焼肉を食べていいですか」「カルビはダメでもハラミならいいですか」とめっちゃ食い下がってたw
カルビでもハラミでも消化に良くないものはしばらくダメです!って怒られてたw

退院後の注意事項なんかを聞く。
しばらくは長距離の移動、重いものを持つ、なんかを避けてくれだそうだ。通勤が出来ないな。頼まれてもやる気ないけど。満員電車乗るの嫌すぎるわ。
だいたい2か月くらいで傷口は回復するらしい。ほんまか??縦に一直線に切られてるのだが??
7月いっぱいは在宅勤務にさせてもらえたらいいんだけどね、と同僚と相談。うちの現場のメンバーもマネージャーもみんな優しいので、多分通ると思う。
8月の暑いさなかに通勤が開始すんのやだけどな。
がっつり休みもらっちゃってるし、体調と相談してだけど、なるべく早く復帰出来たら良いなぁ。

ところで退院後もイレウスはついてまわるんですよ。
ググってみたら、術後10年とか経過してからイレウス発症したりするとか。なにそれこわい!!!!!
でもまあ、動けば防げる。寝たきりの人が手術したりするとリスク高いんだろうな。イレウスらないような食生活はこちら、みたいな食材一覧表をもらいました。
とろろとか納豆とかのネバネバが良いらしいので、退院したらとろろ月見うどん食うぞ!!
腸の動きが通常じゃない感じなわけだから消化の良いものを。
水分をとる、よく噛んで食べる、ゆっくり食べる、繊維質の多いもの(ごぼうとかさつまいも)を避ける、くらいで大丈夫みたい。
傷口も順調に回復してる手ごたえはあったので、あとは家でコロコロしつつ、ごはんにちょこっと気を付けて、軽めの家事から開始して、在宅勤務で慣らし運転だなという感じ。

退院日

入院中に「退院したら祝ってもらおう」と欲しい物リストをちまちま作ってました。
病院ではずっとシャワーのみで風呂に入れなかったから入浴剤とか、暑すぎたのでひんやりマットとか、肉食いてぇ!ってなってたのでハラミとか、色々入れたけどしばらく風呂入っちゃダメだし肉も食っちゃダメだったw
うどん大量、お茶、スープ、水、コーヒー、肉、ひんやりマット、あらゆる救援物資がわんさか届いたよ。
その節はみんなありがとう。優しさが沁みる。
買い物行くにも傷口がアレだし、そろそろ歩いてても自転車とか歩行者とか突撃してくる子供とか怖いし、重いものまだ持てないし。でも食わない飲まないわけにもいかないしで、本当に本当に助かった!!

退院日は妹にお迎えにきてもらい、荷物を持ってもらう。
先述した通り、自宅の目の前から病院までバスで1本なので、病院からおうちまではバスでびゅーんだな!と思ってましたが、妹の相方が「おねえをタクシーに乗せて帰らせ、おいしいものでも食べさせるように」と妹に見舞金をくれていて、病院からタクシーに乗れました。
病院から自宅までタクシーで3000円くらいかな。
治療費もバカにならんしバスでいいっしょ!と思ってたんですが、マジこのタクシー代助かった。
病院前で待ち受けてるタクシーなので運転も優しいし、退院後2週間目の経過観察で通院した時、バス乗って行ったら傷口に響いて痛くて死にかけたw

宣言したとおりお昼にとろろ月見うどんを食べる。
ふだんの倍くらいの時間かけて食う。よく噛んで食う。
長らく病院食だったせいか、大好きな讃岐うどん屋さんなのに出汁の味がしょっぱく感じるのよ。
いやおいしいんだけど。
ずっとこのままかな…しょっぱいままだとやだな…と思ってたけど、そっこー戻りました。

自宅に戻り、猫たちといちゃいちゃ。
ごめんよマイスイートたち。長らく留守にしたね。ママ帰ってきたよーー。
膝に乗るのはやめて、やめて。
すぐさま職場復帰のつもりだったけど若干厳しいかもってことでちょっと休むことにして、とりあえずしばらく在宅勤務でOKとなり、6/1から在宅で勤務開始です。
もうみんなとにかく優しい。病状を根掘り葉掘り聞くような野暮なやつはいないし、無理せず体調第一で、出来ることあればやってもらって、出来ないことあれば振ってね、みたいな。
現場と客先は最高なんだよなほんと。
所属会社の人事との激しいバトルは病気と手術には関係ないので全カットします。

退院から約2週間後、6/9に術後の経過診察と、病理検査結果が出て、今後の治療方針が決まります。
傷口は物理的な怪我なので、体調的に日々どんどん元気にマシになっていってたんだけど、これがはっきりしないと安心が出来ないよね。
検査結果によっては悪性腫瘍でした。って話になるんだけど、なんというかこの頃には、「死んだら死んだでまあいいか」という気持ちになってました。
親より先に死ぬのは親不孝なので出来れば避けたいけど、今すぐ死んでしまったとして、猫たちどうしようかなとか、心配ごとは多少あるとはいえ、好きに生きてきたのでそこまでこの世に未練はないです。
読んでない漫画の続きはあの世からでも読めるんじゃない?ってちょっと思ってます。
葬式とか墓とかもどうでもいいので、木の根元に埋めるやつか川や海に散骨するやつ、または骨をダイアモンドにするやつとかにして、みんながたまに思い出してくれたらそれでいいかなと。
死んだ後のことは生きてる人がなんとかしてくれるだろうし。いや多少は準備しといたほうがいいんだろうけど。

などと母親に言うと多分泣かれるので黙ってたし、家族LINEグループでは「がんばるよー」みたいなことを言ってましたが、クヨクヨしてもしょうがないし、そうなったらそうなったでその時に考えればいいんじゃない?一番最悪でも死ぬだけで、死ぬことによるダメージは本人より残された人たちだよなあ、みたいな達観です。
とはいえ「まあ最悪死ぬだけだよな!」という時と「もし大変なことになったらどうしよう。余命とか言われるんやろか。そうなったらこのコロナ禍で私のしたいことは何やろか」とかクヨクヨするのが交互にやってくる感じ。
なるべくクールに、と心がけていたけどちょっと手術開始が15分前倒しになっただけで動揺してビビり散らかしてたように、私お化けはまったく怖くないけど、未知なるものは怖いのです。
ただ動揺してビビり散らかすのは何よりかっこ悪いと思ってるし、ビビり散らかすまではいいとして、それを人に察せられたくない。
大変な時なのに落ち着いてるね。さすがだわ。と言われたい。
というかっこつけ精神のため、しんどいよーとか痛いよーとかの弱音は吐いてたけど、細かい話はあんまりしていませんでした。

病理検査結果

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