弟という名のぽぽちゃん的な人形だとおもってた

私には9個下の弟がいて

ママはとっても偉大な人なので

急に弟ができると宣告してきた。



9歳ではあったが、子供が出来る仕組みは理解していた。

そして、うちにはパパがいない、、、、、

おもしき彼氏的な人もいないはずだったんだけど。。。



は?どういうこと?


真剣に頭にはてなマークが浮かんでいた。

嘘じゃない。鏡にはてなマーク映ってた。


何度振り返ってもママは破天荒な奴だ。


そんなこんなでうちに弟がくるみたいだ。



急に愛媛からばあばがやってきた。

ばあばは何も言わず飯を作ってくれた。夜ひとりでさみしかったので

ばあばはありがてえ存在だった。

てゆうか出産ギリギリまで夜の店に出勤してたママえぐいな。


ある夏の日、習字の先生から

まおちゃんはよおうち帰り!赤ちゃん生まれたみたい!

と言われ、おおそうか。と思いながら帰った。

全く実感が湧かずにちゃりで家に帰ったのを覚えている。

ばあばと身支度を済ませ病院に向かうと

すぴすぴ寝ているちびっことママがいた。


ママ頑張ったよ~と看護士さんに言われ

おぉそおかと近づいてみる。


ママに痛かった?と聞くと

産むのはぽんと出たけんよかったけど

おまたを縫われるのが死ぬほど痛かった。と

今はなさなあかんか?みたいな会話の内容の話を永遠し続けた。


面会の時間はあっという間に過ぎ、

ほな、またくるわ!とママと別れた。


帰り道ばあばに

ちっこかったな。と言うと

ほんまやな。と少し戸惑った顔をしていた。

あんま嬉しくなさそうやな。と感じた理由を

今となっては分かった気がする。


ママが退院してちびっこと一緒に帰ってきた。

名前はどうする?と前から話をしていて


優太にしたいねん。と言ってていたのでええやん。と

話していた。

帰ってきた時、おい優太君~~と呼んでいたら


あ~優太やめたんや。



てるまさにした。と告げられた。



いやそない大幅なシフトチェンジある????



やっぱり破天荒だ。


てるはあまり泣かずにおとなしいやつで

哺乳瓶をくわえさせとけばとりあえずご機嫌。

枕で支えられながらミルクを一人で飲んでてもご機嫌だった。


ばあばも帰ってしまい、ママも仕事に復帰した時、

てると二人きりで夜いることになった。

夜中ミルクを与え、おむつを替え、

もはやチ―ママと呼ばれていた。


たまにめんどくさくて泣いててもおむつをかえず

放置したらてるのおしりがかぶれた。

あ~かえなきゃだめか~~とわけわからん悲痛な思いをしたこともあった。


そんな感じで、人間なんだけど、おもちゃのような扱いを受けながら

てるはどんどんおっきくなってくれた。


ママが保育園の迎えが無理な時は

てるをちゃりんこのかごに詰めて家まで帰ってきた。

警察に見つかると

てる!はしれ~!!といってかごから降ろし

ごめんなさ~い!と警察に謝りながら笑い合って帰った。

私が友達と遊ぶときはいつもてるを連れて

前のかごにてるをつめて遊びに行っていた。


いまでも兄弟でその時の話をするけど、

むっちゃわろたよな~とかいつも話が尽きることが無い。


そんなてるが来年就職する。

試験当日はドキドキしながら

結果発表を聞いた時は不覚にも泣いたw


あのてるが。。。

前のかごに乗せて公園で遊んでたてるが

ジャスコで迷子になっていつも迷子の放送で発見してたてるが

保育園の帰りみち、お菓子かって帰りながら

もぐもぐたべてたあのてるが

公園行ってくるといって迷子になったてるが

近所のおばちゃんに保護されて

道端でクソしてたから声かけたらてるやった、、、

と報告を受けたあのてるが


もう就職か、、、、

感慨深い。



今は離れて生活してるけど、

ねぇちゃんはいつでもてるの味方ですよ。

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