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第12話:やさしい涙

「痛くないよ」

おまえは処女か。

「むしろそれしか言われない」

6、、って、それ、もう、今年の流行語大賞だな。

「やさしくしてくれてありがとう」

トラウマが取れたみたいで何より。

「指を使わないって人、はじめて」

そか。
即挿入ってことでもないからな。

「うん、昔の人がそういうの面白がってよくやってきたけどホント勘弁」

野郎の9割は、アダルトなビデオを教科書だと思っているからな。

「たしかに!」

続きは、次回にしよう。

そう言って、男は先程と同じ要領・工程で、元気から元の状態に戻した。

「ヤらなくて、いいの?」

だから、ヤリモクじゃねえっつーの。

「ホント変態」

流行語大賞。

「パターン変わった笑」

あと、途中でやめた理由がもうひとつ。

「え?」

続きは次回って決めれば、また会ってくれるだろ?

「どちらにしても、あたしは会いたいよ」

キスしよ。
キスして。

「ん、、」

気がつけば、朝4時。
2人は手を繋いだまま寝た。

少しして、男がふと目を覚まし、彼女の顔を見ると、、涙が出ていた。

ずっとずっと、DVや中絶などのトラウマに苦しんでいたのだろう。
痛かったのは、カラダではなく心だったのだろう。

やさしい涙って、こういうものを示すのかもな。

男は、彼女の涙を拭き、軽くキスをした。

彼女は少し動き、キスを返そうとしたのかもしれない。
多分、彼女は寝たふりをしていた。

男は、ニコタマの花火が終わるころ、あの日約束をした二子玉川の駅のホームで、そんなことをふと思い出していた。

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