オルタナティブ北海道旅行記(暗黒の記憶、ダルシムと北の大地へ)
封印していた記憶の開封。わたしは大学時代、友人のダルシムと北海道へと旅行したことがある。5泊6日くらいの過去最長の旅行。この男とわたしが共に行動すると、不思議なこと、ろくでもないこと、面白おかしいことが起こる。
ダルシムと京都の天橋立(あまのはしだて)に旅行したときのことは、こちらのほのぼの旅行記にまとめてある(↓)
では、なぜこの記憶を封印していたのだろうか。たぶん、旅のハイライトが、ホ〇のおっさんに襲われそうになったことだからではないかと思う。当時、わたしは美少年だった。まあ、書ける範囲でぱらぱらと綴っていこう。
当時、暗い大学生活を送っていたわたしは、せめて大学生らしいことが何かしたいと思い、北の大地への旅行を思い立った。高校のときの友人ダルシムを誘い、彼は快諾してくれた。
問題は、ダルシムを誘った電話の時点で起きる。「ぜんぶまかせるわ」とダルシムは言った。わたしは思わずにいられない。君は今とんでもない間違いを犯した。当時のわたしは常識ゼロ、生きる力がゼロの、強烈な天然爆弾だった。「わかったけど、あとで文句は言うなよ」とわたしは言った。
まず、わたしは北海道で車を使わないという選択をした。移動はフェリーと電車、バスと徒歩。函館、札幌、洞爺湖、富良野、釧路などを弾丸のように巡る。主に電車と徒歩で。
第一幕は、行きのフェリーだ。金をかけてないので、畳の部屋で知らない大勢と雑魚寝をすることになる。第一幕の犠牲者はわたしではない。ダルシムだ。雑魚寝をしているとき、隣のやつがごつい体格の大学生だったらしく、すごい力で抱き着かれて眠れなかったそうだ。ダルシム、寝不足のダメージが蓄積。
第二幕。犠牲者はわたしだ。加害者もわたし。わたしは北海道旅行にあたり、アホだから新品の靴をもって臨んでしまった。速攻で靴擦れを起こす。旅行は歩きが多くのウエイトを占めるというのに、上陸1日目から歩けない。現地で適当な靴を買い直したのを覚えている。わたし、歩けなくはない程度に足を負傷。
ダルシムはこのエッセイにも出てきます(↓)
第三幕、正直ほとんど旅の記憶がなくて、旅行後半の出来事のはずなのに、ホ○のおっさんの話まで飛んでしまう。格安旅行のため、われわれはユースホステルを利用していた。ユースホステルは、旅人たちのコミュニケーションの場でもある。場所はたしか富良野。
その日の宿泊者はわれわれの他に、ひとり旅行をしていた男子大学生、女子大生2人組、問題のおっさんがいた。おっさんはこのユースホステルの常連ぽい感じがした。
おっさんは、ダルシムとわたし、そして男子大学生の3人に声をかけた。この辺に詳しいんだけど、近くに温泉があるからいかないか、と。そしてこうも付け加えた。「女子2人にもこれから声をかけてみるよ」。これが絶妙な罠だった。女子と仲良くなれるならとわれわれはOKしてしまう。
しかし、おっさんははじめから女子に声をかけるつもりはなかったのだ。女の子の件はうやむやになり、われわれはおっさんの車で温泉へと向かった。まあ、普通の温泉だったと思う。
温泉のなかで、おっさんは記念に写真を撮ろうと言い出した。今の感覚でいうとあり得ない。当時の感覚でもアウトだと思うが、そういうものなのかと思わせる自然さがあった。その証拠に、知らない大学生とダルシムも従った。わたしはタオルで前をしっかりガードした。
それからユースホステルに戻り、おっさんは「マッサージが得意なんだけど、試してあげようか」と言い出した。わたしはアホなのでわかりましたと言った。ターゲットはわたしだった。なんせ美少年だからな。
明らかにピンチだろう。触り方が明らかにおかしくなってきたところで、ダルシムが「おーい、まだか」と無邪気に部屋に突入してきたのでわたしは助かったのだ。今でも思い出すと冷や汗がでる。
旅は終わり、後日、衝撃の展開が襲う。ダルシムから電話があった。「おい、あのときの写真が送られてきた」と。戦慄が蘇る。「なんで?」と聞くと、ダルシムはあのあとおっさんに住所を教えていたらしい。よって、写真が送られてきた。
写真を確認したいが、電話でのやりとりだからそれができない。「いったいどんな写真だ!」。ダルシム、わたし、知らない大学生の3人がタオルで前を隠して並んでいる写真らしい。
悪夢だ。わたしは「大丈夫なのか」と尋ねることしかできなかった。よくわからないが、わたしはセーフだそうだ。アウトなのは、知らない大学生。彼のものは完全にはみ出していたとのこと。
わたしはその写真を捨ててくれとダルシムに念を押したが、その後、彼は驚愕の行動をとる! なくしてしまったらしい。なぜかその写真を栞がわりに使っていたらしく、「レポートに挟んだまま、大学に提出してしまった可能性が高い」と彼は言った。
恐怖の写真は大学に握られている。大学側からしたらもっと恐怖だろう。
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