働くことについて3

 マネジメントとか、経営についての記事は面白くていつも読みふけってしまう。こういうのを読んでいると改めて、何かを成し遂げようと思った時に一番大事なことって「やり抜く」ことなんだろうなと思う。

アメリカ人はナイスガイなのではなくて、ナイスガイでなければいけない

なんていう話は、要するに「ナイスガイ」でいられなくなければドロップアウトみたいな話なんだろうと思っていて、Nice Guyで居続けるための努力が求められている空気があるんだと思う。7年前の記事なので今どうなっているかはわからないけど、まあおおよそ変わってないと思う。

この手の努力というのはとにかく70点を毎日毎日コツコツと積み上げることが大事で、一発で200点を叩き出せる特効薬とか抜け道みたいなものはまず存在しない。勝利の方程式みたいなものがあるとしたら、「まず、やれ!」に尽きる。

断言しますが、自らを鍛えるのは、あるいは成功に近づくのは、圧倒的に手数です

 ポーカーとか麻雀みたいなゲームと同じようなものだと思っていて、その場その場で確率的によりベターなものを「我慢して」選び続けられる人間が最終的な勝者になる。トレードもそう。圧倒的な手数と、それに飽きずに取り組み続けられるケイパビリティこそが絶対的に正しい。麻雀やポーカーと違って人生に明確な終わりはないので、続ければ続けるほど勝利の可能性は高くなっていく。
 この「成功の秘訣」はなかなか気付こうと思って気付けるものではないし、身に着けようと思って身に着けられる類のものでもない。事故、天災など運も左右するだろう。
 運良く気付き、生き延びた者は「成功」の称号を受け取ることができる。そして、蓄えた資本を元手にして次世代に成功のコツを伝授していく。この継承もまた簡単なことではないが、100通りの試行があれば10通りくらいは成功する。そうやって資本は積み重なっていき、この成功の秘訣を0歳で気付ける人間と30歳で気付ける人間との間に絶対的な差を生みだしていくのである。

 この圧倒的な事実は実に地味で、面白くない。気付いたところで容易に挽回できるものでもない。よって、一発逆転に夢を見るカイジとかアカギみたいなファンタジー漫画が人気になるし、リテラシーが低いと、まるで一発逆転こそが世の中の真理であると考えてしまいがちになる。そんなことが現実で起こりうるかというと、まずない。

 ちなみに、70点を出すコツは「装う」ことである。「ありのままの自分」でやろうとすると必ず失敗する。教科書に書かれているようなことを、たとえ「ありのままの自分」と相容れないとしても一言一句漏らさずやり続けることがコツになる。つまり、8時間の睡眠を摂り、5大栄養素を適度に摂取し、運動を欠かさないことである。そして、常に笑顔を振り撒き、他者を尊重し、自信に満ちていることである。可能であれば、社会貢献や(取り返しのつく程度の)失敗などの魅力的なストーリーを兼ね備えていると尚良い。

 書いていて恐ろしくなってくるが、成功の秘訣というのは多分こういうことなのだと思う。そして、本当に成功している人間は、これが秘訣であることはまず口にしない。「恐ろしい」などとも書かない。なぜならそれによって、パイの分け前が減ることを恐れているからである。

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