よるさんぽ
何年ぶりだかの夜の散歩。
ぐっすり眠った子どもたちを姉に任せて。
散歩のお供はキリンジ。
このアルバムは6年くらいずっと聴いてるんだけど、ずっと飽きない。
バンド編成になったあとのキリンジの曲もちょっと聴いたけど、やっぱり兄弟でやってたこの頃の曲が何より良くて、私のなかでアップデートされない。
ボキャ貧なことがバレる感想だけど、ひたすら「エモい」んだよなぁ。
キリンジの曲を聴いているとどうしても鼻歌を歌ってしまうんだけど、夜道であることに配慮して押しころす。
その代わり少しリズミカルに歩みを進めてみる。
夫と暮らしていた頃、子どもをおいて家を離れることができなかった。
夫に頼むこともできなかったし、安心することもできなかったし。
1人で育てるようになって、姉や両親に任せて、子どものそばを離れられるようになった。
1人で育て始めた途端に、押しつぶされそうだった子育ての責任感が軽くなったように感じている。
皮肉なはなしだ。
求められるように、やらなきゃいけないと思っていたからだろうか。
とにかく、夜道を1人で歩くなんて、本当に本当に久しぶり。
高校の頃、終電で降り立つ最寄駅から自宅までの、ほとんど街灯のないみちを夜空を見上げながら歩いていたことを思い出す。
今日は爪のように細い月。
春らしく少し霞んだ夜空を見上げたら、流れ星が流れた。
嘘みたいな幸運。
気をよくして、コンビニで買ったビールのプルタブをあげて、飲みながら河川敷を歩く。
まるで親父みたいだという自覚はあるが、たまにはこんな夜を楽しむのも良いだろう。
30分で家に帰るのだから。
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