電子か、紙か、それは問題なのか
結局のところ、漫画とは、紙媒体で読むのと電子媒体で読むの、どちらが適しているのだろうか。
ということを半月ほど考えている。
小説だとか評論だとかの活字の塊を私は電子では読まないので、これはあくまで漫画の話だけど。ハニレモ記事の冒頭でKindleを絶賛したわけだが、3ヶ月も同じ漫画を読みつづけていたら、電子の限界を感じはじめた。
ので、個人的な感想を比較してみようと思う。
サービスはKindleとRenta!を使ってます。また、前提として、私のデバイスはスマートフォン（GooglePixal、Android）だと断っておく。
▽電子媒体のいいところ
・読みたいときにすぐ買える
・紙媒体よりちょっとだけ安く買える
・持ち運べるので、読みたいときにどこでも読める
・どこの巻数まで購入済みなのかを教えてくれる
・前回読み終わったところからスムーズに読みはじめられる
・作家やシリーズごとにまとめてくれる
・なにを読んでいるのか家族にバレない
・データなのでどんなに買っても場所を取らない
・折れない、汚れない、日に焼けない
・（Kindle）細かく栞が挟める
・（Kindle）不要ならデバイスから消せる
・（Kindle）読みたくなったら再ダウンロードできる
▽電子媒体のだめなところ
・フラゲはできない
・見開きで読めない
・ページを見比べられない
・読みつづけると激しく目が疲れる
・眼精疲労で白髪が増える
・デバイスのバッテリー消耗が早くなる
・充電しなければならない
・電子書籍用に修正されると絵が潰れてしまうものがある
・いくら読んでもきれいなままなので愛着が湧かない
・存在にエモさがない
▽紙媒体のいいところ
・作者の描いた絵をほぼそのまま堪能できる
・小さなコマでも、絵も手書き文字も潰れない
・見開きで読める
・ページを見比べられる
・たまにフラゲできる
・実店舗で買うと目当ての本以外に気になる本を見つけられる
・長時間読みつづけても目が死なない
・どんなに読みつづけても充電しなくていい
・単行本の量が多いと読破したときの充実感がすごい
・視覚以外に嗅覚（紙の匂い）と触覚（紙の手触り）と聴覚（ページをめくる音）を充実させられる
・たくさん読んだ本ほど読み癖がついて愛着が湧く
・存在そのものがエモい
▽紙媒体のだめなところ
・場所を取る
・つい積んでしまう
・漫画によって規格がちがうので本棚にぴったり収まらないやつがある
・連載2冊以上になると持ち運びに適さない
・うっかり汚す、うっかり折る、うっかり日に焼く
・電子より値段が高い
・どこまで購入済みだったか忘れる
・同じ巻を何冊も買ってしまう
・実店舗まで行ったのにほしい巻だけ品切れで置いてなかったりする
・見つかるまで本屋をはしごしてしまう
・結果、買う予定のなかった本をたくさん買っている
・諭吉が行方不明になる
ん？
純粋な比較になっていないのは百も承知であるし、売上云々みたいなお話は専門家にお任せしたい。ユーザーのワタクシ的には、物理的には電子媒体が圧勝なんだけど、エモさは紙媒体が圧勝だなあというきもちなのだ。必然的に、漫画に漫画そのものの良し悪し以外の要素が発生するので、とりあえず紙の本って存在がエモいよな……………… っていう。
私は電子だとつまらなかった漫画とかすぐ忘れてしまって、購入履歴を見て「こんなの買ったっけ」と首を傾げたりするけど、紙なら後々「これあんまりおもしろくなかったよなあ」とか思い出せるのは、視覚以外の感覚もずっと働いていて、記憶に残りやすいからなんだろう、とか。
電子書籍もVR読書がもっと実用的で体感的になれば、紙媒体のエモさを打ち破れるのかもしれない。知らないけど。
でも、いくら紙がエモいって感じても、やっぱり電子は便利ジャン……
いつでもどこでも読みたいときにそのタイミングで三浦界くんの顔面を拝めるの最高じゃないですか。
ああ、だけど、家でひたすら読みふけっているとしんどいくらい目が疲れる。それから電子は見開きで読めないし、ページを見比べられないから伏線について熱く滾りたいときに不便すぎる。そこがなあ。ぐずぐず。
というので「電子か、紙か、どちらが漫画を読むのに適しているのか、それが問題だ」というのがこのnoteのテーマだったわけなのだけれども。
いや、どっちも買えばよくね？
というわけでこうなった。どーん。
収集癖のあるotakuは紙と電子で複数買いするくらいでは躊躇わなかった。
ハニレモ以前に、神風怪盗ジャンヌやフルーツバスケットを旧版と新装版で持っていたり、ヴァンパイア騎士を単行本と電子で持っていたり、漫画ではないけど、十二国記は新潮社版の風の万里上下巻を3セット持っているというめちゃくちゃな人間なので…… あ、ホワイトハートももちろんある。
紙媒体で漫画を買ったの、軽く5年ぶりくらいな気がする。こんなに絵を大きく見たのものすごく久々で新鮮だ。電子と印象がちがって楽しい。
結論、どちらにもどちらの良さがあるので、よほど好きなら両方買う。