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人見知りされる私。

日常生活の中で、「スマホ」を使わないと出来ないサービスが多くなってきてますね。いよいよ、追い詰められてきた感があります。

私は今もガラケーを使っていて(月額980円くらいのプランで、実際に支払っているのは1300円くらい)、この話を書くためにちょっと検索してみたら、2007年発売のモデルだったので結構、というか随分前のものでした。どれだけ落としても壊れないし、バッテリーを一度交換しただけで、電池も結構もつんです、これが。

今日まで何度もなんども、スマホに切り替えるようにDMは届いているのだけれども、どうしても気がすすまず、5Gの時代が来て完全に使えなくなる2022年までこのまま粘れたらなって。でもそろそろ限度かも…と思い始めて、それでもそこから半年ほど経ってますけど。

不便なことは多々あり、LINEを使っていないので連絡を取れない人がいたり、友人に携帯から「メール」を送っても気づいてもらえず返事が数日後だったり、QRコードは読み取れるのだけれど、ネット接続がうまくいかないらしくサイトへ飛べないし、出先でレンタサイクルを利用しようと思ってもスマホがないと借りられないし、ぜひとも観たい人気の公演のスマホ限定でしか申し込めないものに参戦できません。出先で路線情報や周辺地図をチェックすることもできません。

それなのに、どうしてもスマホに替える気が起こらないのです。

一つには、外出をほとんどしない在宅ワークで家のパソコンを使うのが中心だということも大きいのですが、そもそも私は、「新しいものに変える(バージョンをアップグレードすることも)」のが極端に苦手なのです。

靴でも日焼け止めでもペンでも、気に入っている同じものばかりを何度も買い直すのですが、何年かごとにメーカーさんの方が勝手に仕様を変えたり廃盤にしたりしてしまうので、その都度「ええ〜っ、なんでなんで」と思ってしまいます。でも、そのくらいならまだ良くて、機械の場合はそれどころではないのです。

一番古い記憶はCDプレイヤーでした。兄のお下がりではそんなことなかったのに、自分で初めて買ったプレイヤーは、箱から出して使い始めてすぐに壊れて修理に出した記憶あり。その後も暖かくならない暖房器具や、ぬるい風しか出ないドライヤー、温度調節ができず焦げるか全然焼けないオーブントースターなど、山のようにあったのですが、ありすぎてもうほとんど覚えていません。

近年では、ある時iMacを買い替えて、使い始めてすぐに「スリープ」や「終了」が出来ず、どうしても再起動し(続けて)てしまうので強制終了することでしか終われない問題が発生し、アップルに連絡したら出荷時の故障だったことがわかったり…

次に買い替えた時に、イラレのバージョンを最新のもので使い始めたら、作業中に何度も「落ちる」現象に悩まされ(突然終了してしまう)、専門の方を呼んで診てもらうと、その方に見守ってもらっている間だけは何をやっても何事も起こらず。リモートで相談する時にも何事も起こらず。自分一人で作業している時にだけ不具合が起きてしまう。「どこも悪いところはなさそうですけどねぇ」との事で、何一つ解決せず。どうしようもないので、一旦使い慣れている一個古いバージョンをインストールし直して使うことを提案され、そうしてある程度時間を置いてから最新バージョンを使い始めたら、なんともなくなったり。

冷蔵庫を買い替えたら、冷蔵室に入れたものが冷えすぎて凍り、最弱にしているのに冷えすぎるのでコールセンターに電話するものの、「完全に凍るわけではないですよね?お野菜などを置く場所を変えたり容器に入れたり調整していただくしかないですね」と言われ、「こんなものなのかな」と思いつつ年月が経過すると様子が落ち着いてきたり(冷えすぎる状態に自分が慣れただけかも)とか…

