スマホで撮った昆虫写真(iPhone6前編)
アイキャッチの写真は、自宅の庭のブットレアに飛来したアサギマダラです。カメラを持ち出す間に逃げてしまってはいけないので、とっさにポケットの中からスマホを取り出して撮影しました。
フィルムで写真を撮っている頃、小さな昆虫は一眼レフカメラにマクロレンズやマクロ機構付きのズームレンズを装着して撮影しないと、満足な大きさで写すことができませんでした。それがデジタルカメラの登場で、コンパクトデジタルカメラでも撮影することが可能になります。その大きな理由は、フィルムの代わりとなる撮像センサーが小さく、それに合わせて撮影レンズの光学系も小さくなって、近くにピントを合わせるためにレンズを繰り出すのが容易になったからだと思います。そして携帯電話にカメラが内蔵されるようになり、今やスマートフォンがあれば撮影から画像編集、SNSへのアップロードまで、一貫しておこなうことができるようになりました。
カメラ好きな私も気が付けば、ちょっとした記録にはカメラを取り出さず、スマホで済ませてしまうことがほとんどになりました。さらに、手元にカメラがない時は、積極的にスマホで撮影している自分がいます。気が付けば、スマホの中に昆虫の写真が溜まってきています。そこでそれらの写真を整理し、見直すことも兼ねて、これから何本かの記事にまとめてみようと思います。どうかお付き合いください。
前置きが長くなりました。まずはすでに引退した先代、iPhone6で撮影した昆虫写真から・・・。
確か高速道路のパーキングエリアで撮影したよな〜とスマホで確認すると、ちゃんと撮影場所のデータが残されています。関越自動車道の三芳PAでした。ちょっとした時に出会った昆虫をすぐに撮影できる。それがスマホの利点です。
ホテルの植え込みで羽化していたアブラゼミ。仕事終わりに見つけて、車までカメラを撮りに行く間に翅が伸び切ってしまうので、スマホでフラッシュ撮影。撮影時には気付きませんでしたが、セミの体の手前側が白飛びしてしまいました。フラッシュの光量が強すぎたのです。でもフラッシュ光量補正の方法がわからない・・・。
木陰にとまるエゾヨツメ。そのまま撮影すると逆光で暗くなってしまうので、フラッシュONで明るくなるように撮影しました。普通に右手にホームボタンが来るように横位置で構えると、LEDライトの位置がレンズの下になってしまうんですね。そのせいで前翅の上に影が出てしまいました。これではちょっと不自然。逆向きに構えるべきでした。
スマホでのフラッシュ撮影は、まだまだ研究の余地がありますね。普段の昆虫撮影ではフラッシュ使用率が結構高いのですが、スマホではフラッシュ撮影で綺麗に撮るのがまだ難しいことから、自然光撮影がほとんどになってしまいます。
幸い、スマホは暗い場所でもそれなりに撮れてしまいます。ピントも露出もタッチした場所で合わせてくれるので、あまり考えずに撮影しても失敗しにくいですね。木陰になっているクワガタ周辺の木肌にピントと露出を合わせると、背景の緑は明るく爽やかな印象になりました。
iPhone6のレンズは29mmf2.2とあります。これはレンズの実焦点距離ではなく、35mmフィルムサイズ換算の数値ですね。画角としては広角レンズ。背景が広く写り込むので、意外と背景処理に気を使います。このカブトムシはちょっと高い場所にいたので、腕を伸ばして下から撮影したのですが、背景の幹や葉をどう入れるか、結構悩みました。
ピッキオでは、時々野鳥の森を歩きながら、ガイドスタッフ同士のネタ共有会をしています。その時に小さな沢で見つけた羽化直後のヒメクロサナエ。背景が草むらになると、途端に背景の処理が難しくなります。カメラなら望遠レンズで撮影することで、写り込み範囲を狭くすると同時に大きくボカすことができるのですが、広角でピントが深いスマホでは、背景がごちゃごちゃして主題が浮かび上がらないのです。この時は、平面的な葉の上にとまっていたので、ごちゃごちゃさせずに撮影することができました(→後編につづく)。
最近、旅や仕事と関係のない記事ばかり上げていますので。