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新しい阪大将棋部の始まり

はじめに

緊張の初投稿

こんにちは!令和6年度部長の數﨑大樹です。

この度、阪大将棋部のブログが新しくなりました!初投稿は部長がするのが筋だと思い、記事を書いています。このブログの大事な初投稿にも関わらず、書いている人は人生初のブログなので、手が震えてしまっています(笑)。拙い箇所もあると思われますが、最後まで読んでいただけたら幸いです。

併せて、ホームページも新しくなりました!こちらも是非確認していただけたらと思います!

ブログ名

このブログの名前は、「阪大将棋部の感想戦」にしました。大会の結果や日常の出来事などをブログで綴る様は将棋の感想戦と近いものがあると思い、このような名前にしてみました。次の記事が投稿されるまでに名前が変わっていたら、「そういうこと」だと察してください(笑)。

王座戦の振り返り

プレーヤーとしての気持ち

将棋部のブログなので、挨拶だけではなく、将棋のことにも触れたいと思い、昨冬に出場した王座戦について書きたいと思う。

私は王座戦ではリザーブメンバーであった。まだ2回生で、実力も十分とは言えない中での参加となったので、出番は2回あればいい方だと思っていた。しかし、実際は勝負どころと考えていた東北大学戦などを落とすこととなり、チーム全員切り替えてはいたものの、主力選手に頼らざるを得ない状況になっていた。

北海道大学戦

観戦や心の中での応援が続く中、北海道大学戦で唯一の出場の機会をいただいた。全国大会という舞台に立ったことがないため、緊張しながら振り駒を見守っていたことを今でも覚えている。先手番となり、相手の雁木に対して早繰り銀で攻めていく展開になった。

上図の局面では予定通り▲35歩と仕掛けていった。以下△45歩▲同銀△77角成…と進行し、この後はじっくりとした展開になった。この局面では将棋自体に問題はなかったのだが、いくら予定通りとはいえ、緊張のあまり頭が真っ白な状態で仕掛けてしまったのは反省すべき点である。その後のパフォーマンスに影響はなかったのだが、対局者の状態としては万全とは程遠いものなので、次回以降注意しなければならないと思った。

局面は進んで、上図は▲79玉と指したところである。この局面で相手の方は△53銀と指したのだが、この手が危険な手で、以降はこれを咎める展開になった。以下▲75歩△84飛▲74歩△同飛▲64角△同銀▲82角と進行し(下図左側の局面)、馬づくりと香得が約束される形になり、優位に立った。▲79玉の局面で、対局中は△42玉(下図右側の局面)で先手の具体的な指し手が難しいのでは、と考えていた。以降は駒得と馬の手厚さを活かして勝ち切ることができた。

対局以外で得られた収穫

出場した試合をよい内容で勝つことができたのはもちろん喜ばしいことだが、それ以上に、他大学のレベルの高い将棋をたくさん見れたのは一番の収穫であった。特に終盤の激戦をしっかりと考えながら観戦したことで、(特に4回生の先輩方が強調していた)終盤の大事さを再確認することになった。王座戦からかなり時間が経ってしまった今となっては、せっかく手に入れた終盤力を手放してしまっている可能性は高いが(笑)、終盤での思考プロセスを一度でも手にしたのは思いもよらない戦果になった。

改めて感謝

今から振り返っても、自分が王座戦に出場できたのは、他力に他ならない。これは、自分の一軍戦で指した将棋の出来が悪かったからである。そのため、王座戦に出場すること自体に申し訳なさを感じていた時もあった。

しかし、今となっては、出場させてもらったことに感謝している。まだあと2年も大学将棋を指せる人がハイレベルの将棋を勉強できたことで、今後の目標が明確になり、日々のモチベーションにつながった。自分では絶対につかめなかった機会をありがたく受け取り、これを与えてくれた先輩方と福田くん(後輩のはずなのに頭が上がらない…笑)には素直に感謝することが、今度の将棋部のことを考えても最善の一手であると思った。

後輩として受け継ぐ

王座戦に出場したことで、また全国へ行きたいと思うようになった。しかし、これは決して楽な道のりでないことは目に見えている。今回主力となった4回生の先輩方が卒業してしまい、来年は新体制で臨むこととなるからだ。

しかし、今回の王座戦では後輩として見習うべき背中がたくさんあったように思う。早稲田大学戦で長手数の将棋を指していたのにも関わらず続く立命館大学戦で200手越えの大熱戦を制した木村さん、第二代表京都大学戦で3-3のプレッシャーをはねのけて逆転勝利を収めた小路さん、盤上で詐欺を連発し幾度となくチームのピンチを救った橋口さんなどなど(今から考えると、普段物腰が柔らかい橋口さんがあのような力強い終盤を指しこなしていること自体が恐怖なのかもしれない笑)。どれも(特に小路さんの逆転勝利は)気迫を感じるもので、今の自分が見習わなければならないものであった。

これらは、たとえAIによって将棋の形態が今とは全く異なるものになったとしても、決して変わることのない人間将棋ならではの魅力だと思う。団体戦で1つでも多く勝とうとする姿勢は受け継いでいかなければならないという使命すら感じるものだ。

引退前の言葉

王座戦が終了し、今年で引退となる笠原さん、小路さん、橋口さんが「最後の言葉」を話されていたのだが、どれも印象に残っているので、その内容を(本来あってはならないことだと思うが笑)忘れてしまう前にここに残しておきたいと思う。
<笠原さん>
「大学にいる間、将棋はずっと続けたいと思っていた。最後いい形で終われてみんなには感謝している。」
<小路さん>
「うちのチームには元奨とかがいないからこそ、誰かに頼るとかじゃなく、みんなで掴んだ全国大会って感じがして、それがこのチームのいいところやと俺は思う。」
<橋口さん>
「勝ったり負けたりが続いたこの大会で、将棋の面白さ、奥深さを再確認することになった。」
※木村さんも今年引退だが、諸事情により先に帰路についていた。

最後に

読者への感謝

長い投稿となってしまいましたが、ここまで読んでいただいた読者には感謝を申し上げます。

本記事を書くにあたり、前ブログ(阪大将棋部 雑兵日記)の一番上にあった笠原さんの記事を参考にしたのですが、文章の質があまりにも高く、謎のプレッシャーを感じています(笑)。読んでみたい方は下記リンクからご覧ください。

笠原さんのお願い(?)と筆者の願い

先程参考にしたと申し上げた笠原さんの記事には、後輩に受け継いでほしいことがいくつか記載されていました。「部室泊」は今度も消滅することはない将棋部の伝統だと思っているのですが、師弟制度はあまり機能していないと感じています。なんといっても私自身も弟子入りしていない張本人なので(笑)。どなたか弟子としてとって頂けますでしょうか…?弟子入りは双方の合意あって成立するものだと考えていて、あまり自分からガツガツ行くのは変かな、とも感じているので、優しく勧誘していただけるとありがたいです(笑)。合宿はこれから考えます…。

運営者として選手として

先日部長に就任した筆者ももう3回生が目の前に迫っており、先輩よりも後輩の方が多くなります。そのため、4月からは、部長として将棋部の運営を支え、プレーヤーとして将棋部を引っ張らないといけない存在になってしまいました。2回生になってから入部した筆者にとって、前者は思いもよらない大役ですが(笑)、自分なりのペースで頑張っていこうと思います!

令和6年度も阪大将棋部の活躍をご期待ください!!!

令和6年3月1日  數﨑大樹





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