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【はなごと】スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」の感想その2

まだ結局、ヤマトタケルの沼の中におります。
それゆえ、またヤマトタケルの感想の巻です。

既に、3回観劇し、
隼人みこと様をあと2回観る予定です。

今回は、ヤマトタケル役の隼人くん以外の方のお話を中心に。。
(役者ご本人の話と、それぞれの役についてのお話が混在しています。)
長くなりそうですので、
目次から、興味のある部分のみ読んでいていただければ、おそらく十分です。

なお、今回も、
[はなごと]
ですので、
勝手気ままに書いていますので、ご容赦を。

毎度のことですが、
「スーパー歌舞伎って何?」
「あらすじ知りたい」
などの方は、こちらをご覧ください↓

そして、
前回の感想は、こちらを。
中村隼人くんのお話のみです。↓



中村米吉くんのお話

米吉くんのご紹介

中村米吉くんは、
若手女形として様々な演目に出演されていて、
可愛すぎる女形さんです。

本当に可愛すぎるのです。
そして、その気になると、美しい。

でも、おしゃべりが上手で、楽しい方です!

インスタグラムの言葉のチョイスが面白いので、
そちらもぜひ!

https://www.instagram.com/yonekichi.rice_lucky?igsh=cTQ1YmY3ZGR6ZGEy

なお、
お父様は、
中村歌六さんという、
人間国宝の歌舞伎役者さんで、
いわゆるサラブレッドです。

今回の米吉くんのお役は、
兄橘姫と弟橘姫の二役です。

一幕目とカーテンコールの早替え、見事です。

また、変わった瞬間に話し方や雰囲気が変わり、
観ていて違和感がないです。

カーテンコールで早替えしている人って、
ほぼいないそうです。
※そもそも歌舞伎は普通はカーテンコールないですけど。

兄橘姫

兄橘姫は、
気品があり、
凛として風格もある。
自分の気持ちよりも、自分の立場をわきまえ、
思慮深い行動をする。

いわゆる美しく品格のあるお妃様を体現している。

そして、
大和の国で、
ただひたすら、
ヤマトタケルの帰りを待っている人。

観ていて、
「このお姫様ならば、
 ヤマトタケルが不在の中、
 一人で子供を産み、
 敵しかいない宮廷内で育てる
 という大変なこともできそうだ。」
と納得させられる。

3幕目の最後に出てくる時には、
ただみこと様を待つだけだった自分と

ヤマトタケルの他の女性たち、

長く側にいて、ヤマトタケルのために死ぬことができた弟橘姫、

「お前が一番好きだ」と言われたみやず姫、

に対して、いろいろ思うところはありつつ、

ワカタケルがいるということで、
「深く繋がっていた」と言うところが素敵です。

そして、米吉くんに対して、
「この人、本当に、さっき弟橘姫やっていた人ですか?」
と思ってしまう私でした。

弟橘姫

弟橘姫は、
美しいというよりも、無邪気で可愛い。

兄橘姫と比べると、
フットワークが軽くて、
ヤマトタケルの旅にお伴し始めた辺りからは、
全身から「みこと様大好き!!」とオーラが出ている。
(伊勢で会ったときは手が触れると照れるくらいだったのに。)

「自分の立場の自覚」をあまり考えてない、
悪く言うと、
頭の軽い、お姫様の雰囲気。

しかし、
2幕の最後のシーンでの弟橘姫の振り切れっぷり。
「海の大后の命令に従いなさい!」
などと言う姿、
「え?あの無邪気な弟橘姫どこいった?」
と思いました。
米吉くん、お見事!

