煩悩(19)好きになるのは怖いこと

仕事の関係で、少女マンガを読む機会がありました。マンガといえばこち亀やヒロアカという、完全に「少年マンガ脳」だった私には軽いカルチャーショックでした。

少女マンガには、恋愛モノが多いです。さらに「幸せいっぱい」のカップルの姿と並行して、よく悩みよく泣く女の子の姿が描写されています。

女の子がひとりで悩んで泣いた後、お決まりのように彼氏(または気になる男性)が出てきてイチャイチャします。マンガによってイチャイチャの程度はまちまちですが、大きな構成はほとんど変わらないと思います。

この手のひら返しの如く行われる「恋愛の波」は、何を伝えているか。

本当の愛は、どんな困難をも乗り越えるものだ――

不安になっても、彼のことを信じるべきだ――

水を差すようですが、私は「一人の人間を好きになるのは怖いこと」だと思います。

大失恋を経験して卑屈になったと思われてしまうかもしれません。しかし、実際にとても難しいものでした。

私は小さい頃から芸能人や趣味などに没頭しすぎることなく過ごしてきました。その理由がまさに好きになりすぎるのが怖いため、です。

叶わないものなのに、このアイドルに自分が熱を上げ過ぎてしまったら? 大好きな花札(こいこいが好きです)に没頭して執着してしまったら?……そんなことをグルグルと考えてしまい、少しやりこんだタイミングで手を離してしまいます。

私のようにレスポンスを求める人間にとって、一方的に好きになる状況は非常に不安になります。信頼、恋愛、好き同士。少し、心がキリキリします。

その結果、大好きな福山雅治のファンクラブにも結局はいっていません。

5年目の彼氏を好きになればなるほど、怖くなってしまうのです。もしも私の独りよがりだったら、重い女だと思われたら……その不安は尽きることがありませんでした。

恐らくその原因は、急に好きになってしまったからだと考えています。5年目の彼氏と友人だった期間はお世辞にも十分だったとは言えません。もちろん、福山さんと友人だった期間もありません。

趣味や芸能人の場合は「いったん距離を置くこと」ができますが、彼の場合は穏便に事を運ぶのが難しいでしょう。盲目的に好きになる前に、まず「一人の人間として」心地よい距離感を保って接してみるのがポイントです。

まずは、好きになる前に距離感をつかむこと。私のように「不安予備軍」の女性はぜひ試していただきたいです。

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