見出し画像

【警察エッセイ】Police・in・Police

ハイどうもぉ。
皆さんの心の中の最高法規。
元警察官の花山烏一はなやまけいいちです。

皆さん、既存のルールにうんざりしてないかい?

『いきなり過激派団体の切り込み隊長みたいな発言をしてんじゃねぇよ、この野郎。』というツッコミは置いておいて、皆さんも日常的にルールに則った生活をしていると思う。

法律はもちろんだけども、属している組織や個人事業主であってもその業界なりの風習やしきたりがあったりもするよね。

中にはアナーキズム街道を闊歩する人もいたりするけども、決められたルールを守ろうと考えながら働くのが一般的だと思う。法律については賢い学者さんとかが常々議論して、その法律の是非を語らっていたりするけども、身近な会社のルールとかの細かいルールで『これっておかしくない?』って事もあるかと思う。

『ルールは破る為にある。』とたわけた事を言う人もいたりして『そのルールがお前さんの事を手厚く無償で守ってくれているにも関わらず、ブサイクなプライドで手放すんかい。』と花山なんかは思ったりするけども、皆さんはどうお考え?

とはいえども、ルールを変えるのは難儀な事で、ルールを変える為のルールがあったり、クソみたいな『昔からウチではこうなってるから。』と建設的でない事もあるよね。

花山はかつて警察という組織に属していて、警察に関わらず公務員は法律に則って仕事をしているのね。そもそもルールを変える事が国を動かすレベルのハナシになってしまうから、かなりハードモードなんだけども、会社レベルでも会社のトップの人達を説き伏せたり納得してもらう必要があったりして、警察と同等に厳しめのハードルがあると思う。

ところで、皆さんが属している組織には監査役の様な人はいる?

組織内で何か不祥事が発生した時やルールが破られた時にその原因を追及する属性の人達だけども、皆さんもご存知の通り警察組織にもそういった人達がいるんよね。

その名は警察官が嫌う警察官ランキング堂々のぶっちぎり1位である『監察』。


■Police・in・Police

警察という組織は国や地方の治安維持の為に犯罪者を取り締まる業務を生業としているのは皆さんもご存知の事。

じゃあ、警察を取締まる組織というのは存在するのか?

答えは『存在する』なんよ。

各都道府県に公安委員会という組織があって、その組織が警察という組織を取り締まる立場にあるのね。ただ、公安委員会は『組織』という大きな対象に対して取り締まる様な感じでもあるから、警察内部の内々の問題に対する事に対して取り締まっているかというとそんな事はほぼほぼないんよね。

例えば、一警察官が個人的にプライベートで何らかの犯罪をしたとしても、そういった時に公安委員会が動いて調査するという事はないのね。

そんな非常にコアな不祥事の場合に動くのが監察の人達。

監察という言葉が耳馴染みのある人もいれば、ない人もいるかと思う。少し細かいハナシをすると監察の人達は、各都道府県警察の本部の警務部という部署の中の監察課という所に属している人達なのね。

監察の人達の仕事を端的に言えば警察の中の警察。まさしくPolice・in・Police。

監察の人達は世で発生する犯罪に関わる事はほとんどないんよね。あくまで、警察官が何らかの不祥事を起こした時にその不祥事に対して捜査をしたり、様々の関係者から聴取したりするのがお仕事。言うなれば、警察が国や地方の治安維持を図っているとしたら、監察は警察組織の治安維持を図っているとも言えるんよな。だから、監察の人達は不祥事が発生した時だけじゃなく、不祥事を未然に防ぐ為の様々な防止策を講じているのね。

定期的に発生した不祥事について通達をしたり、各種講習をしたりするとかの業務を行なっているんだけども、そんな重要でありがたい仕事をしている監察の人達が同じ警察官であるにも関わらず、なぜ他の警察官から嫌われてしまうのか?

