煩悩(22)恋愛と地震は似ている
相変わらず独り身の花輪です。
「一度の浮気」で検索にかけると、「一度の浮気 離婚」「一度の浮気 許せる」「一度の浮気 慰謝料」「一度の浮気 後悔」などが候補に挙がります。
かなりネガティブなワードが並んでいますね。その中でも「許さない」「許す」が上位に食い込んでいたのが印象的でした。
シンプルに相反しているワードが、両方ランクインしている。この事実は「一度の浮気が恋愛を崩しうるだけの効力をもつ」ことを示しています。
交際している期間、5年目の彼氏は浮気していませんでした(そうであったと信じたいものです)が、このぐらつきはすごくよくわかります。
もちろん、お付き合いしていて幸せな時期はたっぷりありました。ですが哀しいことに、たった一度の不具合、テンポの噛み合わなさ、ふとした違和感で、すべてがひっくり返されてしまう可能性があります。
そして私は、ひっくり返されやすい側の人間でした。
再三かいていますが、5年目の彼氏と私はとても馬の合うカップルでした。いわゆる「イチャイチャ」はありませんでしたが、穏やかな時間が過ぎていくことに満ち足りた幸せを感じるタイプのお付き合いでした。
好きなポテチの味が一緒だったり、おやつの譲り合いをしたり、旅行中にサイクリングしていたら大雨に降られて爆笑したり、あっちむいてホイで彼に全く勝てなかったり……いま思い返しても、見事に楽しいことばかりです。
それでも、一度の違和感が原因で彼と別れてしまいました。
そのときの「幸せ」の価値観はまさしく超インフレ。幸せと辛さのバランスがおかしくなっていました。
多くのコラムで「そういったカップルは急な別れとは程遠い」と、紹介されていますが、そういった「波風立たないカップル」ほど、ひっくり返されやすいと思います。
その理由は小さな軋みを大きく感じてしまいやすいこと。
嫌なたとえで申し訳ありませんが、これは地震に似ています。
大きな揺れを体験したあとの震度2・3の地震では「あ、揺れてる」くらいで済むでしょう。しかし、それまでに揺れを経験してこなかった人々にとっては、小さな揺れも「ゆ、ゆ、ゆ、揺れてる!」と感じてしまいます。
波風立たないカップルであれば、小さな言い争いだけで「うわ、もうおしまいだ」と感じてしまいかねません。急な別れ話に発展することもあるでしょう。
私の場合「すぐに会える状況でありながら忙しい時期」を初めて体験したのが5年目でした。時間のある大学生、それでもバイトや課題に追われる日々、会えない不満、彼に会いたいけれど疲れている身体、どうしても伝えられないホンネ……そういった小さな軋みが重なり、別れてしまいました。
本当に急に、フッと頭に「あ、別れよう」という思いが浮かび、自分でも驚いたのをおぼえています。そういった意味で「喧嘩するほど仲が良い」とは言い得て妙なのです。
さて、今回の教訓としては「小さな揺れを恐れないこと」。人は、失敗して、経験値を積んで、問題に対処していきます。その問題をさけてばかりでは、お互い成長せず、良い恋愛は築けません。
そう、恋愛は建築と一緒です。きちんと計算された設計をして、土台を固めて、骨組みをつくって、なんやかんやして、築かれるものです。
5年目の彼氏との恋愛は、最初の計算する段階からつまづいていたのかもしれません。恋愛に「もし」は存在しませんが、もし、また5年目の彼氏と付き合ったら今度こそきちんとホンネを伝えあって、成長し合える仲になりたいですね。急に別れ話をしてしまって、本当にごめんなさい。
まだ付き合っている皆さん、穏やかな恋愛を望んでいる皆さん、
どうか、ホンネをぶつけるのをためらわないでください。
これは恋愛にかぎったことではありませんが、ちゃんと気持ちを伝えた上でうまくいかなければ、その次があります。
ぜひ、伝えることを恐れないで生きてください。
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