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そこそこの強豪校で部活してた話(金魚のフン)


これはあるあるなのかはわかりませんが、
私たちの部活では“金魚のフン”というのがありました。

“金魚のフン“
それは、コーチが激怒したとき
「やる気がないなら帰って」
というお決まりのセリフに対して、
「お願いします」
と言いながら、コーチを追いかけることです。

コーチという“金魚“の後ろを
まるで“フン”のように全員でくっついて回る。
これを“金魚のフン”と呼んでいました。

あるとき、いつものようにコーチが怒り狂い、
帰ろうとしてしまいました。
初めは、体育館の中で“金魚のフン”をしていましたが、
ついにコーチが外へ出て、
(車に乗って帰るため)駐車場へと
向かってしまいました。

コーチは、既に体育館での金魚のフンの最中に
我々の「お願いします」を無視しながら、
インシューズを脱ぎ、
靴下になっていたので、
スッと外靴を履いて出て行きましたが、
私たちはギッチギチに縛ったインシューズを
履いたままでした。

急がなければコーチが帰ってしまいます。

体育館に砂を持ち込まないためにも
インシューズは必ず室内で、大切に履く
という暗黙のルールがあるため、そのまま出ることはできません。
外靴は下駄箱にしまわれているため、取りに行くのに時間がかかります。

当時3年だった先輩方は、
あろうことか
ギチギチに縛られたインシューズを無理やり脱ぎ、
靴下で、体育館の外へと駆け出しました。
当時1年だった私は、
まだ思考回路がまともだったため、
嘘だろ、と思いながらも後に続きました。

たいして綺麗じゃないアスファルトのせいで
足ツボのようになりながら
部員総勢で駐車場へと走りました。

結局、車に乗り込もうとするコーチに
3年生が「お願いします」を繰り返して
なんとか練習に戻ることができました。

今思えば、そんな状況から普通に練習に戻るのが1番面白いです。

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