見出し画像

ヒガンバナとリコリス・リコイル~第二回 「リコ的な、Allelopathy」

ごきげんよう、はねおかです。
前回はヒガンバナとリコリス・リコイルの共通点を探しました。

今回も共通点を探していきましょう。

人がいるところに悪があり。
悪があるところにリコリスがいる。

社会正義の実現のための機関としてのリコリスは、表社会の人々の目に触れることなく動いてきていました。

そして真島の行動により、その存在が初めて人々の目にするところとなりました。

作中ではクルミの活躍により、「リアルなアトラクションでありフィクションである」とされましたが、町中で発砲事件まで起こしておいて(うち民間人一人とリコリス一人が撃たれている)あれだけで沈静化は難しいのではないかと思っております。

さて、先日とあるツイートが話題になりました。

第11話のアイキャッチにて、タバコのようにヒガンバナを口に加える千束とたきなが描かれました。

前回ご説明したように、ヒガンバナは有毒植物として知られています。
よって、それを口に咥える行為は真似してはいけません。

ちなみにですが、ヒガンバナの毒性は「リコリン」という物質が半分を占め、可愛らしい名前でありながらヒトなら10g接種すると致死量とされています。

ヒガンバナも、同じヒガンバナ科であるニラやネギとの誤食があるそうで。

ヒガンバナ自体に含まれるリコリンは0.5mg程度とされており、アイキャッチの真似をして茎を咥えた程度で死にはしないでしょうが、誤食による嘔吐の食中毒の報告例もあるため、真似はしないほうがいいでしょう。

さて、このリコリン。
アレロパシーの作用もあるのです。

アレロパシーとは、ある植物が他の植物の生育を妨げる物質を放出することです。
特に、セイタカアワダチソウが他の植物の生育を抑える物質を出すことは、よく知られている植物です。

これは、自分では動くことのできない植物が、生存戦略上有利になるために獲得した性質とされています。

極めて利己的なアレロパシー。
邦訳では「他感作用」と訳されます。

そんなアレロパシー、近年では別の利用法が確立されつつあります。

アレロパシーは、他の植物の成長を阻害したり、動物や微生物を忌避、もしくは誘引させる物質「アレロケミカル」を放出する効果の総称です。

この概念を、農業に有効利用するのです。

ヘアリーベッチ、ソバ、クウシンサイなどの植物が、アレロパシーを農業利用可能な可能性を示されています。

リコリス・リコイルにおいては、「人を殺すことでしか実現できない社会正義」を「人との関わりで実現させよう」とする千束の姿が描かれました。

その存在を公にされたリコリスは、元の組織に戻れるのでしょうか。
命のタイムリミットを迫られた千束は、どうなっていくのでしょうか。

次回、最終回。
リコ的に終われるのか。
今から期待でいっぱいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?