夜中の粥

寒風が夜空を駆け抜け、窓ガラスに霜が舞う冬の夜。VRCの終了後、私は心と体の疲れを感じつつも、空腹に襲われ、お粥を作ることに心を決めた。

冷たい米を鍋にそっと落とし、水とめんつゆで淡く香るお粥のベースを築く。その間に、卵を割り、器に滑らかに溶きほぐして待つ。鍋の中で米がゆっくりと煮え、その音が静かな夜を包み込んでいく。

水分が抜けた頃、溶き卵を優雅に垂らし、ほんのり凝固するまでの時間を大切にする。慣性のように続く一瞬、心地よい静寂が広がっていく。

お酒で荒れた胃袋を優しく包み込むお粥が、鍋から湯気を立てて昇る。その温かな香りが冷たい夜を暖め、部屋中に広がっていく。冬の夜を柔らかな光と優しい味わいで包み込むお粥は、寝る前のひと時にぴったりだ。

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