見出し画像

ライン照明を用いたハイスループットラマン顕微鏡の開発Mochizuki, Kumamoto,...,Fujita, Biomed. Opt. Express 2023.


Mochizuki, Kumamoto,...,Fujita Biomed. Opt. Express 2023.


望月 健太郎助教*(京都府立医科大学 医学系研究科)、熊本 康昭助教*(*共同筆頭著者 大阪大学 工学研究科 応用物理学コース)および藤田 克昌教授(大阪大学 工学研究科 応用物理学コース)らは共同で、従来のラマン顕微鏡の数百倍の速度で情報を取得できるラマン顕微鏡を開発しました。この高速化により、この写真のような生きた細胞の大面積ハイパースペクトル画像を取得することが可能になりました。

以上の成果は、米国光学会(Optica、旧The Optical Society)が出版するBiomedical Optics Expressに2023年2月7日に掲載され、NewsReleaseにも紹介されています(リンクはこちらから)。

Kentaro Mochizuki, Yasuaki Kumamoto, Shunsuke Maeda, Masato Tanuma, Atsushi Kasai, Masashi Takemura, Yoshinori Harada, Hitoshi Hashimoto, Hideo Tanaka, Nicholas Isaac Smith, Katsumasa Fujita,"High-throughput line-illumination Raman microscopy with multislit detection,"Biomed. Opt. Express., 14 (3), 1015-1026 (2023).

論文はこちらから。

【概要】
ラマン顕微鏡は、生体サンプルの分子イメージングや解析のための新しいツールです。しかし、ラマン顕微鏡の測定速度は遅いため、ライフサイエンス分野での利用はまだ限られています。藤田教授らのグループは、超高速ラマン分光イメージングを実現するために、マルチライン照明ラマン顕微鏡を開発しました。共焦点スリットを周期的に配列した分光器により、複数のライン照明が照射された試料のラマンスペクトルを一気に検出することができます。本手法により、マウス脳組織のハイスループットなラマン分光イメージングを実現し、11.4分で1108800スペクトルを取得に成功しました。また、マウスの腎臓および肝臓組織の測定や、ラベルフリーのライブセル分子イメージングも実施しています。本技術による超高速ラマンハイパースペクトルイメージングは、生物・医療分野におけるラマン顕微鏡の応用可能性を拡大するものとして注目を集めています。

【問い合わせ先等】
藤田研究室HP

熊本助教HP

望月助教HP