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インタビューと絵と話 vol.4 黄金チゴハヤブサさん&ルイス・ハミルトンさん

絵と文章のユニットtentenによる、気になる人に決まったアンケートを取り、出てきたキーワードを元に作り出す「インタビューと絵と話」です。第4回目は黄金チゴハヤブサさん&ルイス・ハミルトンさんです。最初に話と絵があり、最後にインタビューがあります。どうぞお楽しみください。

▷インタビューは毎回同じ10の質問と、その人に聞きたい質問をtentenのメンバーtomomi takashioと石井真秀子がそれぞれ一つずつ追加で質問しています。◁



「黄金チゴハヤブサとルイス・ハミルトンの話」

その日の試合は、想像以上に盛り上がった。兄と弟が戦うと聞いてそれぞれの、または両方のファンが全世界から集まった。中継もされていて、その姿は全宇宙にも放映された。

この格闘技は、殴ったり蹴ったりするものの、いかに華麗に避けるかということに重点が置かれる格闘技だ。だから結局は殴ったり蹴ったりをお互いにしないといけないのだが、当てると当てたほうが即試合終了で負けになってしまうので、相手が絶対に避けられるスピードで手足を出さなければいけない。でも、手加減すると全く面白くない試合になり、観客席からブーイングの嵐が飛んで来る。なので、絶妙なスピード感でパンチを繰り出し、キックをお見舞いし、それに対して、クルクル回り、ビュンッと飛び上がり、身体を美しく外らせたかと思えば、バク転バク宙をしてヒラヒラと舞いながら避ける。そんなある意味ではダンスのような格闘技だった。いろんな惑星の生命体がそれぞれの星を行き来するようになってから出来た格闘技だ。どんな姿形でも試合になるこの格闘技に全惑星が夢中になった。

vol.4.テレビ観戦

黄金チゴハヤブサとルイス・ハミルトンはこの格闘技の地球の花形選手だった。二人は地球生まれの兄弟だった。二人はこの格闘技が大好きで、小さい頃から二人で踊るようにこの格闘技をやった。二人はとても上手でパンチもキックもめったに当たらないから、大きな怪我もなく、ずっと遊ぶように練習した。そして大人になり二人ともこの格闘技の選手になったのだった。

この日はそんな二人の久しぶりの兄弟対決だった。いつもは全く違う星の生命体と戦うことが多い。いろんな星の観客がいるのでその方が盛り上がるのだ。でも、同じ地球人で戦うのはまた別の面白さがある。地球を代表する二人。しかも、二人はお互いの手の内をよく知っているわけだから、それはもう面白い試合になるに決まっていた。

しかも、この日はマイク付きだった。二人の選手はそれぞれマイクを付けていて、会話しながら戦うのだ。これは同じ惑星の選手の時にのみ付けられるスペシャルオプションだった。字で彼らの試合を表現するのは少々無理があるので、ここでは会話のみ、面白いところだけお届けしよう。華麗なパンチやキックを繰り出し、それをまた華麗に避けている彼らを想像しながら読んでもらいたい。

「この前さ、あいつに会ったよ。幼稚園で一緒だった、あいつ。」

「あいつか?この前大統領になったやつだろ。俺も会ったよ。」

「え?どこで?」

「南極のリトル・アメリカで。」

「え?何しに行ったの?」


(ここでかなり激しい見せ場があり5分ほど会話が停止する。)


vol.4.リトルアメリカ

「なんの話ししてたっけ?」

「リトル・アメリカの話。」

「そうそう、俺、昔さ、ペンギンの研究しに行ってたじゃん。その時に出来た友達に会いに行ったら、たまたまあいつがいたんだよ。お前によろしくって言ってたよ。」

「俺はその後に会ったんだな。よろしく言われる前に。」

「お前、どこで会ったの?」

「山形で。温泉入りに行ったらたまたま会ったの。」

「あいつ、どこにでもいるな。」

「だな。」

「っていうか、客席にいたぞ。」

「マジか。」

「南スタンドの方に。」

「マジだ。」

「ちょっとサービスしてやるか?」

「ちょっとだけな。」

(この後、南スタンドに場外乱闘に入り、“あいつ”を取り囲み物凄い試合の見せ場を作る。)