それは抜き打ちで監査をしてくるからなんよ。


花山も何回か抜き打ちで監察に襲撃を喰らった事があるんよね。ほとんどの場合で事なきを得ていたんだけども、一回だけ捕まった時があったんよ。

その日の当番はかなり忙しい日で、朝の8時頃から働いていたにも関わらず、寝れたのが次の日の朝5時で、起きたのがその1時間後の6時という状況だったのね。

朝の5時から6時という『これが本物の早寝早起きだ。』と言わんばかりの睡眠だったモンだから、疲労なんて取れるはずもなくて、勤務体制上6時には起床しておかないとアカンかったから無理やり瞼をこじ開けて起きたんよ。

制服に着替えて、残りは次の係に交代するまでの2〜3時間を過ごすのみという状況だったんだけども、とてもじゃないけどマトモに起きていられる様な感じでもなかったんよね。椅子に座った瞬間、爆速で襲って来た睡魔に捕らわれて花山は椅子の上で寝てしまっていたのよ。

しばらくはぐーぐー寝ていたんだけども、本来なら7時30頃になったら花山がいた都道府県警察は立番りつばんといって、交番の前や交差点の角に立っておかないとアカン時間があったのね。だけども、睡魔に亀甲縛りされた花山は当然起きられるはずもなく、また相勤のおじさん巡査部長も『そんなんやらんでええんだ。』というごんぞう警察官だったから、花山達は交番内で過ごしていたのね。

すると、そんな時に交番の入口の扉が開いたんよ。

交番に入った事がある方は知っている事かと思うけども、交番の扉が開くと来訪者が来たのが分かる様にコンビニみたいに音楽やチャイムが鳴るんよね。

花山はその音でハッと起きて、隣でドスンと座って動こうとしないおじさん巡査部長にイラっとしながらも部下という立場だったのもあって、対応する為に交番の入口の方に行ったんよ。そしたら、そこにはオジサンが一人立っていて、花山が『どうなさいましたか?』と尋ねたら、そのオジサンは『監察の者です。』と温度の感じられない言葉を花山に向けて発したのね。

『やってもうた。』と。

花山はその言葉を聞いた瞬間、さっきまで感じていた睡魔が爆風で吹き飛んで、なぜか血圧も急上昇したんよ。

『監察が来てもうたぞ。』と。

『どうする?』『どうする、花山?』『立番をサボタージュして交番で休んでいた事をどう説明する?』

悲しい事に普段は偉そうに犯罪を取り締まっている分載のくせに、こういった時に思い付くのはどう言い訳をするかという事ばかり。

花山は監察の人に『おはようございます。監察の方ですか。それでは警察手帳を見せてもらっていいですか?・・・・・はい、ありがとうございます。デスクには随時監察の旨連絡します。』と言うしかなかったのね。

この時は、自分でもビックリするくらい澱みなくスラスラと言葉が出てきたんよね。

過度な睡眠不足で脳内の細胞が爆死しているとは思えないくらいハッキリと大きな声で言っていた事に自分が一番ビックリしていて、相勤のおじさん巡査部長もただならぬ様子を察してか表に出て来たんよ。その後、僕達はコッテリと監察の人に絞られて、ただでさえ疲労マックスの花山は追い疲労を追加されて、踏んだり蹴ったりな当番だったんよね。

監察の人が帰った後に花山は相勤の巡査部長に『なんで監察は僕達の隙を狙って来るんですか?』と聞いてみたんよ。そしたら『花山。俺達も普段交通違反の取締りをした時に違反者に警察官が見てなくても交通ルールを守ってくださいって言うだろ?それと同じだ』と言われたんよ。

パーの音、いや、グーの音が出ないほど論破されたね。

■まとめ

監察の人達をあたかも悪者みたいに書いたけども、監察の人達は何も嫌われる様な事ばかりしているワケじゃなくて、優秀な実績を残した警察官を表彰したり、適正な職務執行をしたにも関わらず訴訟された時に対応してくれたりと様々な業務を担ってくれているのね。

何より、監察という仕事に就くのは相当難易度が高くて、極めて優秀な人達しかその部署に入る事が出来ないんよね。その監察の人達も元を辿れば交番で働く若手警察官と同じだから、何も苦しめる為にやっているワケじゃない事は知っていたけども、悲しい事に警察官からの嫌われ役でもあるんよね。監察の人達も日々大変な業務に追われているから、もっと評価されるべきだなという事は今でも感じているんよね。

ただ、寝込みを襲って来たのはマジで忘れんからな。

今回は以上となります。
記事のサポートをしていただけますと今後の活動の原動力になりますので何卒よろしくお願いします。
コメント欄に感想•質問をしていただけると嬉しいです。
そんじゃ待ったねぇ。

サポートよろしくお願いします👐 今後の活動に大変なパワーとなりますのでよろしくお願いします🙏 一緒に伝説を創っていきましょう👊