[ゲームの話]家にゲームが来た日、それから僕の初めてのソフト

▼先日Twitterで「noteで書いてほしい題材ってある?」とアンケートを取らせて頂いたのですが、『本』『音楽・映画』『ゲーム』『その他(リプ等で教えて)』の4項目で一番多かったのが『ゲーム』だったので、ゲームの話をします。

▼こういうアンケ取ったときに必ず起きる現象として、『その他』に入れておいて特に要望等は伝えてこない人が大体2、3人いるんですよね。なんなのお前たちは。間違って押したとかじゃないでしょ。日本が銃社会じゃなくてよかったな。

▼で、一発目どんなゲームの話をしようかな〜と非常に悩んでいたのですが、ここはまあ「初めて遊んだゲーム(とそのハード)」の話をするのが無難かなと思い、やります。

▼うちに「ゲーム」というものがやってきたのは確か小2の頃で、周りの友人の家に比べてかなり遅かった記憶があります。厳しい家だったというよりは僕が昔から所謂本の虫で、月の小遣いは500円なのに「書籍費」は別個に2000円も割り当てられていたから、親としては「こんなに毎月本買ってるのにゲームまで増やしたら目に悪いしお金も無くなるでしょ!!」という言い分だった気がする。まあ数年後に分かったこととして、僕は生まれつき片目だけひどい近視だったから、ゲームの有無に関係なく視力は下がり続けたんですけど。

▼うちに初めて来たゲーム機は初代PSの後発型でした。記憶が定かではないけどもう既にPS2が発売されていた時期で、剰え世の中のお子たちの間で広まっていたのは携帯型ハードのゲームボーイアドバンスだったから、当時は「なんでこのご時世に初代PS」なんだよと大変不満に思っていました。しかも揃ってるソフトは『キャロムショット』と『ぐっすんおよよ』だけ。何その取り合わせ。

▼文句を言いつつもテレビの前に置かれた未知の機械に興味津々ではあったので、親に許可を貰って『ぐっすんおよよ』をやったんですけど、あの頃の自分にはあれですらクリア条件が全くわからず、結局諦める羽目に。こうして初代PSは、やって来て2週間ほどで「とりあえず置いてあるけど僕にはわからないもの」として忘れられていくことになりました。今振り返ると、あれは僕や弟が寝静まってから親が楽しむために買ってきたものだったのかもしれないな。

▼数ヶ月経った頃、PSの筐体の横に見慣れぬソフトを2本ほど発見。このうち1本が、自分にとって真の意味でのゲーム初体験となる『ポポロクロイス物語Ⅱ』でした。両親ともに、ハードを買ったはいいけどあまりゲームに熱心になるわけでも色々調べたりするタイプでもなかったはずなので、「とりあえず買ってみるか」と新品ではなく中古のソフトをリサイクルショップかどこかで適当に買ってきたんだと思います。それがたまたまこれだったという、正に運命の出会いでした。ところで『ポポロクロイス物語Ⅱ』は名の通り、シリーズ1作目『ポポロクロイス物語』の続編なんですが、なぜか両親はⅡだけを買ってきました。先程も述べたとおり、本当に適当だったんでしょう。

▼小学校が終わって家に帰ると、家事をすっかり済ませてお疲れの母親が珍しく真剣にPSのコントローラを握っており、「それ何のゲーム?」と尋ねると「『ポポロクロイス物語Ⅱ』だよ」と。へえ、お母さんもゲームやるんだな、としばらく眺めていたんですが、出てくるキャラクターやモンスター、彼らが交わす会話、格好良い必殺技の演出、魅力的なBGM、その全てが毎日紙に印字された文字ばかり追いかけていた自分には真新しくて、気がつけば「お母さん、それやらせて」と頼み込んでいました。

▼じゃあ1日30分ね、という約束で始めてみると、シリーズの中では続編にあたる話ということで正直最初こそ世界観や登場人物の繋がりがわからず混乱したのですが、当時の自分は海外の児童向けファンタジー小説ばかり読んでいたこともあり、馴染むのにそう時間はかかりませんでした。むしろ初めて触れる「テレビの中の、動かせるファンタジー」に興奮しきりで、しかもその体験を別データで先にプレイしていた親と共有できる、そういった喜びがとても大きかったように思います。あの頃は、今ほど両親とうまく意思の疎通ができたわけではなかったのです。

▼たとえ1日にプレイできる時間が少なくても、場所が無かったので床に筐体を直起きしていたら当時飼っていた犬にPSの電源ボタンを踏まれて(実物をご存知の方ならお分かりになると思いますが、あの初代PSってマジで犬の前足とほぼ同じ大きさの電源ボタンが天板についてたんですよね)データが消えても、親や弟に進捗を越されてネタバレされても、決して「この物語を最後まで見届けたい、出てくるみんなの行く末を知りたい」という熱気、興奮、そしてその先に待つ感動が損なわれる事はありませんでした。
 苦労してクリアした後、親にどうにか頼み込んでシリーズ全作を揃えてもらったのも、今では良い思い出です。

▼昔の僕にとっての物語は、本か、もしくはビデオテープの中にしかない物でした。本にも映像作品にも大いに魅力はあるけれど、自分がその世界を自由に歩き回って、選択によって誰かの運命が変わって、音楽や色鮮やかなムービーが話を盛り上げ、表情豊かなキャラクターに深く感情移入して一緒に笑ったり泣いたりする、そんな体験はゲームが、というか『ポポロクロイス物語』シリーズが初めてだったのです。今でも自信を持って、「自分にとっての初めてのゲームがポポロクロイスで良かった」と言うことができます。もちろん思い出補正はあるでしょうが、それくらい素敵な作品です。

▼せっかくなので、次は『ポポロクロイス』シリーズのあらすじやその魅力について書きますか。よろしくお付き合いのほどお願い致します。

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