「あいつ、大笑いしてたな。幼稚園の頃から変わんないな。」

「変わんないな。いつもびびってる時に大笑いするんだよな。可愛いやつだな。」

「ところで、この前釣った魚、あれ美味しかったな。」

「あれは美味かった。」

「あの場所は穴場だな。まだこの世界に穴場なんてものが存在するのが奇跡だよ。」

「いや、穴場っていうのはちょっとずつ移動して、永遠に存在するんだ。今は見つけにくだけで、まだ穴場はあるはずだ。」

「そうか。そんなもんか。」

「そうだ。世界っていうのは、結局はそんなもんだよ。全部ちょっとずつ動いているんだ。気付かないだけだよ。」

「そんなもんか。」

「そんなもんだろ。腹減ってきたな。」

「腹減ってきた。本気出すか。」

「じゃあ、俺も本気出すか。」

「お前も出したら終わらないだろ。」

「しょうがないだろ。負けたくないし。」

ここからは超高速スピードの試合展開になり、59分間会話はなくなる。この日の試合は2時間36分行われ、最後はママンのご飯だよーの声で終了した。引き分けだった。最後のインタビューでは、お互いの栄誉を称えつつ、いつも通りF1レースの話で盛り上がった。


vol.4.ラスト



・ お名前を教えてください。
「黄金チゴハヤブサです。兄です。」

・大事な思い出はなんですか?
「初めてナナハヤブサに会った時。これがナナハヤブサかー!!ハヤブサを飼いたいと思った。」

・ 好きな時間帯は?
「寝る前のちょっと一人になる時。」

・好きな食べ物と嫌いな食べ物は?
「好きなのは、からあげとシラヌイ。シラヌイはデコポンみたいなの。嫌いなのは、チーズとマヨネーズ。」

・気になっている事は何ですか?
「戦艦大和のプラモデルの甲板のシールがちゃんと貼れるか気になってる。」

・印象に残っている人は?
「幼稚園の時、教室でうんちをしたお友達。」

・行ってみたい国や場所
「南極。ペンギンの活動を見たい。あと、水を振りまいて凍らせてみたい。」

・10年後何をしている?
「鳥の博士とF1ドライバー。」

・何も制限がなかったら何がしたい?
「欲しいものをたくさん買いたい。たとえば、超高性能ラジコン!」

・今会いたい人は?
「F1ドライバーのつのだゆうきさん。」

・点と点をつなぐと聞いて何を想像する?
「ラジコンの地味な練習をがんばったら、コースを走るのが上手になったので、その役に立った。つまり、つまらない練習もがんばれば、結果につながる。点と点がつながるって感じた。」

・ お互いについて気になっていることは?
「なんでルイス・ハミルトンは、僕が作ってる物を持って行くのか?なぜ真似るのか?」

・目の前に宇宙人が現れました!どんな宇宙人ですか?
「足が長くて、細長い目が3つあって、やせていて、口が青色で、体が緑色で、髪の毛がなくて、腕がめちゃ短くて、目からレーザービームが出る。ヘソが真っ黒。服着てない裸。」



・ お名前を教えてください。
「ルイス・ハミルトンです。弟です。」

・大事な思い出はなんですか?
「スーパーGT。とっても速かったから。」

・ 好きな時間帯は?
「ご飯の時間!」

・好きな食べ物と嫌いな食べ物は?
「好きなのは、ラーメン、うどん、そば。嫌いなのは、ケチャップとマヨネーズ。」

・気になっている事は何ですか?
「2021年のF1のチャンピオンは誰になるのか?F1のメルセデスベンツのミニカーはいくらか?」

・印象に残っている人は?
「ルイス・ハミルトン」

・行ってみたい国や場所
「イギリス、シルバーストーンサーキット。」

・10年後何をしている?
「F1ドライバー。」

・何も制限がなかったら何がしたい?
「F1のユーチューブをずっと見ていたい。」

・今会いたい人は?
「ルイス・ハミルトンとペレス」

・点と点をつなぐと聞いて何を想像する?
「うーん、分かんなーい!」

・ お互いについて気になっていることは?
「なんで黄金チゴハヤブサは、ずっと戦艦を見ているのか?好きなものをずっと動かないで見ているのか?」

・目の前に宇宙人が現れました!どんな宇宙人ですか?
「目が3こあって、1000mくらいある巨大な体。足が10本。歯がめちゃするどい。」


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