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いつの間にか逞しくなった、教え子の話

いつまでも頼りなくて
手取り足取りしないと動かない

親もそうだが教師から見た学生もそうなのだ

受験勉強 やらない学生 あせる教師

本日は国家試験の模擬試験
最終学年は3月に国家試験を控え
10月から月に一度模擬試験を受けている

大学共通テストを受けているはずなのに
受験勉強がおぼつかないのか
なかなか合格点に満たない

確実に国家試験を合格してほしい
「受かるのも受からないのも関係ないじゃん」

んなわけあるか!!
こっちは君たちの合格率で
業績が決まるんだよ…
頼むよ

受験当日に代われるなら
交代したい
特に成績わるい子たち(切実)

学生にとっては知らぬ話だか
本当にヤキモキする

学生のジシュセイを重んじる

受験期だっていうのに
「実習もしたい!」と言い出す始末

クリーニングの練習は大事だし
学生の自主性を重んじるのは
教育のカナメ

自主性を尊重して実習を許可するけど
いろいろ準備しないといけない

料理もそうだか
作るまでが本番な所ある

献立決めて、買い物して
作る流れをイメージして

同じことが実習準備でもある

メニューきめて、材料の在庫確認して
滅菌して…

ジシュセイヲオモンジルのはいいけど
教員の体力は重んじないのよねぇ

上司はこちらに投げて終わり
「言ってくれればやるのにぃ」
はいはい常套句常套句

本気にしてお願いすれば
向こう半年くらいケチつけられる
その位の建前はわかってる

いつの間にか終わってた準備

だるいわぁ…
でも学生のために早起きしちゃうあたり

なんだかんだ愛情はあるのよね
仕事というより世話

早朝の実習室
さーて滅菌器に機材を入れて…

あれ
終わってる

「あ!先生、私たちでできました!」

可愛らしい声が飛んできた

えぇ…!?
できたの、できたの!?

「こっちは乾燥なしですよね、できました」

そんな細かなオーダーもできるの…!?

可愛い学生たちを凝視してしまう
いや、準備できてから可愛いわけじゃなくて
できなくても可愛いのよ

何もできなかった
何もわからなかった子達が

いつの間にか先生と同じこと
できるようになってのね…

ありがとう、助かったわ

思えば最終学年だもんね
もう3月で卒業だもんね

ゼミ生もちゃんと育った

大学だから卒業研究がある

まーぁ、何話しても
分かったのか分かってないのか…

研究デザインも結果の分析も
全部こちらがやった

いや、それは学生が悪いんじゃなくて
前段階で教育されてない
だから分析の意味とかわかってない
(でも模擬試験には分析方法出てる)

教育されてないのに無理は言わない
それはただの理不尽

でも「研究」をするならば
せめて
結果から何かを導いて欲しい

そう思ってちょっとした考察は任せた
発表スライドも
好きなように作ってもらった

1ヶ月経っても音沙汰なし
「まだ出来てなくて…」
申し訳なさそうな学生にガックリきた

ああ、結局
スライドのデザインもこっちか

そう思って途中経過を見せてもらったら

…ん?

んん…?

このまま発表に出しても
文句ない出来栄えだ

どこがまだなのよ!?
しっかり出来上がってるじゃん!


あぁ、教師として未熟
この学生は理想が高かったのを忘れてた

こちらは70点でいいのに
150点を目指してくるタイプだった

こちらの指摘もちゃんと把握してる
なんだ、こんなにできる学生だったんだ

私の教え方の問題じゃない
この子はちゃんと1人で成長してた

こういう
成功体験によりそえるのは
教師の最高の贅沢だと思う

だから教師ってやめられないんだよな

改めて学生の逞しさと
教育の楽しさを感じた1日だった

読んでいただきありがとうございました
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