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【第一ステージ|HCU 高度治療室〜後編〜】

HCUでの入院生活...というか、毎日のルーティンも大体分かってくるのが一週間くらい経った頃でしたね。

普通の入院患者と1日の流れが少し違うのが脳梗塞や脳出血などの脳卒中で入院した患者の場合です。

あっ。
ここで補足して置きますが、よく"脳卒中"という"言葉"を勘違いなされる方がいらっしゃるので付け加えておきます。

脳卒中とは、簡単に言えば"総称"です。

脳梗塞や脳出血が病名なのに対して、それらの脳血管系の病気を含めた総称が"脳卒中"です。

ですので、脳卒中という"病名"の"病気"が在るというのとは少し違いますからね。

話を戻します。

では、どの様に普通の入院患者と違うのか…。

それは"身体が動かない、又は動かせない"というのがあります。

朝は先ず、オムツ交換から始まります。
いや、大事ですよ。何せ、規則正しい生活と食事ですから、朝のお通じも絶好調です。

とはいえ、お腹にまだ力を入れられない人も居ます。頑張っても頑張っても出ない時があります。

実は"力が入らない"というのは本当は少し違います。

本人はお腹に力を入れているつもりでも、実際に指令を出すのは脳なんです。
なので、上手く脳からお腹の筋肉に「力を入れなさい」という指令が伝わらず、筋肉が動かせないので自然に出るのを待つしかないのです。

今、まさにその状態の方は、あまり無理に頑張らないでください。
一生懸命、力一杯頑張ってもウ◯チが出ないのはあなたの頑張りが足りないからではありません。
そもそもの指令がお腹に伝わっていないのです。
あまり力んで血圧が上昇してはいけません。
今は時に身を任せましょう。

そして、この頃はある程度活動範囲も増えていると思います。

ベッドの角度も立てれるようになってるでしょう。
タブレットや📱でYouTubeなんかも見て良いと許可が出た方もいらっしゃるでしょう。
頭痛も少しは和らいできている事と思います。

出血した血液の塊が体内に吸収され始め、体積が減った事で脳への圧迫が弱くなってきた証拠です。

この頃は、もの凄く"外を見たく"なります。病院によって差はあると思いますが、私の入院した病院のHCUには窓がありませんでした。

これは様々だと思いますが、精神的な配慮もあると思います。
良からぬ事を考え無いようにとか、余計な感情を抱いてイライラをさせないようにとか。

車椅子に介助をされながらベッドから移動して、病棟内を短時間だけ移動したりもします。

そうです。
実は、リハビリというのは入院した"次の日"から始まるんですよ。驚きました?

HCUなんかに入っていると、ずっと寝たきりだと思われがちですが、とんでもありません!
待った無しに次の日から始まります!

と言っても、過度なリハビリでは無く、早く動ける様にする為のリハビリです。

急性期とか回復期とか、聞いた事がある人もいらっしゃると思います。
その"急性期"がまさにHCUに居る"今"です。

頑張ってください。
「こんな事やって、何が意味あるんだ!」
と、思う事もあるかもしれません。
でも、今はやってください。
後から"やった"のと"やらなかった"のでは絶対に変わりますので!

それと...

段々と"アレ"したいですよね?でしょ?

そうです。
この頃にはもう、頭が痒くて痒くて、洗髪したくてたまりません。

私は本来ならまだダメだったんですが、どうにもこうにも我慢出来なくて、しつこく主治医や看護師に訴え続けて、何とか洗髪してもらう事に成功しました!

言ってみるもんですね。
(  ̄ノ∇ ̄) ̄ー ̄)ヒソヒソ
言ってみてください。ひょっとするとシャワー付きの手洗い場で、前屈みになって短時間で終える形で洗って貰えるかもしれませんよ!
だからね、日頃から看護師さんに八つ当たりや文句言わないで素直に"はいはい"って言う事聞いて仲良くなっててくださいね。そうすれば「頭が痒くて...ちょっとだけ洗って欲しいんです」ってお願いしたら、やってくれるかもしれませんよ!

そして、この時期のご家族の皆さん。

まだ、どうしても精神的に不安定だったり、不安を抱えてる時期です。
あまり"余計な事"は【聞かれても答えない】でください。
もう少しですから。
ご家族の皆さんも不安でいっぱいだと思いますが、そうは言ってもまだ"HCU"です。まだまだこれからですよ。

次回:いよいよHCUを出ます。
   一般病棟〜前編〜をお届けします。


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