見出し画像

打ち合わせに行く

この秋に予定している父の写真展の打ち合わせに来たのだが、先方を待つことになって、会場に併設のカフェに入った。

父は相手とのコミュニケーションが不安だと言った。

父は耳が遠い。歳を考えると相応のような気もするけど、一緒に暮らす母は苦労をしているみたいで、安全のことも考えて、補聴器をしたほうがいいんじゃないかと思っていた。でも、それを薦めるのは気まずかった。

そこへ来て、父の口から、じつは補聴器を試してみたんだと聞いた。

ちょっと驚きだった。年よりは若いのに年寄りぶっているけどそういう物には頼りたがらない(ややこしい)性格の人だと思っていた。

結果として、補聴器は合わないと自分で判断したそうだ。特定の音域だけが聞きづらいのだから云々。

「一緒に来てもらって助かる」と言われた。

年寄りぶっていもなかった。

そんなことを話したり、僕のカメラで遊んだりして、時間を潰した。

ふいに、「いい匂いがしてきた」と父が言った。

それから2,3分くらいして、コーヒーが運ばれてきた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?