わたしから、あなたへ
「外線って、かける前にどこか押したらいいですか?」
後ろの席から、控えめな声がかかる。
新しくアルバイトで入ったMさんだ。
Mさんの指導はわたしの担当ではないけれど、指導者はさっきわたしが引き継いだ電話に出ている。
ということで、一番席の近いわたしに声をかけてきたのだろう。
「外線は、1番から4番なので、ここを押してから番号押してください」と、笑顔で伝える。
そして電話が終わったあとにも、「いまの電話はじめてでしたか?」「めっちゃ完璧でしたね」なんて
おそらくいくつも年上で