よかれとおもってやったのに

つい先日、ウチの会社の脚立が立ててあるところに

黒いなにかが置いてあった。


たまに業者さんが、事務所が分からず、納品できずに適当に置いていく時がある。

正直言って

そんなわけないやろ!!!何勝手に置いてってんねん!!!

と思う。近頃の若いもんはと思う。


いや、そんなんはどうでもいい。

脚立の黒いぶつを工場内に入れようとしてよく見たら鳥だった。

あれはまぎれもない、カラスの子供。

最初は天に召されてしまっていると思い、

後輩を呼んだ。私は鳥が怖い。


飼いならされている鳥は大丈夫なのだが

自然の鳥は怖い。

何食ってるかわかんないし。うん。


あとはとにかくいい思い出がない。


それが一番嫌いな理由。


子供のころにひいじいちゃんちにいたオウムのおーちゃんがとてもよくしゃべる子で

親戚で集まった際、みんなで何度も言葉を覚えさせる挑戦していたが

ある時、こんにちわを教えているのに

馬鹿たれしか言わなくなった。他の人が挑戦するとうまくできるのに

ウチがしゃべりかけると、馬鹿たれしかいわない。

周りの大人が馬鹿にしてきた。

その時、こころに黒色が混ざった気がした。


あとは小学生の頃、通学中に完全にうんちをひっかけられた。

黄色い帽子も、ランドセルも糞まみれとなりみんなに笑われた。

うん子と呼ばれるようになったきっかけだ。

この時もこころに黒色が混ざり、徐々に廃れてしまった気がする。


誰も悪くない。全部鳥が悪い。ムカつく。笑


話は脱線してしまったが

後輩が慌ててきてくれた。

脚立の上の子ガラスを見て


「俺も鳥は無理だよぉ」と逃げた。


うそばっかり。


あんた文鳥飼ってるじゃない。

チチとキキ。


あとこの前電信柱にぶつかって目の前ですずめしんじゃったんだけどって

いったらすぐ来てくれて一緒に埋葬してくれたじゃない。

あの時の優しかった君はいずこへ。



はぁ~あ。また鳥と二人で取り残された。

よく見るとまばたきをしていた。


カラスの漢字は鳥の線が一本無いが

あれは昔、カラスが黒過ぎて

近くで見た事ない昔の人があいつらは目が無いんだと

思ってから一本少ないらしい。


へぇとおもったらスキしてね。


そんなんはどうでもいい。

こいつは生きている。めちゃくちゃ生きていた。



すると、木の上からカラスの鳴き声。

多分親ガラスだろう。探しているのかずっと鳴いていた。


さすがの私もしびれをきかし、

昔の苦い過去を振り切り段ボールを持ってきて中に

いれてあげようと決意。

においがついたら親ガラスが迎えに来てくれないかもと思い

手袋をはめて、そっと移してあげた。

少しだけ鳥を好きになった気がした。


移してあげて、親ガラスの止まっている木の幹においてあげた。


もうこうなるとこちらも感情移入して、

親ガラスに向かって


「おい!ここ!ここにおるてま!はよ迎えに来たってくれや!おーい!」


と叫んだ。


離れてみて、様子をうかがっていると

親ガラスがぐるぐる空を飛びまわっていた。

まだ探していた。今度は離れたまま、様子を伺っていたら

ものすごい風のあとに、後頭部に鈍痛が。


間違いない。親ガラスに襲撃された。

こんなにいい事をしてあげたのに。何故。


その後あのカラス親子がどうなったのかは知らない。

ただ一つ言えることは



私はやっぱり鳥が嫌いだ。







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