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八十日間世界一周 (前編、後編) 

八十日間世界一周  前編・後編 1878(明治11)、1880(明治13)
*原作:ジュール・ヴェルヌ
川島忠之助かわしまちゅうのすけ 1853〜1938 

秀選名著復刻全集 近代文学館

川島忠之助 25歳、自費出版。

日本ではじめてのフランス文学翻訳者。
ジュール・ヴェルヌの「八十日間世界一周」。
ほかに「十五少年漂流記」など。

ちなみに村上春樹が小学生の頃、ヴェルヌの本に夢中になっていたそうです。

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この本を初めてみたとき、とてもセンスがいいと感じました。
外見だけではなく、紙質が上質で字体もデザインもどことなく上品。

表紙の色はさわやかなブルーグリーン。
しかも前篇が濃いめ、後篇のほうは少し薄め。少しずれた色合いなので並べるとますます素敵。インテリアとして飾っておきたくなるくらい。


川島忠之助は文壇に属していないサラリーパーソン。

15歳で横須賀にいき、フランス人のもとで働きフランス語を修得、造船や機械の試験にも合格。学歴はここで終わる。その後は通訳、商社、銀行員(横浜正金)。30歳から13年におよぶフランス・リヨンでの海外駐在、晩年は読書三昧だったそうです。

努力+フランス語+運の良さ+時代に乗る

これらが重なると最強だと思う。もしドラマがあったら是非みてみたい。

パラフィン紙をつけた状態(左)、はずした状態(右)
最近、旅行をしていないので読みたくなってきました。