13歳、生まれて初めての本命チョコ。
バレンタイン、ということでマガジンの「青春はカメムシ色」でも更新しようかなと思っていたら、バレンタインデー終わった。
そういえばピッタリな出来事があるなと思い出したので、久々に更新しよう。
私は中学一年生の時に、クラスの男子・ニシウラ君に初めてラブレターを書いて渡し、フラれている。
詳細はこちら↓
中学一年生の2月。
バレンタインデーが近づいてきて、女子はみんなソワソワしていた。
もっぱら休み時間の話は、「誰にチョコを渡すか」だった。
当時、私は仲の良かった友人ふたりとクラスが離れていたので、同じクラスでは、特別仲の良い子というのはいなかった。
なんとなく気の合いそうなグループにほんのり所属しているだけだった。
なので、ニシウラ君を好きになって玉砕したことも誰にも話していない。
いや、話せないだろう。
あの自分だけ突っ走っちゃった感じが恥ずかしいし。
でも、バレンタインデーというイベントには参加してみたい。
13年という人生の中で、バレンタインデーに誰かにチョコをあげたことがないのだ。
せいぜい父や弟がもらってきたチョコのおこぼれにあずかる、という日だった。
だけど、自分が渡すという行為をしてみたい。
それならニシウラ君がいい。
フラれているけど。
フラれているのに迷惑かなあと思っていたら。
クラスの女子がこう言った。
「わたし、ニシウラ君にチョコあげよっかなー」
冗談めいた口調だった。
だけど、彼女は本当にニシウラ君にチョコを渡すつもりだ。
だって以前、ニシウラ君っていいよね、みたいな話もしていた。
……ライバルがいる。
これは負けられない。
私もニシウラ君にチョコを渡そう。
そう決意をした。
そんなわけでチョコを買った。
生まれて初めての本命チョコというやつである。
バレンタインデー当日は、買ったチョコをカバンに忍ばせた。
さて、いつ渡そう。
やっぱり放課後かな。
だけど、一つ問題がある。
バレンタインデー当日。
私は朝から体調があまり良くなかった。
大したことないだろうと思ったし、バレンタインデーだったから学校に来たけど。
三時限目の放課後には、既に体調が悪化して保健室へ。
熱を測ったら39度あった。
結局、学校を早退した。
もちろん、ニシウラ君にチョコは渡せていない。
チョコはカバンの中に忍ばせたままだ。
その日、私は病院へ行くなり入院となった。
肺炎である。
私は小学四年生の頃にも肺炎で入院しており、これで二度目。
ちなみに中3の頃にも肺炎で入院しているので、肺炎で3回入院している。
一週間ほど入院することになった。
あーあ、チョコ、ニシウラくんに渡せなかったなあ。
さすがにバレンタインデーから一週間以上も遅れてチョコを渡すのもなんだよな、と思った。
仕方がないので退院して、家に帰るとチョコを自分で食べた。
食べていたら涙が出てきた。
渡せなかった後悔というよりは、それほど自分がチョコを渡せなかったことをガッカリしてなかったことに気づいたからだ。
もうこの恋は、私の中でとっくに終わっていたのだ。
あきらめなんて、ついていた。
バレンタインデーというイベントに参加してみたかった、というだけの理由。
それがよけいに寂しいな、と思った。
恋がしたかったんだと思う。
ちなみに、チョコはあんまり美味しくなかった。
肺炎だったとはいえ退院したあとなので、味覚は戻っている。
ああ、これを渡さなくて良かったかも、と思えた。
おわり
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