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第11回 長門守木村重成の最期

前回、。(まる)のイラストはまさかの猫が登場(⊙ω⊙)
この猫、噺の中では大きく転じた物語をさらに加速させる役割を担っています。具体的には、主人公への悪戯心で首吊りの死体に息を吹きかけ、死体に喋らせているのです!
幻想的で可愛らしい猫が表現されている様に思いました(^^)よく目にする猫とは異なる。の猫、みなさんはどの様に感じましたか?

次回の。(まる)のイラストは、17日(木)に公開予定です。

さて、今回は初めて講談をテーマで扱うことにしました。

今節、講談と言えば、神田伯山先生ですよね♪
僕も伯山先生がきっかけで講談を聴く機会が増えました。そして、伯山先生の他にも沢山の素敵な講釈師に出会うことができました。

今回の伝言ゲームのテーマは、そんな素敵な講釈師の一人である田辺いちかさんの演じた「長門守木村重成の最期」です。

落語同様、楽しんでもらえると嬉しいです(^^)

○落語会
ワンコイン寄席
会場:連雀亭

前々回は、ふう丈さんに会場全体が沸き立つ笑いを経験させてもらいました。
前回は、小太郎さんに楽しいながらも落語を聴いた充実感を経験させてもらいました。
今回は…

○演者、演目
三遊亭ふう丈 ターミネーター初天神(新作落語)
柳家小太郎 夢八
田辺いちか 長門守木村重成の最期

いちかさんは、昨年、二ツ目に昇進したばかりの女流講釈師さんです。伯山先生とは異なる魅力に溢れる講釈師さんです。

凛とした佇まい、女性らしい柔らかさ、女性らしい勇ましさを備えたとっても素敵な講釈師さんです。

女性らしい勇ましさ???

子を守る母親のように、女性が何かを守るために発揮する気概と力強さを美しく猛々しいと感じるのは僕が女々しいからでしょうか。笑

○ゲームのテーマとした演目
田辺いちか 長門守木村重成の最期

概要
舞台は徳川幕府成立後の大坂城内外。
大坂冬の陣の頃に出会い結ばれた若い夫婦が、大坂夏の陣でこの世の人でなくなるまでの物語。

大坂夏の陣、死を決意した夫重成を送り出す妻青柳は、夫の身支度を整える。しかし、最後に被る兜だけは奥にあると言って、取りに下がったまま出てこない。重成が奥へ様子を見に行くと青柳は自害した後であり、傍らに秀吉から拝領した名香が焚き染められた兜があった。

重成はこの兜を被ったまま戦いに臨み、首だけの姿になって家康の前に…。家康は首から兜をとって、その香りに重成の覚悟を知ることになる。

いちかさんの説明では、この物語は江戸時代に作られ江戸時代の人に盛況だったとのことです。

つまり、物語が史実か否かはともかく、江戸時代の人々が好きだったであろう物語ということになります。

時代の異なる何人かの講釈師と多くの演芸会の観客を経て、僕は今回の落語会でいちかさんからこの物語を聴いたことになります。

昭和に生まれ育ち、平成で糧を得るようになり、令和でこの物語を聴いた僕は青柳と重成の覚悟に心が動きました。

江戸時代の人々、明治の人々、大正の人々、大戦を経験している人々、大戦の残り香を嗅いだ人々、大戦を教科書の中の出来事と思っている人々、10代からスマホを扱ってきた人々…それぞれの感じ方、思いに興味を惹かれます。

そして、いちかさんがこの物語に込めた思いに最も惹かれます。

一つの物語から、時代の異なった多くの人々の思いに興味を持たせてくれるいちかさんの高座。
これからも楽しみです(^^)🎶
(12/14現在、長門守を聴いてから、いちかさんの二つの高座に出会えました。←行き過ぎだろ!笑)



ふう丈さんの大盛況の舞台で始まった落語会、小太郎さんの笑わせ聴かせる落語の後、いちかさんの時代や人々の思いに触れたくなる講談でお時間となりました。

時間にすると1時間内外、金額で500円。
興味を持たれ、時間の都合がついた方は是非神田連雀亭を訪れてみて下さい。

○まとめ
・時代とそれぞれの時代を生きた人々の思いに興味惹かれた。
・青柳と重成の覚悟に心が動いた。

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