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初めてひとりで病院に行ったらちゃんと病気だった

なんとかオンラインで大学一年の前期を修了した
単位が取れているかはまだわからないが、課題は出し終わったので一段落だ

1か月半ほどある夏休み
『人生の夏休み』と言われる大学生活のリアル夏休みなんて楽しむしかない
しかも3年からは就活が始まるため、実質二年で全部やる必要があるな

しかし、今年は友人と予定を立てることも難しい状況である
両親と相談し車で地元に1週間ほど帰省することにした
それ以外の予定はサークルの納会と合宿、残りはアルバイト

まあ何も決めずにその日暮らしでダラダラ過ごすのも夏らしくていいだろう
海に囲まれ気温差が緩やかな地元から、全国的に見ても圧倒的に夏暑くて冬寒い群馬県にやってきた私は、とりあえずめっちゃ麦茶を飲むことだけを考えて、突然始まった灼熱の夏を一日ずつ乗り切っていた


雨雲レーダーを見るかぎり出勤退勤でちょうど雨が降りそうだったため、徒歩でアルバイトに向かった
まだ始めて1か月なので新人として扱ってもらえているが、バイトが終わるたび「働きたくないな」と思う

その日は19:00からまだほとんどお話したことがない先輩たちとのサークルの納会に参加するため、17:00終わりのバイト中もソワソワしていた
雨は降っていなかったから自転車にすればよかったと思いながらちょい早歩きで帰った
マイボトルに入れた水だしパックの麦茶をがぶ飲みしながら帰った
道中、なんだか胸というか喉というかそこら辺一帯に痛みを覚えた
飲み物を飲むと痛い。なんだろう。息を吸い込むのもちょっと痛いか。

とりあえず急いで帰った
家について靴を脱いだら足がもつれて廊下でこけた
靴を脱いだ瞬間だったため、うまく足が出ずにそのまま床に「バチンッ」と倒れた
めっちゃ痛い。絶対あざできた。
いかん、納会の集合まであと10分ない
バイト用のメイクでは物足りんからアイシャドウとリップは塗ろう

なんとか間に合った
なぜか新入生が私ひとりだったため、先輩からめちゃくちゃ話しかけてもらった
お酒を強要されることもなく、みなさん優しく接してくれた
楽しかったし二次会も行った
二次会のトイレで鏡を見て眉毛を描いていないことに気づいた
いまさらすぎるからもういいや
終始こけてぶつけたところが痛かった

明日もバイトなのでそこで家に帰った
寝る前もあざと胸と喉が痛い


お盆なのでお客さんは多かったが店長が2時間早く上がらせてくれた
私は早く上がらせてもらえるときは給料を気にせずお言葉に甘えてすぐに上がる
これはラッキーと思いそのまま自転車で最寄りの病院へ向かう
こっちに引っ越してきて初めての病院、緊張した

受付を済ませ、NHKでFoorinがなにかをしゃべっているのを映像だけ見ていた
問診票に直前の食事を書く欄があった
バイトの店長が賄いに麻婆茄子を作ってくれており、いらないとは言えないやつだったので食べた。おいしかった
そこで気づいたが、喉が痛いってこれ口あけて見せなあかんやつちゃいますのん?麻婆茄子食べてもうてますけど?と思いつつ待った
そういえば財布に1000円しか入ってないけど大丈夫かなと思いながら待つ

呼ばれた
入るとタメ口でしゃべる先生 なんか心配
「なんか喉から胸のあたりが…そうですね…我慢はできるんですけど…早めにみてもらった方がいいかなと思って…」
とかなんとか曖昧なことをいっていたら喉を見られることもなくCTを撮ることになった
人生初CTでめちゃくちゃビビった
あと絶対お金足りないじゃんと思って恥ずかしかった

「これCT撮って健康体でお金足りなかったらめちゃくちゃはずいぞ」と思いつつさっきの先生の所へCTの結果を聞きに行った


『縦隔気腫』という病気だった
「病気かい!」と思った
聞いたことのない名前だし、これまでインフルエンザ以上の病気になったことがない私はビビっていた
先生も思ったより病気だしこの子一人暮らしだしといろいろ助言をくれた
来週もうちょい大きい病院でまたみてもらう

治療法はとにかく安静にするしかないらしい
「バイトは休んだ方がいいですかね」と聞くと食い気味で「ダメ、休んで。必要なら診断書出すよ」と言ってくれてかっこよかった
「自転車はどうですかね」と聞くと「生活手段だからいいけど絶対に転ばないで、ぶつからないで」と言われてなんかめっちゃ怖かった
病院慣れしていない私に招待状を出すタイミングやら病院のつくりやらを丁寧に教えてくれたいい先生だった

診察室から出て、絶対に足りない会計を待つ
その間に家族とバイトの店長へLINE
家族は自分の手を離れひとりで暮らす娘の病に驚き心配でたまらないようだった
患った本人である私は自分でも驚くほど飄々としていた
病院に来て、病名がわかったのはいいが、いま足りないお会計の順番を待っていることの方がしんどかった
店長も心配してくれた
いきなりバイトがなくなったのは私としても痛い
働かなくていいのはうれしいが、来月のお給料が少々の少になってしまう
いつ復帰できるかもわからない

お金は私を悩ませるなぁ
健康が一番の節約であることを知った


結局お会計は全然足りなかったので自転車で家にお金を取りに帰った
近くの薬局でロキソニンをもらって帰ってきた

突然明日からバイトがなくなり、激しい動きや重いものを持つことが禁止になった

夜はなんだか痛くて眠れなかった
安静にするしかないとなるとどうしようもなくってつらい
ロキソニンも効いている気がしないし、あざもまだまだ痛い

固形物を食べるのも痛いので眠れないまま朝早く起きておかゆ製作に取り掛かる
案外おいしくできるもんだ
でも毎日おかゆは病人っぽすぎて自分で自分が心配になるな
アイスはおいしく食べられる

活動して疲れたからか、7時から14時まで寝ていた
夜は不安になるから眠れないのかな

次の日は若干夜眠れた
することがないからお昼も寝た

また次の日は普通に夜寝られた
積読を消化したいけれど家だとなかなか本を読めなくなっている
それを直すいい機会でもあるか


まだ直っていないし招待状書いてもらったからにはそれまで病状を維持したいという謎のプライドが芽生えているが、何をすべきかわからない毎日が来てしまった
友達や家族が心配してくれるのはちやほやされてる感じで嬉しいけど、気軽にごはんや買い物に誘添えないのはもどかしいな
たぶん誰も誘わないんだけど


笑うのも痛いけど痛みより笑たい欲が勝ることもわかった

病気になってわかることもあるもんだ
自分がいつ病気になって行動を制限せざるをえなくなるかはわからないから、行きたい場所には早めに行って、食べたいものは早めに食べて、会いたい人には早めに会う

これに尽きるな~


明日こそ本を読もう

大切に使います。