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小説の楽しいところ(書く側にとって)とは!!

 私は小さい頃から小説を書くのが趣味でした。
 趣味が高じてシナリオライターの仕事をいただいたりもしています。

 小説ってめちゃくちゃ楽しいんです。
 読むのももちろん楽しいですよ。
 しかし、書くのもすごく面白い体験ができるのです!!

 小説を書くことで体験できる楽しさについてご紹介したいと思います。

小説で味わえる3つの楽しさ

 小説を書くと楽しい体験がいっぱいできます。
 こんな3つの楽しさがあるんです。

・文章だからこその楽しさ
・長い物語だからこその楽しさ
・データとして見る楽しさ

 上記の3つのうち1つだけなら小説以外でも味わうことは可能です。
 詩でも文章を書く楽しさは味わえますし、漫画や映像作品でも長い物語は作れます。

 だけど上の3つ全部を一気に楽しむのなら小説がオススメです。

文章ヤバイ

 文章は編集が容易です。
 これは創作をする上で大きな利点となります。

 まず文章を書くための環境は簡単に整いますよね。
 パソコンやスマホを持っていればそれだけで十分です。
 紙とペンでも書けるは書けるんですけど、デジタル機器を使う方がいいでしょう。
 なんといっても文章の修正が容易だからです。

 みなさんは鉛筆と消しゴムは使ったことがあるでしょうか?
 もしあれば思い出してみてください。
 紙に書いた文章を修正するのってちょっと面倒くさくないですか?

 消しゴムで消せない、ボールペンなどで書いた場合には修正がもっと面倒です。

 既に書き終わった文章の途中に加筆をしたいとなった場合は最悪ですね。
 どう書き足せばいいんだって頭を抱えることとなります。

 それらの悩みがパソコンやスマホで文章を書く時には無縁です。
 簡単に修正できますし、文章の途中に書き足すことだって苦労がありません。
 しかもコピー&ペーストできる!

 この修正の簡単さは文章の強みですね。

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文章ヤバイの例

 たとえばこんなシーンを書いたとしましょう。

 後輩のアイツが大きな腹の虫と共に俺の部屋のドアを叩いたのは夜中の一時だった。
「先輩、こんばんは!」

 このシーンを、夜の一時じゃなくて明け方の五時にしたいって思った時。
 文章だったら該当する場所をちょいっといじるだけでオッケーです。

 後輩のアイツが大きな腹の虫と共に俺の部屋のドアを叩いたのは朝の五時だった。
「先輩、おはようございます!」

 これでオッケーですね。

 しかしこれが小説じゃなくて漫画やドラマだったらどうなるでしょう?

 最悪の場合、描き直しや撮り直しが必要になりますね。
 もしかしたらデジタル技術の発展した今なら加工して誤魔化す手段が取れるのかもしれませんが。

 いずれにせよ文章なら単純に書き直すだけでいいのです。
 修正の作業をどうするのか頭を抱えることはありません。

 このように文章は書き直す手間を考える必要があまりなく、かなり自由にいじることができます。

 自分の気に入る表現になるまでいじくり回せる。
 これが文章で表現をおこなう時の楽しさなのです。

物語は制御できなくて超面白い

 物語を書くのってすごく面白いんです。
 なにが面白いって、書く前は全く想像していなかったシーンや表現が生まれるんです。

 なんとなくで登場させた小道具が後々のシーンで大活躍して、全く意図していなかったのに伏線回収みたいになったりするようなミラクルもしばしば起こります。

 そういうミラクルが起きた時の興奮ったら!

 神か何者かに導かれたように感じる人もいるでしょう。
 あるいは無意識下で計算し尽くしている自分の天才っぷりに酔いしれるかもしれません。

 そういうレベルの興奮が体験できます。

 物語を書くって、あたかも作者が物語を細部まで計算しているような印象を抱きがちですが、実際はそうではありません。
 アマチュアならばなおのことです。
 計算の行き届いていないシーンを書く時に作者は頭を悩ませ、そこで物語に振り回されます。

 短い物語だとなかなか予想外のことは起こりませんが、物語が長くなるにつれそういう機会が増えてきます。
 そこに楽しい体験の宝庫が待っているのです。

文章をデータとして見る未来

 これは将来の楽しみです。
 AIがどんどん発達していく現在、小説にもAIの活用が注目されます。

 過去にはAIの書いた小説が星新一賞の1次審査を通過したというニュースがありました。
 他にも、AIに売れる小説を予想させようという書籍『ベストセラーコード』はとても興味深い内容です。

 今後、AIはもっと文章を読ませたり書かせたりするのが上手になっていくことでしょう。

 AIの書いた小説が大人気になる未来はたぶん来ますし、すると反動で「人間の書いた不完全な小説の方が面白味がある」と言い出す人が現れ、人間の書いた小説も改めて注目されるのだと思います。

 私はそんな未来にワクワクしています。
 AIによって私たちの創作は大いに変化することでしょう。
 その変化に適応できた人はめちゃくちゃ刺激的な体験を味わえるはずです。

 ちなみに現在、私たちに身近なレベルでの文章解析だと、

・一文の長さ
・単語の数やそれぞれの登場回数

 などの数値化がしやすいデータを取り扱うものとなります。

 たとえば人気の小説では一文の長さがどうなっているか調べ、それと比較してあなたの小説を評価する……という感じです。

 文章解析で難しいのは解析したところで自分の文章にどう活用すればいいのか、イメージが持ちにくいところです。

 自分の文章が人気作品と比べて長い傾向にあったとして、それをどう修正すればいいのでしょうか?
 なにも考えずに一文の長さを縮めようとしたところで効果があるか疑問です。

 だって私たちが文章を読む時、一文の文字数をいちいち数えることはしませんよね。

「人気作品と比べて一文が長いからダメな作品だ」
 なんてふうには読まないのです。

 なので「文章の長さに関連する部分で、読者にとって不都合なことが起きているのではないか?」と想像する必要があるのが現状です。

 AIが発達したら、AIがそこまで分析して的確なアドバイスをくれるようになるのかもしれません。
 そんな未来が一日も早く訪れることを期待したいですね。


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