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6 ようこそ赤城村へ

クーとカズー、トニー、赤木は森の木に引っかかっていた。
 
「ほら、アカギの加護かごがあっただろう」
「たしかにそうだけどぉ…」
拙者せっしゃ、目が回りそうろう…」
 
不思議なことに傷ひとつ負っていない。
だが、アカギは放心状態だ。
 
竜巻たつまき…?台風…?ハリケーン……?」
 
ぶつぶつと何かを呟きながら虚空こくうを見つめている。
 
「まぁ無事だったからいいじゃないか!…ん?」
 
ふとクーが顔を上げると大きな鳥居が目のまえにそびえ立っていた。
その鳥居にはしめ縄がかかっている。
 
「…なるほど。これが結界のような役目を果たしていたか。」
「うん、赤城村がひとつのコロニーになってたんだね」
 
クーとカズーが話す後ろでトニーがひと飛びして地面に降りる。
そこにクーが縄をわたし、するすると降りていった。
ひぃひぃ言いながら赤木も降りる。
何故かカズーはいつの間にか車椅子くるまいすごと地面にいた。
 
「毎回こんな感じで来るんですか…?」
 
げんなり、という様子で赤木が尋ねる。
 
「いや、一回行ったところなら何回かはナワバリが使える」
「ナワバリ?」
「縄を張ると自分の敷地だという認識になり、テレポートできるんだ」
「ただし、2,3回で切れちゃいますけどね」
 
カズーが早速さっそくという様子で縄を鳥居に巻き付ける。
 
「コトナリというのは便利なものほどリスクや回数の制限がある」
「なるほど…」
「くーさん準備終わったよー」
 
カズーが作業していた手を上げる。
よく見ると鳥居の脇に枝を刺して縄を張っていた。
 
「と…とりあえず、ようこそ赤城村へ」
「お邪魔じゃまするよ」
「お邪魔じゃましまーす」
 
 
 
 
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イラスト:https://twitter.com/ano_ko

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