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DIY Virtual Chemical Libraries - Novel Starting Points for Drug Discovery

https://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/acsmedchemlett.3c00146

  1. 本研究の学術的背景,研究課題の核心をなす学術的「問い」は?
    この研究の背景は、合成可能性の予測や化合物集合(ライブラリ)の生成という in silico(コンピュータ上)の技術の進歩が、新薬の探索において実際の在庫より大きな化合物プールを提供する仮想ライブラリへと頼りがちになっているという現状です。しかし、外部の仮想ライブラリは配送に時間がかかるうえに高価である問題があります。ここでの問いは、これらの問題を解決するために、自社で作成した化学ライブラリが新薬探索において有効な選択肢となり得るかどうかということです。

  2. 本研究の目的及び学術的独自性と創造性は?
    目的は、自分で作成した(DIY)組み合わせ化学ライブラリが新薬の探索において有効な選択肢となり得るかどうかを実証することです。実際に1000個の低コストのビルディングブロック(基礎となる単体)から1,400万以上の製品を生成し、これが医薬品化学研究所で頻繁に適用される反応に基づいているという点が独自性と創造性を持っています。

  3. 本研究の着想に至った経緯や,関連する国内外の研究動向と本研究の位置づけは?
    ドラッグディスカバリーがますます仮想ライブラリに依存してきている一方で、外部からの仮想ライブラリの利用は時間と費用がかかるという問題から、自前でライブラリを作成する方向に興味が向けられているようです。この研究は、その流れに乗り、自社作成ライブラリが新薬探索の潜在的なスタートポイントとなる可能性を追究しています。

  4. 本研究で何をどのように,どこまで明らかにした?
    本研究では、自社で作成した化学ライブラリが物性、構造的多様性、フォーカスされたライブラリ生成における実用性を検証し、これら自社製化学ライブラリが有望な選択肢であるという結果を明らかにしました。

  5. 本研究の有効性はどのように検証した?
    DIYライブラリが新薬発見の方法に対してどの程度適用可能かを、物理化学的な性質や構造の多様性をプロファイリングしたり、特定の目的に対する中小規模のライブラリを生成したりして検証しました。

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