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絵本を読む意味とは??

うちの息子(2歳9か月)は絵本が大好きである。
息子との絵本の読み聞かせは私のライフワークです。

そんな彼とのライフワーク中に『絵本を読む意義とは何か?』
を強烈に考えさせられました。
その経験をシェアしたいと思います。

息子はとにかく絵本が好きで気に入った作品は飽きるほどに繰り返し読まされる。
まさに絵本の虫なのです。
しかし、下の娘(0歳)ができてからというもの、息子にかけてあげられる時間は当然ながら減っていき、昔のようにunlimitedで読んであげられる環境ではなくなった。
そんな日々のなかで漠然と、もっとたくさん絵本を読んであげなきゃなあと思っていました。

ある朝。保育所に行く前いつもならギリギリになるところ、
準備がスムーズにいき出発までに10数分の時間の余裕が!!
心の声(今日はスムーズにいっている!時間も余ってる!よし、いつもよりたくさん絵本よんであげよう)
私「息子くん絵本もっておいで!3冊読んであげる!」
(こういうシチュエーションの場合我が家ではたいてい2冊。なにかと我慢させがちなお兄ちゃんに1冊サービスしてるんです!!)

そうして彼が持ってきた3冊は、『きしゃのゆ』『からすのパン屋さん』『どろぼうがっこう』というチョイス。大好きなSLの絵本と、かこさとしさんを2冊!息子くん流石にいいセンスをしている。

そしてまず一冊目『きしゃのゆ』情景たっぷりに時間をかけてしっかり読む。
時計をみる私。あれ!?結構時間たってるやんか!!ヤバいこのままのペースやと遅刻する!!

そして2冊目『カラスのパン屋さん』言わずとしれた加古里子さんの名作である。
この作品は結構セリフが多く、読み終えるのに時間がかかる。

心の声(やばいなあ。3冊読むとか言っちゃったけどこのままじゃ保育園遅刻だよ。仕方ないから速足で読もう!)
ちょっと速足で2冊目のからすのパン屋さんを読み終えたところで息子が一言。

「2冊で終わりにするの!」といって自分で切り替えて保育所に行く気になってくれたのである。

ラッキー♪♪♪
なんて聞き分けのよい我が息子!!流石私の子。
これで保育園にも遅刻せずに送っていくことができました。

でもなにか私の心にひっかかるものがある。
なぜ息子は2冊できりあげてくれたのだろうか??

一刻も早く保育所に行きたかったのか??
絵本2冊で大満足だったのか??
なんとなくな気まぐれ??

多分全部間違い。

息子は空気を読んだのだ。
朝の忙しい時間に3冊読んであげると大風呂敷を広げたはいいが、
こりゃ遅刻やで!!と焦って途中から早口で絵本を読んでいる私に対して、
彼は気を遣ってくれたのである。
彼は私の焦りに敏感に反応したのである。

2歳児がそんな気を遣うはずないじゃん!と思う方がいらっしゃるかもしれないが、
実際子供というのはとっても繊細で敏感で思いやり深いのだ。
むしろ大人よりよっぽど敏感なんだと思う。

いつもより一冊多く絵本を読んであげたい。
妹ができてから我慢させがちな息子にもっともっと構ってあげたい!甘えさせてあげたい!
『3冊読もう!!』の動機はこれである。

でもその結果は、全く逆!!
甘えさせてるつもりが我慢させていた!!なんて皮肉!!
40歳手前の大人が2歳児に気を遣われているという現状なのである。
(とは言え息子が勝手に我慢しているので息子の性分という側面も強いのだが…)

冷静に振り返ってみる。
急ぎ足で読んだ絵本なんて楽しいわけがない。

私はなんでそんな単純なことに気づけなかったのだろうか?
間違っていた点はなんだったのだろうか?
タイムマネージメント不足?元々絵本を2冊にしてたらよかったのか?

いや、違う。一番のミステイクは数量的なものに自分が捉われていたこと。
2冊よりも3冊のほうがいい!!こういった単純な数の論理。
当たり前だけど、愛情は数値化できるものではない。

何億も資産を持っていれば幸せなのか?恋人が何人もいれば満足なのか?
何人とセックスをしたら?子供が何人いれば?SNSのフレンズがフォロワーが○○万人いれば??

当たり前だけど、お金も影響力も多いに越したことはない。
それは認めます。
現にインターネット上ではインフルエンサーなどという人種の方々が跋扈している。
でも世の中それだけじゃないことはみんなもう既に知っているはずだよね。

2冊より3冊のほうがいい。
しかし、急ぎ足で感情も込めずに読む3冊だったら、
一球入魂しっかり感情を込めて抑揚たっぷりに楽しく読んであげる1冊のほうがいいに決まってる。

私はこんなことにすら気づかないでいたのである。

何のために絵本を読んであげるのか??

それは楽しむためだよね。
一番大事にしなければいけないのは楽しく読み聞かせをするということ。
少なくとも読み手である大人がちゃんと楽しんで読むということ。

絵本は楽しい!そしてその楽しい絵本を大人も子供もしっかり楽しむ!楽しみ尽くす!

こんなシンプルなことを忘れてしまっていた。
そして大切なことを気づかせてくれた我が息子。

控えめに言って最高である。

最後に一点注釈を。
こういうことを書くと、感受性の低い人は子供の気持ちに気づいてあげれれないと自分を責めてしまったり、全部100%気持ちをくみ取らなければいけない!とか、勘違いする人がいるかもしれない。

そもそも親子とはいえ他人です。100%分かり合えるなどどいうことは幻想で、はっきり言って不可能です。だからと言って分かり合おうとする努力を怠っていいわけではないのですが…
子育てにおいてはある程度の諦観が必要です。つまりなるべく理解してあげたいなあという漠然とした態度を持っていればそれだけで合格だと私は思っています。
時として気づいてくれない親の存在が、その子をより強くさせることもあるでしょう。(こじつけ)

自殺するほど悩んでいたとしたら気づかにゃダメだけど、
それだけに気づける感受性を持っていたらあとは気楽にやるのがいいかなと個人的には思う。
(それにすら気づけない親が多いのも事実なのだが…)

真理とは探究し続けるものであり、決して解明できるものではない。
何事にも諦めとバランスが重要。そしてなにより楽しむことが重要だと思います。

絵本ってとっても楽しいし、素敵だよね。

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