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ティール組織を理解しづらかったポイント「意識」について漫画バガボンドを参考にすると分かりやすくなった

昨年の9月よりティール組織の導入支援のお手伝いをしています。

ティール組織って何だ?という方はNatural Organization Labのこちらのブログを読んでみてください!あと、以前下記の記事でもティール組織の概要について書きましたので是非!

ティール組織とはなんぞや、と勉強していたのですが、理解することが難しかったことが「経営者が意識の進化に取り組むこと」の重要性を説いているところです。

青野さんも「経営者の進化」について言及されています。

仕事をしていても、経営者が今、どういう意識にあるか?ということについて議論がいくことがよくあります。

どういう意識にあるかって何?

どういうこと?

要は組織の形態って下記の画像のようにいくつかの段階があります。ティール組織では分かりやすいように色で組織の形態を区別しています。で、経営者の意識が進化していくことと組織の形態がリンクしているのです。

目標数値を達成することを第一に置く、オレンジ組織の意識を持っている経営者が、ティール組織導入をしようとしてもうまくいかないということです。なので、ティール組織を導入する際は、経営者の意識がどの段階にあるか、必要であれば意識を進化させることが必要になります。

上記リンクの「実務とつなげる経営の新潮流」より引用

「意識」について理解するのにめちゃめちゃ時間かかってしまったんですよ。よくわからなくないですか?意識って言われも。「意識」について学べる良い教材ないかな、と考えていた時、思ったのです。

漫画バガボンドに出てくる武蔵の意識の進化の仕方がまさにそれだと

バガボンドは、宮本武蔵が主人公の漫画です。

宮本武蔵は最初バリバリの達成意識(オレンジ組織の意識)だったのです。

「天下無双」を達成するために世に名高い剣士を訪ねては倒す日々を過ごします。柳生石舟斎から「天下無双とはただの言葉だ」と言われ、武蔵の中で次第に意識が進化していきます。

そして、吉岡道場の当主、伝七郎と戦う前に、自然体で刀を振っている小次郎と出会って、武蔵の幼き日々の記憶が蘇ります。それは子供の頃、山の中で体を自然に預けながら剣を振っていた日々です。そして山の中にあった白骨の武芸者を見つけ、心を通わせます。「死ぬときはこんな風に死ぬ」

この時の剣を振ることがただ「楽しい」という気持ちのまま、武芸の道を進みたかった・・・

そして、自分自身が子供の頃の気持ちを忘れさせていたことに気が付きます。子供の頃の気持ちを忘れないようにと心に誓うが、そんなことで意識の段階は上がりません。吉岡道場の当主、伝七郎を斬った後、総勢70名の吉岡道場の者達と斬り合うことになりました。70名を斬りふせることが出来ましたが、足に大きな傷を負った武蔵。宮本村に居る頃から武蔵を見てきた沢庵坊に、前代未聞の70名との斬り合いを経て何に祈る?と問われます。

俺の歩いてきた道だと答える武蔵。「まだどこを切っても自分なのか」と沢庵は驚きと失望が重なります。しかし、意識が進化しないまでも、自分を支配してきた「我」。どちらが強いのかという競争心を切り離して客観視するくらいにはなってきました。「成長したのか?満足したのか?」と問う武蔵に沢庵は「成長したんだよ」と答えます。

「我」を客観視できるようになった今、戦いに勝利してきたはずの自分が、「勝ったのは俺だ!」と叫べなくなっていました。

ようやく切り離せた「我」。

「いつからか忘れていた。何を一番に求めていたのか。それに較べれば。」

人と自分を比べない意識まで近づいた。しかし、一刀斎との斬り合いで、侮辱され、再度「我」が自分を取り巻きます。

しかし、土壇場で「我」を切り離すことに成功します。天下無双とはただの言葉だということを思い出します。こうして少しずつ、しかし確実に武蔵の「意識」は進化していきます。

その後、ある村にたどり着いた武蔵は、その村の問題を解決しようとします。その村は大雨からの洪水で畑が流されることに困っていました。
しかし、ここでの問題に対する意識も「勝ち負け」という達成型の意識でした。

川に石を敷き詰め、水の侵入を防ごうとします。しかし・・・

「水に勝つつもりで石を積んだ。水を止めてやろうと。何度か勝つかも知れんがいつか必ず負ける。それではまた畑は流される。」

水が流れたい方向に堀を掘ってやることを決めた武蔵。水に逆らうのではなく、通り道を作ると方向転換しました。すると、村民が、堀を掘るのを手助けしてくれるようになったのです。

今まで武蔵がいた剣での戦いの世界に協力という文字はありませんでした。勝つか負けるか、それだけを問われる世界。そこに革命が起こりました。

皆んなの協力によって洪水を解決することができました。そして田んぼを耕す作業に没頭する武蔵。しかし少し経つとすぐに「我」が戻ってきます。

「なんだって俺が田んぼなんか。違うだろ剣だろ。」

と言う「我」を押さえつけます。自分のスタート地点。おっさん穴に戻るためには「我」を押さえて、子供の心を取り戻さねばなりません。

自分が何故剣を振り始めたか、スタート地点を確認し、さらに農作業に没頭する武蔵。そこに奇跡が起きます。村の変人であり、田んぼにしか心を開かないと言われた秀作の心までを動かします。「所詮人の命を断ち切るのが生業のお前にわかるはずがない」そう言っていた秀作が、

秀作の土を混ぜて、今度こそ田んぼを成功させたい。そう思い詰める武蔵は自分でも想像できない言葉を呟きます。自分で自分の言葉を信じられない武蔵。

ようやく田んぼが完成しましたが、飢餓は否応無く村を襲います。村人皆んなが、飯を口にしていない日々が続く日々・・・

武蔵は、プライドを捨て、助けを求めました。

「どこを切っても自分」

そんな武蔵では考えられない「どうか助けてくれ」

武蔵が大切なことを思い出し、自問自答することによって意識が少しずつ変わっていく様子が漫画バガボンドでは繊細に描かれています。これがティール組織で言う所の「経営者の意識の進化」と近いのではないかと思います。

ここから学べることは「意識を進化させるには数えられないほどの自問自答を繰り返さねばならない」ということでしょう。

そのためにティール組織では、業務を行った上で成功したことから、大切にしたい価値観を振り返って共有することが大切とされています。そうすることで「意識の進化」を促す仕組みを作っているのだと思います。

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