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「集中力」と「中断」の意外な関係

何事も集中して取り組むことって大切だと思われていますよね。

もちろん、集中することは自分の実力を存分に発揮するためには必要不可欠。

そんな大切にしたい集中時間ですが、現代は集中を阻むものの宝庫といっても過言ではないでしょう。

24時間365日繋がり合った世界に暮らしている僕たちにとって、集中を「中断させられる」ということは日常茶飯事。

充実した「集中時間」を作り出すにも工夫が必要な世の中に僕たちは生きているのです。

そんな現代人であれば知っておきたい「集中力と中断の関係性」について話題とします。

ぜひとも、集中して読み切ってくださいね。

▼集中を妨げるものは他人だけではない

「集中力」を妨げる要因として真っ先に思いつくのは「スマホ」ではないでしょうか。

「同じ空間にあるだけで注意力をもっていく」ことで知られているスマホさん。

僕たちが思っている以上、スマホさんに注意力を奪われており、作業を「中断」に導かれてしまっているみたい。

しかし、代表的な中断場面というのは、「他者から話しかけれる」というものですよね。

某Google社では、「話しかけないで」とか「ただ今、集中中」とか「集中したいときはヘッドホンをする」みたいな工夫で、貴重な集中時間を誰かに邪魔されないような取り組みもしているとか。

このように振り返ってみると、「スマホの電源さえ切っておけば」とか「通知をoffっているから大丈夫でしょ」と思いがち。

しかししかし、僕たちの集中時間を奪い去っていくのは、「他者からの関わり」とか「スマホの通知音」のような目立った刺激だけではないのです。

なんと、「自分の集中時間を邪魔するのは『自分』である」ということが分かっているのです。

割合にすると、「他者からの関りで『中断』に追い込まれるパターンが56%であり、自分から中断に追い込むパターンが44%である」ということが、2005年の研究で分かっているのです。
#ATTENTION SPAN

「うそだろ!」と叫びたくなりますが、どうやら僕たちは、自分から自分の集中時間を奪いにいくことが、結構あるみたい。

よ~くよく考えてみればきっとみなさんも思い当たるのではないでしょうか。

「仕事をしていたのに、いつの間にか昼食のメニューを考えている」
「仕事をしていたのに、いつの間にか旅行のプランを検索していた」
「仕事をしていたのに、サッカーの試合結果が気になって調べていた」

きっかけは、多様です。

お腹がぐ~っと鳴ったとか、「あー海にでも行きたいな。」と思ったとか、ふと「あれっ?今日って代表戦じゃね?」と思い出したとか。

これらは、外部からの刺激ではなく、あなたの頭の中に湧き上がってきた思考の断片がきっかけとなって「中断」を引き起こしています。

僕たちの脳は、考えることを止めてはくれませんから、ふと考えた自分の思考によって今すべきことから離れ、別のことを始めてしまうような「中断」がもたらされるのです。

▼「中断」も時にはわるくない

「集中力を持続するために大切なことは?」と聞けば、きっとランキング上位に位置する力として「自制心」があるでしょう。

もちろん、自制心を発揮することは素晴らしいのですが、ずっと自制心頼みにしてしまうのはあまりおすすめできません。

というのも、「自制心を発揮する」というのは、極端にいえば「自分の欲求を押さえつける」ともいえます。

だからこそ、持続したいことほど「自制心」とか「モチベーション」という一時的な力に頼りすぎない方が良いのです。

そんな頼りになる「自制心」ですが、使えば使うほど消耗するということが分かっています。

だからこそ、1日を完璧に自制心だけで乗り切ることはなかなか難しいでしょう。

時に、自制できずに誘惑に負け、中断してしまうこともある。

しかし、そんな時は、自分を責めることなく、中断を「回復である!」と捉えて、再び作業へ戻れるよう切り替えた方がよし。

さらに、「中断することってそれほどわるくないよ!」という実験を通した報告もあるのです。

なんと、

「最後までやり切った時と、途中で中断を挟んだ時を比較しても、完成したものの質にはそれほど影響しない」

ということが分かっているのです。

なんと、中断したからって質のわるいものになってしまうということではないみたい。

その理由として、

「中断したことを自分で実感した時、『なんとかして取り戻そう』という意識が働き、クオリティーが担保される」

ということみたい。

だからこそ、どうしても挟んでしまった「中断」を受け止めてうまく使いこなす方向へ気持ちをもっていくことで、中断したことは足かせにはならないのです。

▼まとめ

本記事では、「中断をしてしまっても取り戻せるよ!」という内容を書きました。

この「中断」を上手く使いこなす方法として、「時間制限」があります。

先ほども書きましたが、「中断したところで質は落ちない」ということを言いかえると「長時間取り組んだって質が上がるとは限らない」ということ。

だからこそ、「時間制限」を決めて、あと1時間で書き終えるというような具体的な時間設定をすることで、だらだらを「集中」に切り替えることができるかもしれません。

大学生を対象にした調査でも、「レポートの締め切りを伸ばしたところで質が上がる訳でもない」と分かっています。

締め切りをいくら先に延ばしても、1週間前からあわてて取り組む人にとっては締め切りまでの期間なんて関係ないのです。

ただ、学びを充実させるという目的からは逸れてしまうので、本質を見失わないようにだけはしましょう。


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