【警察エッセイ】喧騒な雑踏の中で僕は彼らを見つめていた

ハイどうもぉ。
皆さんの心の中のロケット花火。
元警察官の花山烏一はなやまけいいちです。

皆さん、花火は打ち上げてますかい？

『最近上げてねぇな、この野郎。』というツッコミは置いておいて、季節のネタっぽく花火ネタで切り込んだけども、花火は夏にやるモノって一体誰が決めたんかね？花山的には秋や冬にやる花火もなかなか乙だと思うけども、皆さんはどう？

まぁ、花火と言えば夏祭りでの花火大会が日本の夏の風物詩として定着してしまってるから仕方ないよね。

花火って世界中にあるモノだけども、季節の風物詩としてやってる国はどれくらいあるんかね？花山のイメージだと海外の花火はどちらかというと祭りというよりかはイベントで使われるイメージ。そんな花火大会だけども、日本各地で夏になると開催されて、ポンポンスポポンと打ち上げられた花火を子供から大人まで皆んなが空を見上げているあの時間が花山は結構好きなんよね。

花山には似つかわしくない情緒的な感じになったけども、花火大会を開催するとなったら結構な人が会場に訪れるよね。

だから、行かなアカンのよ。

警察が、花火大会の、雑踏警備に。

■喧騒な雑踏の中で僕は彼らを見つめていた

一般の人からすると聞き馴染みのない言葉だと思うけども、警察はよく雑踏警備というモノに駆り出されるのね。

自所属の警察署の管内で行われるお祭りやイベントや初詣まで、多くの人が集まるとされるモノに行かされるのが警察官の宿命なのね。当番の日に行くのは『雑踏警備中は変な事案に行かされる事が無いからラッキー。』と思えるから良いんだけども、休日に動員される事も少なくないんよね。

警察の警備ってサミットみたいなどデカい国際行事的なモノが大きく取り上げられるけども、地域の祭りとかみたいな小さいモノもやってるんよね。結構有名なヤツだと警視庁がハロウィンの時にやってたDJポリスとか皆さん知っているんじゃない？

ああいった時にも警察の雑踏警備は実施されるんよ。

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花山は警察人生で一度だけ雑踏警備に従事した事があって、それが管内で行われた花火大会だったのね。花火大会を小学校で卒業していた花山にとっては、久々の花火大会だったんよ。

まだケツが青かった時は無限の体力があったから花火大会みたいな祭り事でワイワイキャッキャッしていたけども、大人になった花山にとって、暑い季節に重装備で何時間もただ立って警備するのはマジでシンドイ事この上なしだったんよね。

酔っ払いの輩には『おぉ！警察の兄ちゃんも一杯酒ひっかけるかwww?』とかウザ絡みを受けて、本当だったら『うるせぇバカ。あっち行け。』とでも言ってやりたかったんだけども、『仕事終わったら飲ませてもらいますわ。』と大人対応をしていた当時の花山。

そんで、何が一番キツかったと言ったら、花火大会に来てるカップルね。

当時の花山は自分の貞操を護り続けていたガーディアンだったから、女性と花火大会に行くという事すら未経験だったチェリー君だったんよ。そんな心優しい童貞の花山が汗を迸らせながら警備している前を色んなカップルがイチャイチャ、ペチャペチャ、ニュプニュプしているワケなんよ。

『う、う、羨ましい。』と思ったね。花山とアイツの何が違うのか当時は理解出来なかったんよ。

『花山だって周り(実家の近所のあばあちゃん達)からカッコいいねって言われてるんだぞ』と。一応警察官だし、多分優しいし、多分優しいし、多分優しいし…。

自己評価が優しいしか出てこんわ。マジでカップルどもを見てると羨まし過ぎてパオンだわ。

どうせ、アレだろ？花火大会が終わったら、君の中に花火を打ち上げたいなとか言うんだろ？暑い夜をさらに暑くしちゃうんだろ？

何でだ？何で花山はこんな事をしていてるんだ？花山だってそっちに行きたいよ。花山だってドカンと一発花火を打ち上げたいよ。浴衣姿の彼女と、あり•をり•はべり•いまそかりしたいよ。

花山の人生はどこで捻じ曲がってしまったんだ。

でも、良かった。この雑踏警備が花火大会で。

楽しんでいる人も、悲しんでいる人も、股間をパンパンに膨らませている人も、誰の上でも平等に花火は照らしてくれるから。

■まとめ

警備中にこんなお下劣な事を考えていた花山だけども、こんな事を考えていないとやってられなかったんよ。

要人とかを護る為の警備ならまだやる気は出るけども、祭りに来る様な輩ども、特に浴衣姿のカップルどもを見ながら警備するのは花山にとっては苦痛だったんよ。自分はなぜあちら側に立っていないのかと考えれば考えるほど、底なしの沼に嵌っていってしんどかった記憶しかない。

皆さんも雑踏警備中の警察官を見つけたら優しくしてあげてね。

今回は以上となります。
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そんじゃ待ったねぇ。