ピンクのバッタを追え!
夏休みが始まる少し前、小学生の息子が学校帰りに「ピンク色のバッタ」を捕まえてきました(写真上)。小型のバッタ「ヒナバッタ」です。本人曰く、ピンク色のバッタが何匹もいるという。ピンク色のバッタといえば、新聞の地域欄では青いアマガエルと並んで定番ネタです。それが何匹もいる?
「じゃぁ夏休みの自由研究のテーマにしたら」と言ったのですが、本人はあまり乗り気ではなく、結局、自由研究にはなりませんでした。
でも調べてはみたい、ということで「じゃぁ休みの日に一緒に行こう」となったのですが、雨だったり疲れて外に出る気にならなかったり、他に用事があったりで、結局秋になってしまいました。もうチャンスがない!と、先日ようやく現地に行くことにしましたよ。
と、言う訳で、捕虫網と虫かご、カメラ持って通学路の途中にある現地へと向かいました。カメラはNikon D3500 + TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 それにディフューザーはKenko影とりです。息子がバッタを探している間、一緒にバッタを探しながら、他に目についた昆虫も撮影してきたので載せときますね。
アブラムシに集まるクロオオアリが目に付いたので、内蔵フラッシュ&影とりで撮影しました。DXフォーマットのD3500だと、クロオオアリも十分な大きさで撮影できます。さすがタムキュー、背景のボケが綺麗です。
枯草色のイトトンボです。このまま冬を越し、来年の春に繁殖行動をおこないます。つまり「成虫越冬」をするトンボですね。日本で成虫越冬するトンボは3種類。軽井沢ではこのオツネントンボの他にホソミオツネントンボが生息しています。そして数年前にはホソミイトトンボも確認したのですが、その後は確認できていません。でも最近分布を広げているらしいので、近いうちに3種類とも、普通に見られるようになるのでしょうね。
翅に帯のような模様があるミヤマアカネがいました。オスは綺麗な赤い色になりますが、メスはあまり赤くなりません。日本では翅に模様があるトンボは少ないので、見つけるとうれしくなって、つい写真を撮ってしまいます。
身近によく見られる小さなシジミチョウです。後翅の尾状突起と、その付け根にある黒とオレンジ色の模様が特徴的です。シジミチョウの仲間に多いこの突起と模様は、触角と複眼を模していると考えられています。天敵である小鳥やトカゲなどが、後翅の後端を頭と思ってくわえると、翅がちぎれてチョウは逃げることができるのです。天敵がどのくらいの率で間違えるのか分かりませんが、翅の一部が切り取られたように破れたチョウはよく見られますから、一定以上の効果はあるのでしょう。
上の写真3枚は、フラッシュ無しの自然光撮影です。データを見直すと絞りはF8なのですが、Nikonは実効絞り表示なのでどうも感覚が掴めない。マクロレンズは撮影倍率が高くなるにつれて露出倍数がかかって暗くなるのですが、Nikonではその実際の明るさを表示します。単体露出系やフラッシュのガイドナンバーから露出を決定するのには都合が良いのでしょう(たぶん)。が、昔のカメラは絞りリングに絞り値が刻印され、絞り開放から何段絞ったかで被写界深度を調整していました。そして他社のカメラは今でも、レンズの絞り表示をそのまま表示しているので、昔の感覚のまま使用できます。Nikonのカメラでマクロ撮影する時の作法みたいなものなのですが、まだこれに慣れないのです。
写真ばかり撮っていると息子に悪いので、ちゃんとバッタも探しますよ。この日、ここで見つけたバッタはすべてヒナバッタでした。これは普通の茶色いメス。地面に紛れる隠蔽色です。
そしていました! ピンク色のヒナバッタ。この写真はオスで、腹部が黄色やオレンジ色で鮮やかですが、それはヒナバッタのオスとしては普通です
(茶色いオスも撮っておくんだった・・・)。頭から後肢にかけてピンク色をしているのが普通じゃない。でも赤い植物も結構ありますから、ピンク色だから特別目立つという感じもしませんでした。
この日はヒナバッタばかり何匹も見つけましたが、私が見た7匹中3匹がピンク色。息子は茶色いバッタをもっと見たと言ってますが、それでも結構な割合でピンク色の個体がいるようです。
さて、なんでこんなにピンク色が多いんだ? 一般にはピンク色のバッタは突然変異による色素異常と言われています。ではこの突然変異は遺伝するのでしょうか? というわけで、この日見つけた3匹のピンク色のヒナバッタは、持ち帰って繁殖に挑戦することになりました。さて、上手く交尾・産卵してくれるでしょうか? そして春まで卵を管理し、孵化させることができるでしょうか?
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