Programmable RNA-guided DNA endonucleases are widespread in eukaryotes and their viruses

https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.adk0171

1 本研究の学術的背景や問いはプロカリオーテス（細菌や古細菌）におけるRNAプログラム可能なDNAヌクレアーゼの役割と、それらが真核生物（細胞核を持つ生物）にどこまで広まっているかを明らかにすることです。

2 本研究の目的は、FanzorsというプロカリオーテスのTnpBタンパク質の真核生物版について詳しく調べ、その機能と活動を明らかにすることです。また真核生物に広まっているRNA誘導型ヌクレアーゼを生物工学の応用に適したツールとして注目しました。

3 プロカリオーテスでのRNA誘導型DNAヌクレアーゼの役割を理解するため以前の研究が行われており、それらの結果を生物工学の応用に活かすことを目指しています。

4 本研究では、多くの真核生物と大型ウイルスのゲノムにあるFanzorsというRNAプログラム可能なDNAエンドヌクレアーゼを特性評価しました。また、Fanzorsが持っているRuvCドメインの構造や、それが他のプローテインと協調して動く仕組み、さらにはFanzorsが持つ核酸局在シグナルを獲得したことで真核細胞内で機能する適応進化をたどることができました。さらにFanzorsを使ったゲノム編集がヒト細胞で可能であることも示しました。

5 本研究の有効性は、生化学的証拠と細胞内での研究により確認しました。特に、FanzorsがRNAにプログラムされたDNAエンドヌクレアーゼとして働くことを詳細に調べました。