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「御浜御殿綱豊卿」@歌舞伎座 観てきました!

歌舞伎座の三月大歌舞伎も、
京都南座の三月花形歌舞伎も、
無事に初日を迎えましたね。

私は、本日は、一幕見席で「御浜御殿綱豊卿を観てきました。

とりあえず、そのご紹介です!


前提

このお話は、
「元禄忠臣蔵」の第5篇にあたるお話で、
元禄忠臣蔵の中でもよく上演される演目だそうです。

忠臣蔵なので、
皆さんよくご存知の、
赤穂藩士が吉良邸に討ち入りするお話の関連のお話です。

主役の徳川綱豊卿は、
片岡仁左衛門さん。
この役は仁左衛門さんが大事にされている演目で、
有名かつ人気のある演目です。

新歌舞伎ではありますが、
もはや古典のような扱いの演目です。

メインは、
綱豊卿と富森助右衛門の問答(セリフのやり取り)ですが、
くすっと笑えるシーンやちょっとした立ち回りもあって、
魅力満載の演目です。

あらすじ


あらすじの説明が難しいので、、
公式のものをどうぞ。

江戸城松の廊下での刃傷事件から1年。次期将軍と目される徳川綱豊の別邸・御浜御殿では、今年も盛大にお浜遊びが行われています。政事には関心がないかのように振る舞う綱豊ですが、内心では浅野家の処遇について葛藤しています。そんな折、主君浅野内匠頭の仇である吉良上野介の動向を探る赤穂浪士、富森助右衛門が御浜御殿へやって来て…。

歌舞伎美人


もっと、詳しく知りたいよ、という方は、こちら↓
※元禄忠臣蔵全体の説明なので、
 該当箇所を見てみてください。


感想

仁左衛門さんの御殿様、、

心が広くて、思慮深く、
貫禄と優しさがある。

優しさも甘やかすのではなく、
間違ったことはしっかり指摘をして、
筋の通っている方。

本当に、素敵な御殿様です。

仁左衛門さんは、
先月の公演を観た方々から、
あまり体調がよくないようだ
というお話を聞いていたので、
少し心配にはなりましたし、
初めの方は、
「足元とか大丈夫かしら。。」
と不安になりつつ観ていました。

でも、後半の助右衛門(幸四郎さん)との問答の辺りからは、夢中になってみていたら、
すっかりそんなことは忘れていました。

お二人の問答部分だけでも見る価値十分です。

残念だったのは、
悲しいかな、
一幕見席の距離だと、
表情の芝居を観るためにはオペラグラス必須ですが、
オペラグラスを使うと、
問答しているときは、
仁左衛門さんと幸四郎さんのどちらか一方しか見ることができない。
それぞれの一問一答ごとの表情の変化が追いきれない。

、、何度か見れば解決すると気がついたので、
私は、もう一度くらいは一幕見席で行こうと思っています。

その他で言うと、
梅枝さんのお喜世さんは、
所作も美しく、
適度に品があって、
「なるほど、御殿様のお気に入りになるよね。」
と納得させられる姿。

今回も梅枝さんは素敵なお姿でした。

私はいつも、
「梅枝に外れなし」
と思っていますが、
その通り!

なお、この演目には、
梅枝さんの息子さんの大晴くんも出演しています。

今日は2度目の出番でセリフが一瞬止まってしまいましたが、
可愛らしく、おいぬ某をされていました。

割と緊迫したシーンが多い演目なので、
おいぬ某は、オアシスです!

大晴くんは、
ちょうど仁左衛門さんに向かって言うとセリフの場面で止まってしまったのですが、
ゆったり待ってあげつつ、温かい眼差しを向ける仁左衛門さんが印象的でした。

仁左衛門さんは子供の頃に同じ役をされたことがあるそうなので、昔を思い出していらっしゃったのかもしれません。

なお、止まってしまった瞬間は、
梅枝さんはステージ上にいなかったのですが、
すぐ後に出てきた時の表情が、
「息子が心配な母親」みたいな感じでした(笑)

そうそう、
先月の二月大歌舞伎の「猿若江戸の初櫓」で、
勘太郎くんを見つめる七之助さんのよう。

みんな子供が心配なんですね。
※勘太郎くんと七之助さんは親子ではなく、叔父と甥ですが。

脱線しました。

あとは、
幸四郎さんは、
(今日の私は仁左衛門さん中心で観ていたいので)
あまりしっかり観られなかったけど、
助右衛門の感情のグラデーションがあり、
観ていて引き込まれる感じでした。

次回はもっとしっかり堪能したいです。


こんな人にオススメ


派手な立ち回りや華やかさはなくても良いから、
感情を揺さぶられる芝居が観たい
という方にオススメです!

そう言った意味では、
世間のイメージの歌舞伎よりも、
静かな演目です。

なお、セリフの言葉はそんなに難しくないので、
イヤホンガイドはなくても行けると思いますし、
予習なくても、割と楽しめる演目かとは思います。

ただ、前提知識がある方が楽しめるので、
筋書で詳しめにあらすじを読んでみたり、
役者の皆さんのコメントを読んだり、
という予習があると、
より楽しめるかと思います。

では、今日はここでたたみます!

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