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ベネフィットとは、 自分が主人公の『絵』が想像できること

マーケティングとは「人を動かすこと」です。
そして、人を動かすためには、「動くことで自分にとってどんないいことがあるか」を伝える必要があります。
わざわざお店までに行って商品を買うのは、「欲しい商品が手に入る」からですよね。

企業のマーケティング活動で言えば、
・自社の広告に注目してほしい
・統合データベースを作成するためにメルマガ登録をして欲しい
・商品を手に取り買って欲しい
という行動を促すには、それぞれに対して「これをやることで得られるいいこと」がセットになっている必要があります。

この記事では、マーケティングを推進する上で欠かせないベネフィットについて解説していきます。
ベネフィットは具体例で見るとわかりやすいので、すぐ知りたいという方は、「スペックvsメリットvsベネフィット10本勝負」まで一気にジャンプしてみてください。

ベネフィットとは?

ベネフィット(benefit)とは、直訳すると「恩恵」です。
マーケティングでは主に、サービス申込や商品購入すると自分がどうなれるか(情緒的価値)、のことを指します。

ベネフィットは、スペックやメリットと比較して語られます。
 ・スペック:商品やサービスそのものの機能 
 ・メリット:商品やサービスによる効果 
 ・ベネフィット:商品やサービスを使うと得られる情緒的価値 

スペックは商品・サービスが主体であるのに対して、メリットとベネフィットは使う本人が主体であることが大きな違いです。

美容液を例にしてみます。
 ・スペック:トラネキサム酸を配合している
 ・メリット:シミに効果あり
 ・ベネフィット:同窓会で「若いね」と言われる

冒頭で、人を動かすにはベネフィットが重要、とお話ししました。
「トラネキサム酸を摂りたいからこの美容液を買おう」と思う人は少ないと思います。(その効能に詳しい人ならあり得ますが)
「少しでも若く見られたいから、この美容液を買ってみよう」という人の方が確実に多いはずです。つまり、「若く見えること」がこの美容液の情緒的価値となり、「買ってみよう」という行動を促すのです。

では、情緒的価値が伝わるとなぜ人が動くのでしょうか?

私は、自分が主人公の『絵』が想像できるからだと思っています。
先ほどの美容液の例で言うと、トラネキサム酸の『絵』って頭に浮かびませんよね。
でも、私のような40代の女性であれば、同窓会で「若いね」と言われる絵は、旧友の表情とセットで思い浮かぶのではないでしょうか。

そして、『絵』として想像してもらうには、誰が、どんなシチュエーションで利用しているか、が具体的である必要があります。
『絵』として浮かぶくらい、具体的な商品・サービスの利用シーンがベネフィットです。
クリエイティブやコピーライティングを通じて、ターゲット自身が主人公になる具体的な利用シーンを伝えましょう。

スペックvsメリットvsベネフィット10本勝負

ベネフィットは、業種やBtoB/BtoC問わず、どんなサービスでも重要な役割を果たします。
ここに具体例を挙げてみます。

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※ここではわかりやすくするために敢えて極端な例を挙げましたが、実際のクリエイティブでは、景品表示法や薬事法、派遣業法など、法律上の制限により使えない表現がありますのでご注意ください。

スペック・メリット・ベネフィットの違いがイメージできたでしょうか?
ベネフィットは、その利用シーンが『絵』として頭に浮かび、使ってみたいと感じられたでしょうか?
そして、もし浮かんだその絵の主人公があなた自身になっていたら、あなたがまさにターゲット、ということかもしれません。

BtoB向けの商材を扱う企業から頂いたご相談でこんなことがありました。
「当社サービスはニッチでわかりにくいので、リーフレットにはサービス内容を具体的に書き出しています」
企業側としては、自社の特徴を細かく書くことで差別化を図ろうとしているのですが、そもそもベネフィットが伝わらなければ、説明文を読んですらもらえません。
わかりにくいBtoB商材であっても、購入の意思決定をするのはあくまで人なので、ベネフィットで価値を感じてもらった上でサービス説明をすることをおすすめします。

まとめ

マーケティングで人を動かすためには、サービスのスペック(機能)・メリット(効果)が明確で魅力的であることは大前提ですが、ベネフィットをしっかり伝えることが欠かせません。

改めて、ベネフィットとは、
・その商品・サービスで自分がどうなれるかの情緒的価値のこと
・利用シーンが、自分が主人公の『絵』として想像できること
・あらゆるマーケティング活動で、人を動かす理由になる

となります。

先日、セブンイレブンで「たんぱく質が摂れるグリルチキン弁当」を買いました。

タンパク質

私は筋力をつけることを目的に、ここ1年ほど自宅で簡単なトレーニングを続けていて、最近食事にもこだわり始めました。
たんぱく質は筋肉を作る大事な栄養素ですが、1日に必要な量を摂るのは私には案外大変で、その半分にも満たない日も。

この商品を店頭で見た時、私の頭の中はと言うと、
「腹筋が割れている自分の姿」とまでは行きませんでしたが、
最近使っている体調管理アプリで、たんぱく質の摂取量が必要量を達成したグラフの画面、が想像できました(笑)


ベネフィットって深い!おもしろい!


フュージョン株式会社のことをもっと知りたい!と思っていただけた方は、私達マーケティングチームで運用している公式コラムもぜひ読んでみてくださいね。

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