思いわずらうことなく、愉しく生きよ
「休みたいときは、休めばいいと思うよ」
かろやかに笑うそのひとのことを、何度も思い出した。
彼女はいつもかろやかだった。
疲れて少し不機嫌なところを除けば、怒っているところを見たことがなかった。
もっとも、その「少し不機嫌」だって、他のひとにはあまり気づかれないような、ささいなものだった。
「明日、交通事故にあうかもしれないし」と言ったときも、彼女はかろやかに笑っていた。
休むことと「サボる」ことの線引きや違いについて難しいと感じているのは、おそらくわたしだけではないと思う