新しいものに慣れるまで、というか「こなれる」まで、とにかくうまくいかない。あるいは最初から壊れていて、どうしようもない。そんなことばかり。今の家に引越して来て新しいルーターを使い始めた頃にも不安定な時期があり、不具合を繰り返しつつようやく通信が安定してきたものでした。エアコンもいまいち機能が安定していません。やだなぁ、機械って。

そんなことをつらつらと考えているのは、この前何気なく棚から取り出して読み返した水木しげるさんの作品集(『水木しげるの貧乏神と福の神』集英社)の中に、「一杯のコーヒーから」という話があり、そこに出てくる女性が自分の危機(チンピラに絡まれていたところ)を救ってくれた男性(ツイてなくてお金に困っている)に「私、機械に好意を持たれているのよ」と言いながら、缶ジュースの自販機にお金を入れるとお釣りがたくさん出たり、パチンコへ行くと玉がじゃんじゃん出たり、切符を買っても券売機からお釣りがジャラジャラ出たりする様子を見せて「私、キカイの好意で(お金には困らずに)生活しているの」と告げるという荒唐無稽なものなのですが、以前読んだ時は特に印象に残らず「なんじゃそりゃ」程度だったのに、今回はなぜか「まぁ、そんなこともあるのかもなぁ…」と、妙に腑に落ちてしまって…

姉は私よりさらに深刻で、ノートパソコンやスマホがしょっちゅう不具合を起こし、店の方の言われるままに買い替えては、機能がよくわからず使いこなせないそうでしょっちゅう悪戦苦闘しているのですが、その姉曰く「ガラケーが使えているなら、絶対そのままで行った方がいいよ。だって新しくしても一向に快適にならないどころか不便なんだもん」とのこと。そんな話を聞くと、うちは機械とうまく付き合えない家系か何かなのかしらと思ったり…

水木漫画風に考えると、さしずめ私はキカイに人見知りされているのだなと。

まぁ、それならもうしょうがない。機械に対して「心があるもの」としてむかうことで、機械の方でも我々人間を認めてくれる、とは漫画に登場する女性の弁ですが、ぜひ参考にしたいと思います。なにせ今後ますます機械と関わる世の中になる以上、少しでも仲良くしたほうがいいのだから。機械にも個性があり、性格のようなもの(嫌な作業をさせようとすると拒否されるとか)があるのは間違いないし。とか言いながらも、スマホはまだいいかなぁ。あと半年、いや1年とちょっとくらいは…

さて。時代を逆行するようですが、今、オリジナルのマッチラベルを作ろうと思っています。お店のマッチなどを見かけることがめっきり減った今、改めてモノとしての美しさ、ライターに比べた場合の廃棄物の少なさなどを魅力に感じて、ラベルをいろはにほへと順に47種類作って、無地白マッチに貼って自分の店で展示したいと思い立ちました。とはいえ一気に47種類作るのは大変そうなので、とりあえず出来た分だけ「いろはにほマッチ・ハーフ」として展示することに。

販売法としては、何が出るかお楽しみのガチャ的な、おみくじ的な形にしたい(お客さんは選べない方式)なと。正直言って売れる柄に偏りが出たら困るので、というのが第一ですけど、何が出るか未知な方が楽しいかなと。売れ残っても自分で使えますしね。なんだったら別に売れなくてもいいのです。47種類作るのが面白いかな、ってだけで。

ただ私、マッチにも人見知りされるタチで、昔も今も、一本ですぐ火がついた試しがなくて。ポキって折れたり擦っても全然着火しなかったり、イライラさせられることもしばしばです。

そもそも、モノに限らず人全般にも好かれないというか、よく人見知りされるので、自分は「何とも」「誰とも」いまいちうまく付き合えた試しがなかったことをここまで書いて思い知らされました。私自身がきっとひどい人見知りなんだろうなとも。

たぶん、私に人見知りしないのは蚊くらいですね。こちらが嫌だと思っても蚊は私の血が大好きなようでいつも取り巻いてくれてます。

てな訳で、マッチラベル制作中〜

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