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長期プロジェクト:海ゴミアート教育プロジェクトについて

はじめに

2021年に始動した我々、大阪大学ローバース(通称:阪大ローバース)は2023年春に無事、日本ボーイスカウト豊中第28団ローバースカウト隊として正式にボーイスカウト団体として認められました。ボーイスカウト運動の精神に則って、日々活動に邁進しております。そして、この度2022年より3年を超える長期プロジェクト、海ゴミアート教育プロジェクトに乗り出しました。


海ゴミアート教育プロジェクトとは海ゴミを使った作品作りを通じて環境問題への関心の増加を図るプロジェクトのことで、普段のボーイスカウト活動に加えて主に以下の3点の活動を随時行っています。


1. 海辺でゴミを拾い集め、海ゴミを用いてアートを作成するワークショップの開催

2. ボーイスカウトで共有されている「Earth Tribe」に則った海ゴミアートを用いた教育プログラムの策定

3. 2025年大阪万博に向けた作品づくりと大阪万博への出展


以下より本プログラムの背景と、各活動の詳細、最後にコラボや依頼に関するお願いについて記載いたします。

阪大ローバースとのコラボ企画をご希望される際には、是非お目通しいただきますようお願いいたします。



海ゴミアート教育プロジェクト概要


1. 背景

近年、ごみ問題の対策は行政だけでなく企業や個人など様々な主体がそれぞれの方法で取り組んでおり、広く社会問題として認識されています。なかでも、海の漂流ゴミは増加の一途を辿り、生態環境に深刻な影響を与えており、大きな問題になっています。このような状況を受けて、これらの課題は世界中で早急に解決すべき共通の課題として、SDGsなどの国際的な目標が示されています。そこで我々はモットー「自他への奉仕」に則り、この社会課題の解決に向けた取り組みとして、今回の海ゴミアート教育プロジェクトの実行を決意しました。


2. 海ゴミアートワークショップ

本プロジェクトでは、海ゴミをアート作品に作り変えて新しい価値を加える活動を「海ゴミアート」と呼んでいます。プロジェクトの実施に際しては、まずは我々自身が実際にゴミを拾い、アート作品を作ることを通して海ゴミ問題をはじめとする環境問題について学び、検討を重ねます。大阪大学の学生として総合大学という強みを活かし、それぞれの専門に基づいて様々な角度から議論・検討することで、より良い作品づくりや問題解決に向けたアプローチを行うことができると考えます。

その上で、海ゴミ問題の解決や、これらの問題に対して世間の関心を高めるために必要なアプローチを模索しています。その一例として、ボーイスカウト内外に向けたお子様向けワークショップを開催しています。参加者にはアート作品の創作を楽しむだけでなく、ワークショップを通して自分に何ができるかについて考えたり、海ゴミ問題に関する知識を深めたりしていただいています。

ワークショップは海外展開も企画しています。インドネシア大学のボーイスカウトと交流があるメンバーからの意見により、2024年にはインドネシアに訪問し、現地でのワークショップやゴミ問題についての議論を行うことを構想中です。*1


3. 教育プログラムの策定

ボーイスカウト教育の集大成であるローバースカウト(18~25歳)の教育目標は、端的に言えば「社会貢献活動を社会と協働しながら行うこと」です。我々はこれに対して、「海ゴミアート」という手法で小学生年代のボーイスカウト(ビーバースカウト:小学1~2年生、カブスカウト:小学3~5年生 )のほか、世間のより多くの層(特にボーイスカウト: ビーバースカウト・カブスカウト) に海ゴミ問題・環境問題について関心を持ってもらい、それぞれの場所で活動してもらえるように教育プログラムを策定します(目標2025年以降)。ここでの「教育プログラム」とは、海ゴミアートの実践と同時に、環境問題やゴミ問題について考えたり調べたりして子どもたちが考えを深めることができるパッケージ化されたプログラムのことです。ボーイスカウトには「Earth Tribe」という世界のボーイスカウトが取り組める年代別の環境教育プログラムが存在します。これに則り、ボーイスカウトとして取り組むのに適切な教育プログラムの一つを提案します。

教育プログラムはワークショップを重ねる中で精査し、最終的には「海ゴミアート教育プログラム」として世間に公開します。


4. 大阪万博への出展

大阪大学は、2025年に開催を予定している大阪・関西万博に向けて様々な活動を展開・支援しています。

我々大阪大学ローバースもその一員として 「大阪大学2025年日本国際博覧会推進委員会学生部会」に所属しています。

2025年大阪・関西万博では、これまで作った作品の一部や、ワークショップで多くの皆様のご協力を得て作った素敵な作品を展示します。さらに、優れた作品についてはオークションを行い、そこで得られた資金を海の環境問題に関する活動をしている社会団体などに寄付をいたします。

また、大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻の中野貴由教授のご指導のもと、3Dプリンターと企業の廃材 (鉄など) と海ゴミをコラボさせた新たな作品作りにも挑戦します。


5. コラボにあたってのお願い

昨年度から始めた活動にも関わらず、ありがたいことにたくさんのコラボ企画の相談・依頼をいただいております。

ただ、上記の活動はあくまでも普段のボーイスカウト活動・大学のサークルとしての活動に加えて並行しているプロジェクトです。

そのため、企画内容や時期によってはご希望に添えないこともあります。あらかじめご了承ください。


大学ローバースという性質上、4年間での激しいメンバーの入れ替わりや、学業・就活などとの兼ね合いなどのために活動の企画・運営が難しくなることがありますが、その一方、日本中から集まったメンバーによる活動は幅広く面白いものとなるはずです。


これからもどうぞ、阪大ローバースをよろしくお願いします!


*1 インドネシアは世界最大のボーイスカウト人口を誇っており、義務教育課程にボーイスカウト教育が取り入れられているなど熱心な取り組みが行われています。インドネシアの最高峰の大学であるインドネシア大学は世界各国から学生が集まっており、インドネシア大学のボーイスカウトはこれまで何千万円もの規模の国家プロジェクトを任されるなど、インドネシア内の社会貢献活動において主要な位置を占めています。