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2015年4月の記事一覧
とある落語愛好家の一日
瞳は目を覚ました。これは永遠の休暇の始まりだろうか。枕もとの赤い目覚まし時計に視線を向ける。その刹那、短針がローマ数字Ⅶを指す。けたたましいベルの音が家中に鳴り響く...と思われたが、瞳の腕は自由形の水泳選手がプールの壁面にタッチするようななめらかな動きで上部中央のボタンを押し込み、両脇に鎮座する猫の耳に似た銀鐘の振動をたった1度しか許さない。
「じゅげむじゅげむごこうのすりきれ...」
瞳は目を覚ました。これは永遠の休暇の始まりだろうか。枕もとの赤い目覚まし時計に視線を向ける。その刹那、短針がローマ数字Ⅶを指す。けたたましいベルの音が家中に鳴り響く...と思われたが、瞳の腕は自由形の水泳選手がプールの壁面にタッチするようななめらかな動きで上部中央のボタンを押し込み、両脇に鎮座する猫の耳に似た銀鐘の振動をたった1度しか許さない。
「じゅげむじゅげむごこうのすりきれ...」