拝啓、親愛なる君たちへ

2021年10月17日、20時。
一通のメールが届いた。


その時、私はTwitterで何やらV6のFCからメールが届いているということを知り、急いで受信BOXを開いた。


それは、6人から『V–Land』へのお誘いだった。


そこではV6の映像作品・写真・コンサート衣装が見れるし、そこでしか見れない映像もあるよ。とのこと。
FC限定のメールなので実際の文章は公開できないけど、読んだ瞬間、涙が溢れた。
メールだから、文字自体はただの活字なんだけれど、そこに綴られた言葉から、確かに私たち向けられた気持ちが伝わってきたからだ。


そのあと、Twitterでは、

V6のファンはマナーがいい、FCメールの内容やスクショがTwitterにアップされない。

というツイートを多々見かけた。
もちろん、マナーが良いと言っていただけるのは、諸先輩方の努力の賜物だ。
私もそういうファンであろうと思いながらTwitterを見ていたら、一つのツイートが目に留まった。


『あのメールは、6人からのラブレターなんだ。
ラブレターは誰かに見せるものじゃない。
だからこそ、皆アップしないんだ。』

あの時一度見たきりだから、違うところはあると思うけど、概ねこんな内容のツイートだった。
それを読んで、ストンと腑に落ちた。
あのメールは紛れもなく、6人からのラブレターだった。




それから時は流れ、2022年4月13日。
「V6 groove」の円盤発売日。


前日にフラゲしたけれど、なんとなくすぐには開けられなくて、結局この日に私は封を開けた。
(なお、フラゲしてライブロゴステッカーを見ただけで涙腺が緩んだのは、ここだけの話だ)


初回限定盤Bを開くと、そこには「目を閉じれば/鏡」のCDケースがあった。
薄いグレーの紙でできたCDケースを手に取り、私はそっとケースを開いた。
そこには、こんな言葉が綴られていた。

『出会ってくれて ありがとう
いつかどこかで また逢う日まで
あなたが好きです。』


と。


それは、ライブの最後に6人が私たちに伝えてくれた言葉だった。
目頭が熱くなって、でもここで泣くわけにはいかないと、ぎゅっと我慢した。
だけど、CDをかけ始めたら、もう大泣き虫だった。

「目を閉じれば」、「鏡」。


2曲ともファンに向けて歌ってくれた歌。
その中で、彼らは言ってくれたのだ。


『これからも、そばにいるから』
『ありがとう』
『僕も、君が好きだよ』

と。

もう、V6は完結したのだ。
それなのに、未来を約束してくれた。
そして、オブラートに包まず、一番シンプルな言葉で伝えてくれた。
私たちファンのことが、好きだと。


誰かのファンであることは、一方通行で片想いだと、私は常々思っている。
それが当たり前だから、向こうから返ってくることはなんら期待していない。
でも時々、向こうから何かしらの形でファンに想いが返ってくることがあって、それはすごく嬉しいことだ。

だけど、こんなにもまっすぐ、“ファンである君”に想いを伝えてもらえたのは、初めてかもしれない。

“皆”じゃなくて、“君”に。
多数に向けてじゃなくて、個人に向けて。

確かに彼らは、私たちの気持ちを受け止めてくれて、気持ちを返してくれた。
これって、とてつもない奇跡だ。


そして不意に思った。
このCDは、ケースも収録曲も、全てひっくるめて、私たちへのラブレターであると。



「目を閉じれば」・「鏡」。
どちらも素晴らしい楽曲で、多くの人に聞いてほしいなと思う。
でもその一方で、ファンだけで大切にしておきたい気持ちもある。
だって、この曲たちは、ファンに向けたラブレターなのだから。

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