ちなみに、このシーンでは、
ヤマトタケルが弟橘姫に対して、
「お前は大人しい女だと思っていた。」
と言いますが、
「え?どこが??元々、全然、大人しくないよね、弟橘姫。。」
と思った人は、
きっと私だけではないはず。


とにかく、
結論は、
米吉くんさすが!
の一言。

蛇足:どの女性になりたいか。

完全に蛇足です。
観客の女性だとチラッとは考えること、、
兄橘姫、弟橘姫、みやず姫、
このうち誰になりたい?
ということです。

私は、
ずっと待っているより長く一緒にいたい、
待っているだけは辛い、
たとえ、その人のために死ななければならないとしても、、
と観ていて思い、
私がなるなら、
弟橘姫がいいなぁ
なんて考えていました。

皆さまはいかがですか?

中村福之助くん·歌之助くんの成駒屋兄弟のお話

成駒屋のご兄弟二人のお話もしたいですね。

この2人は、
中村芝翫さんと三田寛子さんの次男と三男の、ご兄弟です。

福之助くんは、タケヒコ役。

歌之助くんは、ヘタルベ役と、
中村錦之助さんとダブルキャストで熊襲弟タケル役の二役です。

正直、あまり期待していなかったのですが、
この2人、控えめに言って最高です。

福之助くん

福之助くんのタケヒコには、
最後の方のいくつものシーンで散々泣かされ、
焼津のシーンでは笑わされ、
最高でしたとしか言えない。

特に、ヘタルベを諭しているシーン、
ハンカチ必須です。
兄が弟を諭しているように見え、説得力満載。

この人がタケヒコで良かった。

歌之助くん


ヘタルベはとにかく天真爛漫なのに、
ヤマトタケルへの忠誠心が高くて健気。

弟キャラで、可愛い。
三兄弟の末っ子であることが活きているのかな?

ヘタルベは全身で感情表現をする役で、
観ていて気持ちが良い。

しかも、最後のシーンでは、
葛藤しながらも、
タケヒコに諭されて前に進む姿が素敵。

泣かされてます、毎回。


熊襲弟タケル役の方は、
確かに、錦之助さんと比べると、
ちょっと全体的に細いなとは思いますが、
それは比べる相手が全くの格違いですので、
気にするほうが野暮でしょう。

ただ、錦之助さんの方を観ずに、
歌之助くんの方だけを観ると、
元気の良い弟タケルで、それはそれは良いのです。

熊襲での立ち回りで、
ヤマトタケル(このシーンの時はまだ小碓命)と物を投げ合ったり、壁壊したり、
派手に動き回る時、
相手への遠慮がなく、
観ていてスカッとします。

なお、
X(旧Twitter)などの投稿を見ると、
「團子くんのヤマトタケルと歌之助くんの弟タケルの立ち回りは、物を思いっきり投げ合ってて、やんちゃなケンカで可愛い」
とのことですので、
気になる方はぜひ、劇場へ。

(私も観たいのですが、隼人くんが出る、京都南座の三月花形歌舞伎に貢ぐため、たぶん観れない。)

中村錦之助さんのお話

中村錦之助さんは、
隼人くんのお父様です。

尾張の国造の役と、
ダブルキャストで熊襲弟タケルの役をされています。

尾張の国造のときはコミカルに、
熊襲弟タケルのときは、大きさのある演技に、
さすがです。

なお、私は、初めて錦之助さんが熊襲弟タケルをおやりになっている回を観たとき、

熊襲での立ち回り(歌之助くんのところで言及した物の投げ合い)で、

「あぁ、隼人くん、歌之助くんのときより、
 めっちゃ気をつけて物を投げたりしているな。
 やっぱり、お父様に当たってお怪我をされたりすることが心配なのかしらね。」
と微笑ましく思っていました。

立ち回りのあとの、
タケルの名を授けるシーンは、
号泣。。

実は、筋書に掲載されている錦之助さんのコメントで、「いつか錦之助の名前を隼人に継いでほしい」とお考えとのことを知っていたので、
現実とストーリーがシンクロして、
感動が増幅されました。

まだまだ語り尽くせないのですが、
とりあえず、一旦ここで、
たたみます。

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