煩悩(20)長期的「ごみの日」恋愛計画

人気ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』で「火曜はハグの日」といったフレーズがありました。

外見は結婚、中身は雇用契約という関係で結ばれた二人。新婚感を醸し出すために毎週火曜日を「ハグする日」と決めて実行していました。

既に愛はあったのか、親愛から育まれたものなのか。

多くの解釈が生まれそうな問題ではありますが、一応「ハッピーエンド」に属するような形で結末を迎えます。

途中、新垣さん演じるみくりさんが「ごみの日と同じ!」とハグの日制度にショックを受ける場面があります。

5年目の彼氏との付き合いの中にも、似たような感覚がありました。

彼のバイト、私のバイトのシフトがほとんどかぶっていないため、結果的に土日のどちらかで会うことになっていました。しかし、その土日もどちらかに予定があれば来週になります。

週に一度、二週に一度、ちょうど「有害資源ごみ」と同じような頻度であっていました。

途中で私も「いや、こんなAmazon定期便みたく会うのがカップルじゃないんじゃないか」と感じ、不安になりました。

私自身に、どこかムリして彼と会っていた気持ちがあったのだと思います。日々の疲れを理由にして、憂鬱な気分を誤魔化していたのです。

ですが、その考え方自体が大きな間違いであったと後から知りました。

まず、定期便的な会い方だったという考え。逆転して考えると、その考えには「会える日がわかっているからこその幸せ」がありました。

たとえば、日曜に会うと決めた場合。彼に会える時間が限られ、会う日も少なくなっている時期だからこそ、次の日曜が楽しみになると考えるべきでした。

日曜までの時間を精いっぱいこなすことで癒される時間を迎えられる。発想を転換するだけで、まるっきり違う制度に思えるはずです。

大好きな人と会える時間だったはずなのに「疲れているのにめんどくさい」「なんで日を決めるんだ」と考えていた私は、根本的に自分のことしか考えていませんでした。

反省です。

長い期間付き合っていると、毎回「彼に合うのが楽しみで楽しみで、夜も眠れない!」というのは、少々無理が出てきます。ドーパミン足りなくなります。

ですが、長く付き合ったからこそ味わえる、穏やかで満ち足りた幸せの時間を刻んでいただければ、と願ってやみません。

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