『部屋とトランペットと私』

1998年にハイスタンダードが主催したAIR JAM。
この年のラインナップが一番AIR JAMらしい、と思う方も
多いのではないだろうか。

メロコア、ミクスチャー、ハードコアetc,,,

そのラインナップの中にスカコアなるジャンルの管楽器の音色が印象的なバンドを見つける。

その名は スキャフルキング

当時ベースをかじっていた(お腹が空いた訳ではない)僕は
楽器を扱う事への抵抗はなかった。

スキャフルキングの 
The simple anger は
特徴的なトランペットのイントロから始まる今でも大好きな曲。

何故か(このイントロを吹いてみたい)と思い立ち、その足で向かった楽器屋で初心者用のトランペットを購入。実家近くの犀川沿いで練習開始する。

トランペットは不思議な楽器で、ピアノのドレミと半音ずれている。
ピアノのドが、トランペットのド♯だったと記憶する。

楽譜が読めないので、耳コピした単音を僕にしか理解できないオリジナルの楽譜におこして。

「パッパラーパーパーパーパーパ、パッパラーパー、パッパラ♬」
このイントロが吹けた時は相当嬉しかった。

その後友達から定価30万円するヤマハ製の銀色のトランペットを格安で譲ってもらえた。

自己満で始めたトランペットでバンドに参加する機会にも恵まれた。

当時、服飾の専門学校に通っていた僕は卒業ファッションショーの前日に
スカのバンドでライブを決行。オイスカルメイツのコピーをしたそのバンドではメンバー全員スーツでビシッと決めた。

とにかく楽しいライブ、いい思い出だ。

しかし、そのライブ以降トランペットを吹く機会がなくなった僕は、
従姉妹の姪っ子が吹奏楽部に入るという事でそのトランペットをプレゼントする。大事に使ってもらえるなら楽器も本望だろう。

あれから数十年経ち

僕は思わぬ形で、銀色のトランペットと再会する事になる。


「この度購入させて頂きました。
短い間ですが、宜しくお願い致します(猛爆)」


おしまい


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