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ソルティ・ドッグ

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塩日記2020
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#小説

誰かの言葉に感銘を受けてきたから私はずっと書いてこられたし、これからもきっと書いていける

小説用ブログを立ち上げた話とラス為の紹介は無料、ハニレモの話は有料 ▽▲▽ 不甲斐なくて泣いた日の夜に ただ強くなりたいと願ってた そのために必要な勇気を 探し求めていた - 米津玄師「ピースサイン」 小説家になろうで連載し、書籍、ゼロサムオンラインでコミカライズされている「悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。〜ラスボスチートと王女の権威で救える人は救いたい〜」(通称ラス為)がめちゃくちゃおもしろすぎて、web掲載第1部全693話を2日半で読みきり

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人真似をつづけてきた私の

うまくなりたかった。本当はいつだってうまくなりたかった。氷の中に生花を閉じ込めるように、美しさを凝らせた言葉を、書いてみたかった。 人真似だった。インスパイアとかオマージュとかそれらしい単語で誤魔化しながら、自分の文章や物語が人真似でしかないことを知っていた。憧れて筆写したあの人の文章で、おもしろくて読みふけったあの人の構成によく似た物語で、私の創造力が「その程度」だと自覚したのはだいぶ昔のことだ。10代の私は、本なり広告なり映画なり、心を動かされた表現を、ノートによく書き

人は冷たく息をする

小説は無料で読めます、後書きと日記は有料 「お兄様があっさりと承認されるとは思いませんでした」  ぽつりと落ちた妹の言葉に、ザカライアは視線を遣った。枢密院における最後の会議から日を置いて、秘密裏に──それもめずらしく──生家へ帰ってきたと思えば、なんのことはない、想像どおり甥のことだったらしい。家令も全て人払いしたラトランド公爵家のサロンで、エディスはようやく、ため息をこぼすことを思い出したようだった。  中年という歳はもとより、幼少期から誇り高い妹である、さめざめと泣

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