人間学を学ぶ月刊誌『致知』2024年6月号からの学び
『致知』6月号からの学び。
「希望は失望に終わらず」
佐治晴夫|理学博士 × 鈴木秀子|文学博士
・わたしたちの人生は、「いま、ここに」しかないんです。「自分が死ぬことを忘れるな」という対語として「今日の花を摘むように、今を生きなさい」という教えがあります。
・人生はすべて出会いによって決まると僕は思っているんです。ここで大事なのは、その出会いがよかったか悪かったかは、その時には分からないということです。だから、それぞれの出会いは大切にしていかなければならない。「この出会いはよさそうだから」とか、「これはあまりよくない」とか、自分の価値観で判断しないことです。出会いには偶然はなく、必ず何らかの意味がありますから。
・私たちは自然界のすべてを含めてお互いが独立した存在ではなく、それぞれが相互依存であることです。「ありがとう」「おかげさま」「おたがいさま」「ごめんなさい」。この4つのことばが現在の社会を救うキーワードになる。
・科学と宗教というプロジェクトに関わっていたときのこと。いろいろな宗教の教えの中から大切な部分をピックアップして因数分解すると、基本教義が同じようなところに集約されることが分かりました。ひと言で表現すると「慈悲(じひ)」ということばです。慈とは、人に安らぎを与えてあげられたらいいな、と心から願うこと。悲とは、人の苦しみや悲しみを和らげてあげたらいいなと、心から願うことです。これが、すべての宗教に通底している思想だと分かった。
・「あなたのこれからが、あなたのこれまでを決める」。「たとえ明日、世界が終わりになろうとも、私はきょう小さなりんごの木の苗を植えるだろう」。
・失望の中にいる時に大切なのは、小さくてもいいから目標を持って歩き続けること。そしてもう一つは、目の前の小さなできごとに目を向けて、それを深く味わうことですね。例えば、こうして息ができる。ものを見る目がある。夜眠るベッドがある。家族がいてくれる。命が与えられている。こういった一見あたりまえにも思えること。そこに人生の深い喜びを感じることは、希望につながる道を整えてくれるんです。
「大災害との闘い 我が社はこうして立ち直った」
佐々木孝寿|ヤマサコウショウ社長 × 上村晋一|阿蘇立野病院理事長
・私が被災体験を踏まえて常に心に刻んでおきたいと思うのが、禅の「平常心(びょうじょうしん)」ということばです。災害が来る可能性を常に自覚して、これにしっかり備えておくこと。その上で、当たり前に、目の前のやるべきことを一つひとつ積み重ねていく。例えば、能登半島の被災地のようすをニュースで見ても、すぐに現地の方々の立場になって、自分たちだったらどうすべきかと考えてみる。普段からそうした心の準備をしておくことが大事ではないかと思います。
・まさかと思うようなことが本当に起こることを、私たちは身をもって体験しました。私は「常在戦場(じょうざいせんじょう)」ということばが好きなんですが、被災後は特にこのことばを心に刻んで、まさかはあるんだと自分に言い聞かせながら日々活動しています。
「人生のハンドルを握り扉を開けられるのは自分だけ」中島伸子|井村屋グループ会長CEO
・今年の経営方針は「先義後利、そして備えよ常に!」なんです。社会のことを考えて義のある正しい道を優先して行う。すると利益は後からついてくると。
・井村屋マインド」という心得を毎年配り、全員が携行し確認できるようになっているのです。朝礼でこの心得に書かれている「期待する人財像」や「10action」に照らし、自分自身どのような人物になりたいか、いま実際に何をしているか、もしくは何をしてきたか、課題は何か、これから何をやりたいか、ということを皆の前で発表する。それをメンバーと共有し、意見をもらう機会を設けています。
・毎月1日には社長メッセージがあり、全社員に発信されます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?